きもの蔵人みやもと 宮本曜子

きもの蔵人みやもとは、鎌倉の地で商いを始めて140余年。四代に渡って培ってきたノウハウ…

きもの蔵人みやもと 宮本曜子

きもの蔵人みやもとは、鎌倉の地で商いを始めて140余年。四代に渡って培ってきたノウハウを生かし、きものへのハードルを解消、素敵なきものライフを楽しんでいただけるお店を目指しています。 お手持ちのきもののお手入れやお直しなど、きものに関することをお気軽にお問合せ下さい。

最近の記事

お宮参りの掛け着と三歳のお祝い着

とてもうれしいことが起きました。 私が成人式のお着物選びから当日の着付けまでお手伝いさせていただいたお嬢様の、お嬢様の三歳のお祝いをお手伝いさせていただく ご相談にたまたまお二人が相次いで来店されたのです。 どちらのお嬢様も、成人式の頃のままと言う感じでしたが、やはり確実にお母様になっているわけで、その分私も確実に年を重ねているのですが、 何とも不思議な気がしました。 この三歳のお嬢様の、七歳のお祝いのお手伝いをさせてもらえるのかしら・・・ 成人式までお手伝いできるかな・・

    • お母様の振袖をお召しになる場合 ママ振り

      このところ、お母様の振袖を着たいと言うお客様のご来店が、多くなっております。 世代的に、そのお母様方は、五十歳ちょっと前ぐらいの方が多いようです。とても素晴らしい伝統柄のお着物が多く、お手入れしてでも、お召しいただいたほうが良い物が、ほとんどです。 しかし、当のお母様自身は、全くお召しになっていなかったり、一度ぐらいしか、お召しになっていなかったりする場合が多いのです。 だから、当然成人式のお振袖に対する重要性は、 お母様の方が感じていらっしゃらない場合が多くなります。 私は

      • 着物の繰り回し

        着物は仕立て直すときに、繰り回しがきく衣裳です。 もちろん、訪問着や振袖などのように、柄があるものは、どの部分を袖にするか前身頃にするかなどを考えて染めておりますので、部分部分の取替えがききません。 紬や小紋・無地などは、かなりの繰り回しをすることが可能です。 茶道のお稽古をしておられる方は、正座をされる時に膝に手を置かれますので、上前の膝上ぐらいのところが、どうしても、汚れたり擦れたりしやすいものです。また、膝行膝退などで、畳の上を動かれることも多いので、上前は、結構、痛み

        • 大人のきものリメイクで

          お客様のお宅に、曾孫さんが生まれました。男の子です。しかも、海外で。なにか、送ってあげたいと洗い張りの済んだ着尺をお預かりしました。 以前、男の子に作った着物とちゃんちゃんこ、とっても可愛くできたので、それを作ることにしました。 まだ、産まれたばかりですから、一つ身で作ります。 子供の着物には、一つ身、三つ身、四つ身があります。 身頃を、着物の反物の巾をいかに使うかで、その作り方が変わります。 お宮参りに使う掛け着は、一つ身です。 三歳のお祝いに使う着物は、三つ身となります

        お宮参りの掛け着と三歳のお祝い着

          鶴岡八幡宮などでの挙式のお手伝い

          最近、鶴岡八幡宮をはじめとする鎌倉の神社仏閣での結婚式のお手伝いの仕事が大変多くなってきました。 月に平均しますと一回程度なのですが、そのご相談や申し込み、鬘合わせ、そして、本番を合わせますと、ほぼ毎週日曜日は、結婚式関係のお仕事が入っているような状況になってきました。 当店がさせていただいているのは、まず、貸衣裳の手配と美容師さんの手配、スタジオが奥にありますし写真集のご希望も多いので、カメラマンの手配、ご列席の方の着付けやヘアメイク、人力車の手配などです。 何よりも、当

          鶴岡八幡宮などでの挙式のお手伝い

          お着物を着る機会を増やすには…

          着物を着る機会が無いと言う言葉をよく耳にしますが、 最近、お子様の卒業式や入学式にお着物をお召しくださるお母様が、 増えたように思います。 一昔前ですと、お子様が小さい時にはその面倒を見るだけで大変と、 お召しにならなかったものですが、幼稚園の入園式や卒園式でも、 お召しになられる方が増えました。 優しいご主人様が増えたからかもしれません。 また、七五三のお祝いに、お母様もお着物をお召しくださる方が、 大変多くなってきました。 それだけではなく、お嬢様の成人式の前撮りのと

          お着物を着る機会を増やすには…

          正絹のお着物レンタルで鎌倉散策はいかがでしょうか?

          着るということが、少しブームになっているのでしょうか? 当店では、25年ほど前から「小紋レンタル」という、サービス業務を行っております。 これは、しばしば、テレビの取材を受けたり、 旅行雑誌にも載っているため、 市外の方からのご要望の多いサービスなのですが、 手ぶらでご来店になって、着物や浴衣を着付けさせて頂き、 一日楽しめるプランです。 六月と九月は単衣、七月と八月は浴衣、 それ以外は袷のお着物で対応させていただいております。 この,季節によってお召しいただく着物の種類に

          正絹のお着物レンタルで鎌倉散策はいかがでしょうか?

