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大切な方が遺したお着物の活用法
今、古着が大変多く出回っております。
昔の古着屋さんは、私たち以上に着物を見る「目」がありました。ですから、たとえ古着と言っても本当に希少価値のあるよい品物は、それなりの値段できちんと買取り、布としての価値のないものは、買い取られることがありませんでした。
ところが、最近の買取の業者さんの中には本来のお着物の価値に関係なく、段ボール箱一箱数千円というような買取の仕方をするところも多くなり、買い取られたものは着物として生かされる場合もありますが、切り刻まれて小物造りの材料となってしまったり、買い取ってくれると聞いて呼んだ業者さんが、これらには価値がないので引き取るのにお代がかかると言われてしまったりするそうです。
一方、インターネットや店頭などで、委託販売される場合は、本当に着用される着物として売買されるケースが多いようです。
しかし、残念なのは、それらのお着物に何の手も入れず裄や袖丈の全く合わないものを洗うこともせず着てしまう人たちもいらっしゃるということです。
お着物は、本来大切に保管していただければ、親子三代お召しいただけるものです。ですから、切り刻んでしまったり燃やしてしまうくらいなら、たとえ縁のない方のものでも、着物としてきてくださる方がいたら、譲ることは、蚕さんに対しても大変敬意を表した方法で、良いことだと思います。
ただ、本来は、形見分けは仕立てあがったまま、生きているうちに譲るときには、洗い張りをした状態で(反物の状態に戻して)と昔は決まっていたようです。
せめて、着用する側は、ご自分の寸法にしっかり合わせて着ていただけると、着姿も美しいのになあと思います。
今の反物は昔の反物に比べて、幅が広くなっております。昔の反物ですと、必ずしも丁度良い寸法に直せるとは限りません。しかし、少しでも縫い込んだ分がありましたら、出すことは可能です。
一度、ご相談くださいませ。
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