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私と着物

いったいいつのことだったか、
もうはっきりとは覚えていませんが、
とても小さい頃から私は着物に対する強い憧れがありました。

町で着物の方を見かければ飽きずにずっと見ていましたし、
成人式やお正月のテレビで振袖をみれば
「私もいつかはこれを着るんだ!何色がいいだろう」と
ずっと考えているような子どもでした。

歴史の授業でも古典の授業でも暇さえあれば
十二単のページばかり見ていました。
今思えばとっても変わった子だったと思います。
それだけ着物はずっと私を魅了してくれる存在でした。

そんな少し変わった子だった私には小さな夢がありました。
それは、「初詣に着物で行くこと」です。
母から行ったことがあると聞いたことがありましたし、
テレビや漫画では当たり前の世界です。

毎年何度頼んだかわかりません。
しかし、毎年母は
「寒いし、大変だし、お母さんには着せられないから無理だよ」
とお決まりの返事を返すのみです。
確かに浴衣と違って着物で初詣に来る人は本当に少数です。
いつしか私はその小さな夢を諦めてしまいました。

年が経ち、私も十九歳になりました。
あいかわらず着物への熱は冷めておらず、
十二単への憧れから、
大好きだった平安時代の文学や文字を扱える文学部へ進学しました。
そして一蔵さんで一目惚れの振袖を買ったご縁で
いち瑠の着付教室に通うようになりました。

颯爽と着こなしていた着物美人たちは
こんなに実は大変だっとのか!と正直思いました。
先生に何度も教えてもらい、何とか自分で着れるようになった昨年の冬。
母が言いました。「初詣に着物で行こう」と。
とうとう忘れかけていた小さな私の夢が叶う時が来たのです!
嬉しくてたまりませんでした。
いろんな方が「着物だ、すごいね」「可愛いね」と褒めてくれました。

これからもっともっと着物を着るのが上手くなって、
小さな頃私に着物の素晴らしさ、
美しさを教えてくれた着物美人たちの仲間入りができるように、
これが日本の『Kimono』だ! と
胸を張って言える女性になれるよう、頑張っていきたいと思います。