          一反の反物から、お宮参りの掛け着とお被布ができる!

          一反の反物からお宮参りの掛け着とお被布を作ることが出来ます。お宮参りの掛け着は、後に袖を作り直せば、三歳のお祝い着としてお召しいただけます。 その場合は、その上にお被布をお召しいただく必要があります。 そのお被布は、掛け着の残りの布で作ることが可能です。 ですので、かわいい地紋の白生地を、赤に染め、残りの生地は白のままでお被布にしたり、掛け着をピンクに染めて、残りを赤に染めてお被布にしたり、色々楽しめます。 かわいい小紋で作るのも宜しいかもしれません。先日は、当店の改装後の

          一反の反物から、お宮参りの掛け着とお被布ができる!

          美しく着物をお召しになるには、細いウエストもなかったことに!

          着付けの仕方でご相談をよく受けるのが、お端折りの始末です。 特に、ウエストとヒップに差のある方、つまりスタイルの良い方に多いのですが、プリーツのようにしわがよってしまうと言うことです。 これの解消には、まず、長襦袢をお召しになる前に、タオルでウエストの補正をきちんとすることをお勧めします。 女性は、やはり、少しでも細く見られたいと思うもので、ウエストをタオルで補正してしまうと太って見えないかと思う方がおられますが、着物の場合は、寸胴にした方が細く見えるのです。ヒップが強調され

          美しく着物をお召しになるには、細いウエストもなかったことに!

          着物の余り布 草履の鼻緒やバッグに作り替えてみませんか?

          最近、当社の社員が凝っていることがあります。 お着物をお仕立てした後の残布の活用です。 元はと言えば、私が始めたのですが、私は背が低いので、小紋や紬など柄の位置が決まってない着物を仕立てますと、たくさんの生地が余ってしまうのです。 昔その生地で草履を作ったことがあったのですが、余り履き心地が良くなくて、余り活用出来ませんでした。 ここ20年ほど前から、当店でお勧めしている京都の草履は大変履きやすく、尚且つ坪寄せと言って、鼻緒をすげる位置が右足用と左足用に違えてあるため、草履か

          着物の余り布 草履の鼻緒やバッグに作り替えてみませんか?

          日本初!お着物専用の保管庫「蔵」を若気の至りで作ってしまった!!

          二十八年ほど前に、当社では、お着物をお預かりするために蔵を建築いたしました。 当時自営業だった染物店から、本格的に呉服業に転換し法人化するに当たり、 多くの方にアンケートをし、 なぜお着物を最近お召しにならなくなったのかを調べました。 「着る機会がない」 「着ることができない」 「手入れが面倒」 「保管するところが無い」などが、その大半を占めました。 だったら、それらを全て私たちの手で解消したら、 お着物をお召しになる方が増えるのではないか

          日本初!お着物専用の保管庫「蔵」を若気の至りで作ってしまった!!

          黒留袖のお直し

          最近、たまたま、お留袖のお直しを、お二人様から承りました。 どちらも、先代のお留袖を譲るという形での作り直しです。お一人のお留袖は、地色が黒であったのに、下に染めてあった紅が戻ってしまい、少し、茶色っぽくなっていました。 そこで、色揚げをさせていただくことにしました。 色揚げとは、柄はそのまま生かして地色を元の黒に戻すことです。今回お預かりしたお留袖は、柄の周りがぼかしてありましたので、元のぼかしも生かさねばならず、少々苦労したようでした。 尚且つ、紋も今のご

          吟味した白生地を自分好みの色に染める

          最近、白生地を染める方が、本当に少なくなってきました。むしろ、白生地を見たことがあるという方のほうが少ないかもしれません。 昔、呉服屋には、初衣という習慣があり、新年に呉服屋(御福や)から長いものを受け取ると、一年幸せに暮らせるという言い伝えから、お得意様に、いつもより格安で白生地や胴裏などを一方的に呉服屋が送り、お客様は、ま、しょうがないかという感覚で、御代をお支払いくださるという、今では考えられない制度があったのです。  そのようなことが普通に行われていた頃、当店は、

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          大切な方が遺したお着物の活用法

          今、古着が大変多く出回っております。 昔の古着屋さんは、私たち以上に着物を見る「目」がありました。ですから、たとえ古着と言っても本当に希少価値のあるよい品物は、それなりの値段できちんと買取り、布としての価値のないものは、買い取られることがありませんでした。  ところが、最近の買取の業者さんの中には本来のお着物の価値に関係なく、段ボール箱一箱数千円というような買取の仕方をするところも多くなり、買い取られたものは着物として生かされる場合もありますが、切り刻まれて小物造りの材料

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          季節によって変わる着物の小物や柄

          最近お客様も含めてお受けする質問の中で一番多いのは、季節によって何を着ればよいか、小物はどうしたら良いかという内容です。 季節感のある柄は、最近着物や帯を作るうえで避ける傾向がありますので、余り気にしないでよいのが現状です。 着物の柄でよく使われる「桜」の柄については、宇野千代さんがよく例に取られますが、日本の国の花ですし寒桜等もありますから、どの季節にお召しになってもよいのですと仰る方もおられます。 ですが、気にする方は、桜は春だと断言されます。 最近は、お花

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