映画#46『アメイジング・スパイダーマン2』
絡まる愛の糸、迸る復讐の雷
数あるスパイダーマンを主役とした映画の中で私が一番好きなのが今作だ。不評とかそんなもん知らん。文句言うな。
まず何よりもオープニングが最高すぎるのだ。勇ましいBGMが始まると共に、暗闇の中にスパイディのマークが浮かび上がり、そのまま背景はNYの街並みへ。そして華麗にスイングを決めるスパイディ。
「お前ら見たか。これがスパイダーマンだ。」と言わんばかりの演出。最高すぎるにも程がある。正直オープニングに関して、これを超えるアメコミ映画は果たして今後生まれるのだろうか。
それだけでなく、事件を颯爽と解決しに向かうスパイディ。口笛を吹きながら犯罪者にズリパンをかます。俺たちが見たかったスパイディが今、動いているのだ。感動して目から蜘蛛の糸が出そうだ。
またヒロインのグウェン・ステイシーとのラブラブ度は前作よりも急上昇。距離を取りたくてもお互いがお互いを好きすぎて離れられない。しまいには狭いとこでさりげなくキスしちゃう!なんなら橋に糸で「I LOVE YOU」って書いちゃう!?あれ、俺恋愛映画でも観てるのかな。
(実際の撮影でもガーフィールドとエマストーンが意識しちゃって一時期付き合ってたのは有名なお話だったりする。)
しかしだからこそ、あの顛末が刺さりまくる。最終決戦の最中、時計塔での戦いでグウェンは落下。すんでのところでピーターの糸が彼女を捕まえるも一足遅く、グウェンは死亡してしまうのだ。
シリーズでは初のヒロインの死亡…一途なピーターにこれはあまりにもキツすぎる。最終決戦の直前、グウェンに「君に一生ついていく」と約束していたのも相まって非常に胸が締め付けられる。
完全に意気消沈し、5ヶ月もスパイダーマンとしての活動をやめていたピーター。しかし高校の卒業式で、グウェンが行ったスピーチを聞いて、意を決した彼は再び立ち上がる。
愛する人を失い、挫けそうになって、それでも尚街を守る為に立ち上がるヒーロー。このラストシーンもまた、オープニングと同じくアメコミ映画史上最高レベルのものだと思っている。
彼の戦いはまだ、始まったばかりなのだ。
まとめ
上からオープニング、ヴィランのエレクトロとの最終決戦のシーン。まだ観てないという方はこれだけでも是非観てほしい。
言いそびれたが今作は音楽も非常に魅力的だ。特にメインテーマとエレクトロのテーマはカッコ良すぎてめっちゃブチ上がる。
だが冒頭でもひっそり言った通り、今作は不評の作品でもある。この映画をこよなく愛す私とて、その理由に関しては客観的に考えねばならない。その理由の一つとして思い浮かんだのはヴィランの多さだろうか。
強力な電気を巧みに操るエレクトロ、サイのようなパワードスーツに身を包んだライノ、そしてスパイディの宿敵ことグリーン・ゴブリン。しかし残念なことに、後者2人に関しては物語の後半の後半、ほぼラストシーンにしか登場していないのだ。
ライノはともかく、ゴブリンに関してはその正体はピーターの親友ハリーであり、自身を救ってくれなかった恨みを抱いている。そんな魅力的なキャラクターを、ラストシーンでしか活躍させないとなると、少し勿体無い気分になってしまう。
この不評が原因で、『アメイジング・スパイダーマン3』が幻の作品となってしまったのは非常に残念だ(今作で完結だからこそ、あのラストシーンが輝いたというのもあるかもしれないが…)。
けどもしかしたら、可能性はまだ残っているかも…?ともかく今後が非常に楽しみである。
それではまた、次の映画にて。