見出し画像

クラシック音楽は小難しい?


音楽ジャンルのひとつに過ぎない

私自身あまりクラシック音楽を鑑賞しない

意外に思われるかもしれませんが、私はあまりコンサートホールに足を運びません。これには理由があります。
コンサートを運営する仕事(ステージマネジメントや制作)もしているため、コンサートホールに行くと「プライベート」として楽しめません。
そして、サブスクリプション等でクラシック音楽を聴くことも滅多にありません。これも、聴いていると「楽曲分析」をしてしまい、リラックスできないからです。

要するに、私にとってクラシック音楽は癒しではなく、完全に仕事として捉えており、寝る前に聴くと頭が冴えます(笑)

もちろん、仕事のために聴くことはたくさんありますが、プライベートやリラックス目的で聴くことは滅多にないということです。

私が普段聴いている音楽

Pops、K-pop、洋楽、ロック、レゲエ、EDM、ジャズ・・・クラシック音楽以外は何でも聴きます。
中でも「宇多田ヒカルさん」はデビュー時から大ファンで、社会人になるまでCDを予約して発売日に買っていました(小さなシングルCD懐かしい)。

高音質のヘッドホン必須♫

生徒の反応

生徒は流行りに敏感です。例えば、レッスン後の談笑タイムで「ボカロ曲にハマっている」と聞くと、私も俄然食いつきます(笑)
そんな私を見て生徒は「え・・先生クラシック音楽以外も聴くんですか」「クラシック音楽以外も知っているんですか」と聞かれます。

いや、私は山奥に住んでる仙人ではない

とツッコみつつ、割とどんなジャンルの音楽でも、生徒と話が盛り上がります。こういう会話から親近感を覚えてくれるのか、少しずつ心を開いてくれる、というパターンもありますので、どんなことも知っておくと私の人生を豊かにしてくれるだけでなく、助けてくれるんだな~と思います。

私が考えるクラシック音楽

その時代に流行した音楽

有名な作曲家「ショパン」を例に挙げてみます。
彼は1800年代前半に活躍した音楽家です。作った曲が200年以上経っても愛されているというのは、普遍的な美しさがあるからだと考えます。

ただ、今でこそ「200年前の音楽」ですが、200年前に流行っていた音楽でもあるのです。
今でいうと(この先何百年も残るかは別として)、ボカロ曲のような感覚で、新しいモチーフ、民族性や舞踊性に富んだ曲、当時の聴衆は「新しい曲」として愛したのだと思います。

ただし、生きている間に評価されるとは限らない

これはクラシック音楽の大きな特徴だと言えます。
今ではファンが多い、ドビュッシーも「印象派」として楽曲を発表したてのときは、批判が多かったといいます。「新しいこと」=「すべてが評価される」とは限りません。これはいつの時代にも言えることです。

年数を経て、誰かの手によって発掘、もしくは研究されることで評価されるパターンもあります。その最たる作曲家はバッハではないでしょうか。

時代や国境・・すべてを超越する美しさがある、のかも

これは人の感性によりますので、私に断言することはできません。
ただ、時代によっては400年以上愛され、今も演奏、研究されている曲が実在することを鑑みると、クラシック音楽には人々を魅了し続ける力があると考えられます。
クラシック音楽から着想を経た、Popsも数多く存在します。
(平原綾香さんがその代表例ですね)
流行を超えた美しさ(品格)があるのかもしれませんね。

どの国の音楽も異なる美しさがあります

とは言え、美しいと感じるかは人それぞれ

クラシック音楽=美しい、とも限りません。
作曲家が意図して不協和音を連続させた曲もあります。
そして、時代によって変わる曲の特性にも好みは分かれます。
私も1人の人間としてクラシック音楽が好きか?と聞かれると、迷う部分があります。実際に退屈だなと思う曲もありますし、そもそも仕事にしている以上、好き嫌いでは曲は選べません。
ただ、ヴァイオリンは私の人生そのものであり、ヴァイオリンなしでは自己表現方法を無くしてしまうことになり、生きていけないと思います。

クラシック音楽も時代で区分される

作曲家が生きた時代によって全然曲調が違う

一般的な時代区分は

  • バロック時代(バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディなど)

  • 古典派(モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン初期など)

  • ロマン派(ショパン、メンデルスゾーン、チャイコフスキーなど)

  • <国民楽派>ロマン派の一部として分類(シベリウス、ボロディンなど)

  • 印象派(ラヴェル、ドビュッシー、マグダウェルなど)

  • 近現代

時代によって曲の雰囲気や使用楽器が違う

本当にざっくりですが、記譜法が確立してからのクラシック音楽を時代で分類すると、こんな感じです。
バロック以前は中世音楽として、教会系音楽と世俗系音楽に分類される曲や、グレゴリオ聖歌などがありますね。
もし、少しでもクラシック音楽に興味がある方は、時代ごとで聴いてみて、好みの時代、作曲家を見つけるのも楽しいと思います。

時代で区分できることを考えると、クラシック音楽も「当時はやっていた音楽」であり、極論今でいう「YOASOBI」さん「KingGnu」さんのような感じかしら?と考えています。

