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YCPコンサルタント通信:スタバの事例から考える~日常のオペレーション徹底の妙


こんにちは。YCP人事の岩田です。
弊社ではコンサルタントが日報(職位により週報や隔週報など)を出す制度がありまして、これがまた示唆に富んでいて非常に学びが深く、社内に眠らせておくのが勿体ないと思い公開に踏み切りました。

また日報を通じてYCPメンバーの思いや日々の仕事に少しでも触れて頂き、興味持って頂けたら嬉しいです。

さて、今回はManeger原田の日報をお送りします。

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原田Profile
早稲田大卒 資生堂/アバージェンス/strategy &
コンサルタントとして医療/製造/通信/小売/外食/IT/物流等幅広い業界にて、成長戦略策定/新規事業開発支援/組織改革/営業部門の生産性向上/間接部門の生産性向上/全社再建等幅広いテーマの支援実績を有する。

資生堂にてドラッグストア向け営業に従事したのち、アバージェンスにてハンズオンでの財務成果創出支援及び組織変革支援を行い、戦略策定から成果創出までを一貫して実現。また、Strategy&においては、新規事業開発支援や組織改革、ビジネスDD等幅広いテーマでの支援を実施。

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この一年くらい、スタバのオペレーションの徹底具合に感銘を受け続けています。
というのも、スタバではほとんどの店舗(体感では95%くらい)でレジのオペレーションが徹底されています。

例えばホットコーヒーを頼んだ場合
注文を受ける→ホットコーヒーを作る→会計→ホットコーヒーを渡すというオペレーションになっており、決して
注文を受ける→先に会計する→ホットコーヒーを作って渡すにはなりません。

いつも私は列に並んでいる間にスマホのアプリ(プリペイド機能が入っているもの)を立ち上げて、自分の番が来ると注文しながらアプリを差し出しているのですが、絶対に先に会計してくれないのです。必ずホットコーヒーを作って、出来上がってから会計となります。

単純にオペレーションが徹底している(ぶれない)ということもすごいのですが、オペレーションそのものにも非常に価値があります。

ぜひ今度(スタバでなくても良いので)どこかで買い物するときにレジのオペレーションを観察して頂きたいのですが、例えばスーパーマーケットだとレジでお客さん1人を捌くのにかかる時間は大体1分〜1分半です。

この工数を決めるドライバーって何だと思いますか?


若かりし頃の私は買い上げ点数だと思っていたのですが、実際に計測すると実は買い上げ点数よりも大きなドライバーは「会計金額を聞いてから、お客さんが鞄から財布を出し→お札や硬貨を探して→ポイントカードなどを探して→お金とカードをレジに置く」までの時間であり、店側の努力ではコントロールできない時間であることがわかりました。

現金決済のお客さんだと1人あたり大体1分半~2分はかかっていて、そのうちの30秒程度〜長い場合は1分くらい、お客さんがお金を払うのに時間がかかっています。

一方で、電子マネー決済のお客さんになると、1人あたり40秒〜50秒くらいで会計が完了します。

スーパーマーケットではお客さんがお金を出すまでレジの人は待つしかないのですが、スタバだとコーヒーをカップに注ぐくらいの作業はできてしまいます。

もしスタバでレジのオペレーションが徹底されておらず、

注文を受ける→お客さんがお金を出すのを待つ(30秒から1分)→会計する→コーヒーを作る(30秒?)

という順番で作業してしまった場合、会計を後に回す場合よりも30秒(コーヒーを作る時間が後ろに回る分だけ)、お客さん一人を捌く時間が増えてしまいます。おそらくスタバはここに目をつけたから、どんなに私がスマホアプリを出しても絶対に先に会計をしてくれないのだと思います(笑)。

「電子マネーの場合は先に会計しても時間は変わらないのでは?」という考えもあるかもしれません。確かに電子マネーの場合(特に私のように注文前からスマホアプリを差し出しているような場合)は作業順序を変えても1人を捌くのにかかる時間は数秒しか変わりません。

しかし、短期間しか定着しないアルバイトを含めてオペレーションを徹底させるには、オペレーションはシンプルな一本になっていることが最良です。「どちらでも変わらない」のであれば、基本の1種類のオペレーションだけを教育し、それ以外のオペレーションを作らない方が確実に徹底されます。

例えば顧客の会計種別に応じて以下のように場合分けをしたマニュアルを作成したら、このオペレーションは間違いなく徹底されません。

・現金の場合は先にコーヒーを作る

・電子マネー(WAON、Edy等の物理カード)の場合は、お客さんが急いでいそうな場合に限り先に会計をしても良い

・電子マネー(スマホアプリ)の場合は立ち上げに時間がかかることがあるので、状況を見ながらすぐに画面が立ち上がりそうなら先に会計をしても良い

・スタバプリペイドカードの場合は追加チャージも行う場合があり、先にコーヒーを作っていると少し冷めてしまうので先に会計し、追加チャージ’の有無を確認してからコーヒーを作る

単純なオペレーションでも、場合分けを増やすほど覚えられなくなりますよね。一番問題なのは、場合分けを増やしても誰も得をしないことなのですが、少し頭が切れる方がいるとあり得る場合分けを全て網羅したマニュアルを作る方向に行きかけたりします(まさにboil the oceanですね)。

我々プロフェッショナルの基本動作にもオペレーション徹底の重要性は当てはまるので、ジュニアの皆さんはぜひ「自分は常に同じオペレーションができているか?」と考えてみてください。

end

引き続き学びをお届けできるような日報を定期的に配信していきたいと思います。

YCPが気になる方ぜひエントリー下さい。絶賛お仲間募集中です。
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