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映画#114『シン・仮面ライダー』

『シン・仮面ライダー』

監督/脚本:庵野秀明
原作:石ノ森章太郎
出演:池松壮亮、浜辺美波、柄本佑、西野七瀬、塚本晋也、手塚とおる、松尾スズキ、森山未來、他
制作会社:シネバザール
配給:東映
公開:2023年3月18日
上映時間:121分
製作国:日本

Wikipediaより引用

【あらすじ】
Kamen Rider Takeshi Hongo is an augmented human being. He was upgraded by SHOCKER, an all-loving secret society that pursues happiness for humanity.
Kamen Rider has pledged to fight against SHOCKER to ensure human beings stay human.

ポスター記載文より抜粋

画像参照:映画.com

トラックに追われ山道を疾走するバイクと共に始まる今作。途轍もない疾走感のスタートを切った直後、崖の上からショッカーたちを見下ろす仮面ライダーが登場。そこからは敵を殴って蹴って殴って殴って殴って……

血飛沫が画面中に舞う中、私は確信した……「あ、これ美味しい部分しかない映画だ」と。最初からサビ状態。前菜なんてものはなく初っ端からサーロインステーキが出てくる感じ。

故にこのレビューの記事も「前置き」なんていう野暮なものは必要ないと確信した。本題のみを貫き通す……私の中で今年一番の衝撃を与えたと言っても過言ではない今作をどう語れば良いか、しばらく考えた後にそういった結論が出た次第だ。



レビューサイトやSNSでは空前絶後の「賛否両論」状態となっている今作だが、概ね高評価を得ているのはやはり先述した序盤のアクションシーンだ。ここで「これまでの仮面ライダーとは全くちゃうで」と無理矢理分からされ、そうして緑川博士の死→VS蜘蛛男(今作の名称は「クモオーグ」)へ。

このストーリー展開はTVシリーズの第一話『怪奇!蜘蛛男』の再現となるのだが、その戦闘シーンもまた完全に原作再現なのがニクい。今作のPG12という年齢制限も相まって若干バイオレンスな描写が入っているのも「闘争本能に支配されながら戦う本郷猛」を視覚的に表現していると言える。

今までのTVシリーズの劇場版とは全くもって異なる……いわば「庵野秀明の仮面ライダー」である今作、当然「こんなの仮面ライダーじゃない!!」と批判の声も上がっている。だが私は、このダークさ・陰鬱さこそTVシリーズ『仮面ライダー』の「怪奇アクションモノ」的特徴を助長させていると感じた。

同系列のリブート作品である『仮面ライダー THE FIRST』とも異なる独特な作品の雰囲気……これぞまさしく、私が今作の公開前から抱いていた「期待」そのものだったのだ。



だがしかし、全くもって不満がなかった!!とは言い難いのも本音。不満点を挙げるといえば「CG描写」と「ドラマパート」だろうか……。

前者に関して、作中にて本郷猛/仮面ライダーと一文字隼人/仮面ライダー第2号が会合し、庵野お得意の工場地帯でのハイスピードなバトルが展開されるのだが……Wライダー同士の戦いという激アツ展開なのにも関わらず、少々CG描写がチープに感じられてしまったのが残念な所。であれば、多少絵面が地味でも実際にスタントマンを起用し格闘して頂きたかった……その方がインパクトも印象も強かったのでは?とどうしても思ってしまう。

続いて後者に関して、これもやはり「何か物足りないな」と思わざるを得なかった。作中、ある主要人物が亡くなってしまうのだが、それまでのドラマパートにあまりのめり込むことができなかったせいか対して感情が揺れ動くことはなかった(いつも通り、単に私の読解力が終わってるだけかもしれないが)。どれだけ池松壮亮が涙を流そうと、私の涙腺は微動だにしなかったのである。

だがこれだけは言いたい……私は今作を「アクション」もとい「仮面ライダーのかっこよさ」で鑑賞したのだ。故にドラマ性なんてものは私にとって二の次なのである。どうでもいい……とは決して言い切れないが、少なくともこれらの要素が私の今作に対する評価を変えることはない、と胸を張って言える。



どこかで聞いた「この映画に80点はない。0点か、120点だ」という感想が非常に腑に落ちる。要するに『シン・ウルトラマン』公開当時とほぼ同じ状況なのである。一部の人たち(私を含む)には深〜〜〜く刺さりまくる、そんな映画。

ここまで熱弁したが、正直まだまだ語れる。それぐらい私に激烈なインパクトを与えやがった映画。可能であればもう一回観に行きたいが、いかんせんリアルが多忙な時期なもので……ひとまず今回はここで。

それではまた、次の映画にて。


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