ですから、本当にクラシック音楽自体を好きになるかどうか、そしてどの作曲家や曲を好きなるかは人それぞれです。

そして、技術の発展と共に、管楽器が1800年以降に台頭してきます。
ちょうどベートーヴェン中期以降、オーケストラにトロンボーンが出てきますので、この時代以降のオーケストラ曲はどんどん壮大になっていきます。

映画監督の言葉

クラシック音楽を使うと世界観ができあがってしまう

数年前、有名な映画監督とお話する機会があり、そこで音楽についてお聞きしたことがあります。
私が「劇伴(映画で使う音楽)はどのような位置づけで考えていますか?」とお伺いすると、

「良くも悪くも簡単に壮大な世界観ができてしまう。だから僕は自分の世界観を強く出したい作品の時は、あえて劇伴使用するシーン自体少なくするんだよね。でないと、音楽に世界観を持っていかれてしまう。それくらい音楽、特にクラシック音楽は強さがある」

すごく印象的な言葉として、ずっと覚えています。
確かにその監督の作品を観ると、音楽を使っていないシーンこそ「息を吞む」シーンだったり、重要なメッセージ性があるシーンだったりして、そこに音楽の世界観を足してしまうと、胸やけするかも。と感じました。


映画も総合芸術ですよね

クラシック音楽だけで、個人の頭の中で映像を造ることができるのかもしれません。その景色は人によって違いますが、音楽で映像を彷彿とさせるというのは音楽という枠を超え、芸術全体に影響を与えているように思います。

PopsなどはMVがありますが、クラシック音楽にはありません。

それでも長く、多くの人に愛されるのは、音楽だけで映像、景色、思い出、未来、たくさんのものが実際の映像なしで創造できるから、なのかな?


コンサートホールは行きづらい?

どのコンサートに行けばいい?ドレスコードはあるの?

まず、ドレスコードはありません。
私はオペラの制作もしていますが、客層は様々です。
学生さん、Tシャツ姿の方、着物を着ている方、仕事帰りの方・・・

ようするに、何も決まりはありません。

どのコンサートに行けばよいか、私は2つおすすめしています。

  1. バレエなどの総合芸術系

  2. 知っている曲or演奏家が出演しているもの

バレエやオペラには物語がありますので、聴覚だけでなく視覚から楽しむことができます。オペラは字幕がつきますし、バレエは少しだけ物語の予習をしておけば、問題ないくらい易しい物語が多いですよ。

知っている曲、演奏家が出演しているコンサートは、「誰でも楽しめる」というコンセプトをもっていることが多いです。

コンサートに行くときの注意点

遅刻しない

開演後は自由に出入りできません。
これは、他のお客様の鑑賞の邪魔にならないようにするためです。
また、オペラやバレエなどは、客席が完全に暗くなりますので、途中入場はけがをする恐れがあります。
せっかく買ったチケットを無駄にしないためにも、開演時間には余裕をもって行きましょう。ロビーには展示や物品販売がありますから、早めに行くと楽しめます(^^♪

もし、遅れてしまったら

これは一択です。
係員の案内に従ってください。

各ホールにはお客様を案内する係員がいます


係員の案内は舞台側の要請を反映したものになっています。
開演後、客席内に入れるタイミングがある場合がありますが、そのタイミングは舞台監督や演出、制作から指示されています。

ですので、係員が「今は客席に入れない」と言っても、怒らないでくださいね((+_+))係員はすべてのお客様にとって、一番良い案内を心がけています。

ちなみに、途中退場は可能です。
具合が悪くなったり、お手洗いに行きたくなったりすることもありますよね。ただ、上記と同じで再入場には規制がありますので、ご注意ください。

体調不良のときは行かない

チケット代が・・・と思いますよね。
楽しみにしていたのに、なんで今日に限って体調悪いのかな(´;ω;`)ウッ…
と、なりますよね。

私の経験でいうと、体調不良のときはやめておいた方がよいです。
心から芸術を楽しめませんし、何より悪化することも少なくありません。

開演中に具合が悪くなったお客様は、救護室に案内されることがあります。
(どこのホールも救護室があります)
事情をお伺いすると、ほとんどの方が「元々具合が良くなかったけれど、楽しみにしていたから・・」と仰います。
音楽を聴いて元気になれば良いのですが、無理をしてコンサートに来た結果、救急車を呼ぶ事態になる、なんてことも多々あります。

また、咳や断続的な鼻水など、音が出るタイプの体調不良は、上演中周囲のお客様が不快に感じられ、トラブルに発展することがあります。

持病がある方や障害がある方で、お手伝いが必要な方は無理をせず、ホール職員や係員に頼りましょう。きっと良い提案をしてくれるはずです。
(彼らはコンサートサービスのプロですので)

最初の一歩に勇気がいるかも

ここまでつらつら書いてみて、再認識しました。
最初のコンサートが大切ですね。

なるべく10代のうちに、コンサートデビューを済ませておくと、大人になったとき「コンサート行ってみようかな」と思えるかもしれません。
最初の一歩というのは何でも不安ですよね。

でも、一歩踏み入れることができれば、世界は広がるはず!
音楽と美術はリンクしていますし、歴史や宗教ともリンクしていますので、音楽を通して、新たな趣味も増えるかもしれません。

このEssay&columnを通して、皆さまの一歩の後押しができますよう、私も気合いを入れて執筆していきますね!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?