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無言の願望は通じない

自分がやって欲しいと思っていることをしっかりと言語化して伝えないと、思っているだけでは他者には伝わらないよということを考えていきます。

うちの子はよく「〇〇ができない」とだけ言うことがあります。例えば「(靴が)履けな〜い」というやつです。これはただ靴が履けないことに苛立っているだけの場合もありますが、多くの場合は「履かせてもらいたい」という願望を含んだ、できない宣言です。

そこで「はいはい」と言って、子どもの意図を汲み、靴を履かせてあげることもできるのですが、僕はその願望含みの訴えを聞くたびに、「履けないとだけ言っても靴は履けないよ。自分でできないのなら、履かせてほしいと言おうね」と子どもに伝えています。

子どもからしたら面倒な相手でしょう。言葉をしっかりと操れなかった小さな頃は、泣くだけで自分のやって欲しいことをやってもらえていたのに、今はしっかりと自分のやってもらいたいことを言語化しないといけないんですから。

そんなうちの子も、近頃は、だんだんと自分のやって欲しいことを的確に言語化できるようになってきていると思います。不便を経験することから学んで成長していってくれていると思います。

しかし、僕自身はどうでしょう?

子供には、やって欲しいことを言語化しなさいと迫るのに、僕自身は職場でやってほしいことをちゃんと言語化して伝えることにかなりの苦手意識を持っているんです。

例えば、あるプロジェクトで、特定の分析をする必要があったのですが、誰か自分ではない別の人にやってほしいと思っていましたが、その要望を伝えるのを躊躇してしまいました。「面倒くさい」「うまく伝えられない」「嫌がられそう」という不安が邪魔をしましたし、やって欲しいことをちゃんと伝えて、欲しいアウトプットを得ようとすれば自分でやった方が早いとも思ってしまったんです。
結果として、一応分析はできましたが、僕自身の他の仕事は進まず。。この経験から、言葉にしてお願いすることの重要性を痛感しました。

人はなぜ「言わなくてもわかってほしい」と思ってしまうのでしょうか?

やって欲しいとは言葉にせず、「大変だ」とだけ言ってしまいがちです。大変と言えば、相手が自分の意図や感情を自動的に理解してくれると過信してしまいがちです。しかし、実際には明確に伝えなければ、何をして欲しいかは相手には伝わらないので、助けてもらえません。

このギャップを埋めるためには、自分の要望やニーズを明確に伝える勇気が必要です。

子供に教えたのと同じようにやって欲しいことはちゃんと言葉で伝える必要があります。

「僕だったら、やって欲しいことを察して、やってあげるのに」などと思うこともあるけれど、職場の中に自分と全く同じ思考を持った人はいません。

それに全く同じ思考を持ったコピーのような人がたくさんいる職場はうんざりすることでしょう。こちらの意図するところを察してはくれる人たちばかりだけど、自分では思いつかないようなアイデアや新しい意見が出て来なくもなりそうです。

多様な人がいる職場の重要性については、たらればさんのアネハヅルの話がとてもよく言語化してくれているのでぜひ読んでみてください。


さて、自分のコピーではない多様な人たちがいる職場では、「言わなくてもわかってほしい」という願望だけでは、仕事がうまくいかなそうなことがわかりました。

僕が子どもに教えているように、やって欲しいことをしっかりと言葉にして伝えることができるようになれば、より健全で、理解し合える関係性が築かれていくでしょう。

心の中に留めた無言の願望は他者には伝わりません。面倒くさがらずに言語化して伝えようとすることで、自分だけでは進められなかった物事を前へ進められるようになると思います。

言語化してお願いすることをやっていきたいなと思います。

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