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「感動屋」として「伝わる」言葉を届けていきたい

阿部 広太郎さんが執筆された『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』を読みました。
読んで感じたことを書きます。

コピーライターの阿部広太郎さんが、コピーライターじゃなくても「言葉」に関わる人に知ってほしい、人のこころを動かすための「言葉術」を阿部さんが「話しかけてくれる」ように書かれている一冊です。

阿部さんの「声」が聞こえてくる本

なぜ、ただ「書かれた」本、ではなく、「話しかけてくれる」本と表現したのか。

それは僕が毎週更新しているラジオ「マノキミラジオ」で「超言葉術」を紹介したときのことです。

どのような本なのかを紹介しようとした際に

「阿部さんがどう言った考えで、言葉を紡いでいるのかな、ということが書かれているお話です、あ、本です

と言っていたんです。

読んだのは本であって、お話ではなく、本のことを紹介しているんだからと思って、とっさに訂正したんです、が、

じつは、このラジオを阿部さんが聴いてくださっていて、ラジオの放送終了後に阿部さんから

とコメントをいただいて、ハッとしたんです。

僕は、阿部さんの「声」を聞きながらこの本を読んでいたんだな、と。

僕は本を読む時に「声」が聞こえていて、その声が音読をしてくれる感覚で本を読んでいます。
原作を読んでいて、アニメや映画になったものを見た時に、「これは主人公の声となんだか違う」と思う方がいると思いますが、そういった方は、本を読む時、登場人物の声やナレーションの声が頭の中で再生されているんじゃないかなと思っています。(誰ともこの話はしたことないので、確かめてはいないのですが、、)

ちょうどこの本を読み進めている時にSchooで、阿部さんの授業を受講していたというのも関係していると思います。
この『超言葉術』は阿部さんが「言葉」について「話しかけてくれる」本だなと感じていて、そんな感情からラジオの発言が出たんだなとハッと気付かされました。

自分が何気なく発した「言葉」が、聴く側の意識によって意味を持って「伝わる」のだなとも思いました。

本の中身でもこの「伝わる」について書かれた部分が、特に僕に心に深く刺さりました。

「伝わる」とは「思い出せる」

第1章 自己紹介をしてみようの中の

「伝わる」とは「思い出せる」

という言葉がとても印象的でした。

自分が「伝えた」としても「伝わる」とは限らない。
「伝えた」と「伝わる」が違うこと。自分ではなんとなく気付いていて、行動もしていたはずなんですが、改めて言語化してくださったことで、とにかくすっと入ってきたというか、そうだよなそうだよな、とうなずきながら読んでいました。

本の中では、「伝わる」ためには、伝わるに対する「マイ定義」を持つことが重要とも書かれています。

さまざまな捉え方ができる言葉でも、マイ定義を持つことで輪郭がはっきりする。
・・・
「伝わる」に対する定義を持たなければ、「伝わる」なんてありえない


阿部さんの「伝わる」のマイ定義は

「伝わる」→「思い出せる」

受け取った相手が頭の中で「思い出せる」ことが、すなわち「伝わる」ということ。

まさにその通りだと思いました!
こちらが伝えたと思ったところで、相手のなかに残らず、「思い出せない」と伝わったことにはならない。


僕も大学で教員をしていて「言葉」を扱う仕事をする一人です。
この定義、すごいしっくりきました。

授業をしていく中で、この「思い出せる」に関するエピソードがあります。

「食品」を扱う授業では、授業中に美味しくて勉強にもなる料理店を紹介しています。

授業中に紹介したお店に実際に行ってくれて、その感想を僕に伝えてくれる学生さんがいます。「あのお店美味しかったですよ!」「先生が教えてくれたお店も良かったし、こっちのお店も美味しくて、これがオススメ!」なんて伝えてきてくれたときなんか、涙が出そうに嬉しいです。

テストで点数を取ること以上に、授業で僕が伝えた情報を「思い出して」興味を持って「行動」してくれて、さらに感想を僕に「伝えて」くれたことがとっても嬉しかったんです。

僕は授業の中でお店やそこで学べることについて「伝えた」と思っていましたが、実際には、学生たちがその情報を思い出して行動してくれたことで初めて「伝わった」ことになるのだと思いました。
「伝わる」って簡単じゃないけど、伝わったことがわかった時はすごい嬉しいし、どうしたら「伝わる」かな?と常に考えるのはワクワクして楽しいですね。

「感動屋」として、「伝わる」言葉を届けていきたい

阿部さんは本の中で、日々の暮らしの中で感動すること、感動を他人に贈ることの大切さも話されています。

あなたが感動していなければ、それを受け取る人も感動しない。
・・・
感動を贈ろう。贈られた方は、想像以上に嬉しい。


僕も授業や普段の会話の中で、特に意識して、「自分の心が動いたこと」や「どこに感動したのか」について伝えるようにしています。

文中の「感動屋になろう」というメッセージも素敵です。

僕は、これからも「感動屋」として、学生の皆さんや多くの人に「伝わる」ように「言葉」を届けていきたいなと思っています。

阿部さんのSchooの授業で実施した自分の仕事の「マイ定義」のお話もしたいし、本の冒頭の「I LOVE YOU」の訳し方についても、書きたいけど、それはまた今度。

『超言葉術』はぜひ青山ブックセンターオンラインストアで購入を!

阿部さんのことを知ったきっかけの記事が岸田 奈美さんの↓の記事なんですが、

その中の青山ブックセンターで、タイトルを見て、良いなと思った本を5冊見つけてきて、記憶に残る言葉を作るエピソードが素敵で、印象的でした。

出会いのきっかけの「青山ブックセンター」のオンラインストアで阿部さんの『超言葉術』ぜひ購入してみてください。
「記憶に残る言葉を作る、5つの法則」についてももちろん書いてあります。

阿部広太郎さんの『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』「言葉」を扱うひとりとして、本当に良い本に出会えたと思いました。

「言葉」に関わる人たちにぜひ読んでもらいたい本です。

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