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映画#149『65/シックスティ・ファイブ』

『65/シックスティ・ファイブ』(”65”)

監督/脚本:スコット・ベック、ブライアン・ウッズ
製作:サム・ライミ、デビー・リーブリング、ザイナブ・アジジ、スコット・ベック、ブライアン・ウッズ
出演:アダム・ドライバー、アリアナ・グリーンブラッド、クロエ・コールマン、他
製作会社:コロンビア ピクチャーズ、ブロン・クリエイティブ、TSGエンターテインメント、ライミ・プロダクションズ、ベック/ウッズ
配給:ソニー
公開:2023年3月17日(米国)5月26日(日本)
製作国:アメリカ合衆国

Wikipediaより引用

【あらすじ】
長期探査ミッション中の宇宙船が、小惑星帯と衝突して墜落した。乗組員のほとんどが命を落とし、船体は破壊され航行不能となってしまう。生き残った男ミルズは、どこかに切り離されたはずの脱出船を見つけ出すべく未知の惑星を探索する中で、コアという少女を発見する。実は2人がいるのは6500年前の地球で、恐竜を絶滅させた巨大隕石の衝突まであとわずかだった。

映画.comより抜粋

画像出典:映画.com

『クワイエット・プレイス』を手がけたスコット・ベックとブライアン・ウッズ、『死霊のはらわた』『スパイダーマン』を手がけたサム・ライミ、そして『スターウォーズ/フォースの覚醒』にて一躍スターとなったアダム・ドライバーが奇跡のコラボ。

世にも恐ろしい恐竜たちが闊歩し、隕石衝突により滅び去る運命にある地球から一刻も早く脱出せねばならない………それが今作『65/シックスティ・ファイブ』だ。


恐竜からの脅威から逃れつつ生還を目指す脱出劇、ということで大まかな流れは『ジュラシック・パーク』とほぼ全く同じ。違いがあるとすれば、今作は厳密に言えばジュラシック「パーク」ではなく「プラネット」という点だろうか(或いは真の意味での「ワールド」と呼べるかもしれない)。

小型デジタル望遠鏡、光線銃、ホログラム位置特定装置などハイテク装備が盛り沢山。
それほどの技術を持ち合わせていて何故墜落は避けられなかったのか………

加えて恐竜たちに四六時中狙われる人間サイドは技術にとても優れている………というかそもそも別の惑星の人間である為、宇宙船の構造や銃などの装備は非常に近未来的だ。まぁ、遥か遠い未来の地球人がタイムリープしてきた、という設定でも十分まかり通りそうではあるが。


ストーリーの内容に関しては「思ったよりポップだった」と言った所。監督が監督、製作が製作な為にホラーチックな作りになるのは概ね予想していたし実際怖いシーンはちゃんと怖いのだが、主人公がミルズ(アダム・ドライバー)とコア(アリアナ・グリーンブラット)の2人によって紡がれる脱出劇は、どこか親子がじゃれ合うかのような温かみを感じられる。更に言えばお互いの言語が通じない為、ジェスチャー等で段々と心を通わせていく様はとてもハートフルだ。


が、Filmarksなどのレビューサイトを見てみると若干賛否両論状態な様に、設定などの作りに関して少々粗があるのもまた事実。

私が最も気になったのは恐竜の造形に関してだ。『ジュラシック〜』で多くのリアルな恐竜を目にしてきたというのもあるが、今作の恐竜の姿にはどうもしっくり来ない。あのイグアナLv.100みたいなやつは何?ティラノサウルスに至っては腕めっちゃ太いし四足歩行してるよぉー!?!?といった風に違和感をどうしても払拭するのが難しかった………

まぁ今作のテーマはジュラシック・プラネットと化した地球から脱出する、というもので恐竜を始めとする太古の自然の神秘を描くストーリーではないので納得ではあるが(恐竜を「太古の生物」ではなく「人を襲うモンスター」として描くのは『パーク3』以降のジュラシック・シリーズに通ずるものがあるかもしれない)。


とは言えど「隕石衝突寸前の地球」や「どこからともなく襲いかかってくる恐竜たち」など、今作をパニック映画として描くのに必要な要素は充分揃っているし、正直活かしきれてない部分はあれど劇場で楽しむには程よい出来だと言える。それも監督、製作、主演のネームバリューがあってこそだろう………久々に劇場で頭空っぽにして映画を観たいという方には是非。

それではまた、次の映画にて。

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