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君野てを
2023年11月1日 18:02
夜が鳴くご飯をくれと鳴く夜がすり寄る撫でてくれとすり寄る夜が寝る丸まって寝る夜が伸びる体をそらして伸びる猫の形をした夜なのか猫が夜を食べたのか私にはわからない
2023年11月2日 18:24
夜をなぞる神様が今日もどこかに日記を残す
2023年11月3日 18:27
猫が月のように丸まって寝息を立てているから月と猫の居場所を変えて猫が寝ているときだけ月を愛でる魔女がいた
2023年11月4日 18:22
夜はいつも約束している毎日会いに来ると
2023年11月5日 17:57
夜の台所は少し煌いて夕食を美味しくする
2023年11月6日 17:50
夜という川にかなしみという名の舟を乗せる
2023年11月7日 17:38
夜は墓場で星の光は蝋燭の光月の光は水かけ私たちは手を合わせる明日も見守っていてほしいと
2023年11月8日 18:34
夜は本当は炎で夜に寂しくなるのはあなたの寂しさを燃やしているからだよと母がやさしい声で背中をさする夜がやさしくなるように
2023年11月9日 17:59
一日を弔うために夜はあって今日は明日のために死んでいくのよ流れ星が涙のように見えた
2023年11月10日 17:36
未来の扉を開きその手前に夜を置いて走る
2023年11月11日 18:57
僕らにはそれぞれの夜が棲んでいることを知っているようで知らない
2023年11月12日 18:10
月に水をあげてそこから何色の花が咲くのか待っている
2023年11月13日 18:38
活字を見つめていると夜が広がっていくことがあるそれは活字の向こう側に夜があるからだ活字が印刷されているあの紙は夜との境界線という夜の入れ物
2023年11月14日 17:33
あの子へ送る手紙に夜を一吹き入れて夜の郵便屋さんに渡したあの子のもとに良い夜が届くといい