Disneyトーク第2回 "BGM" 2020.8.29

どーも。某大学生のきむです。

なんとか毎日投稿も2週間を突破しました~! ただ、あんまり書けない日のためにちゃんとトピック選定のアルゴリズムというか、ルールを決めたいな~。

さて、今日は土曜日なので雑記はお休み。

ということでディズニートークしていきましょう。今日はパークを流れるBGMについてのお話。別にうんちくとかじゃなく、BGM侮れぬよってこと。

ディズニーにはディズニー作品に一切興味が無い人間でも楽しめるガチで気持ち悪いくらい熱意がこもってるとこが多いよねってことでもある。音楽好きはディズニーに行くとこういう楽しみ方ができるってアピールだともいう。

概要

・エリアごと、場所に合ったBGM
・相変わらず技術への「異常なこだわり」を見せるディズニー
・BGMはBGMでしかない。だが、それがいい。大成功のBGM。

まえがき

ということで、今日はBGM回。まあ私は音楽センス0の人間だし、専門知識はないしで特に深いことは語れない。それは専門家に丸投げするとして。

パークに行ったことがある人はわかるはずだけど、人が多かったり、アトラクションやパークに夢中で、パークのBGMはだいたいよく聞いてない。そりゃ、聞こえなくはないし、「あ、この曲は!」となることもあるが。

それでも、BGMを楽しむ人はそうそういない。

このようにあまり意識されないBGMだが、しかし確実に、耳には届いている。

千変万化するBGM

ディズニーリゾートでは、具体的な個数は不明だが、異常な数のスピーカーが置いてある。探せばすぐ見つかる。

大小さまざま、「これはスピーカーですか?それとも建築の一部ですか?」と言わんばかりに擬態したもの、「私はスピーカーです」とスピーカーであることを隠さないものも。生えてくるものもある。

この音楽関連のショップ「サウンドハウス」様の記事を読んでほしい。見覚えのあるやつから、無いやつ、いろいろ見つかるだろう。

また、生えてくるスピーカーは以下の動画を見てもらいたい。DvideoZ様、お会いしたことはないですが常日頃からお世話になっております。ありがとうございます。

さて、このように多彩なスピーカーでディズニーは何がしたいのか?

そりゃもちろん、「ゲストのパーク体験を引き上げたい」のだ。ディズニーの行動原理は「ゲストに最高の体験を」というところが根本なのだ。

ここで、まずは下のサイトを見てほしい。

ディズニーで流れているBGMがまとめられている。作成者さんは有志の方のようだが、これだけの熱意には感服する。

このサイトを見てもらえるとわかるが、エリアごとで曲が違う。ご存知の方が多いだろう。それはそうだ、ウエスタンランドでやたらファンタジーな曲が聞こえたら違和感がある。

ところでディズニーはこの「違和感」を徹底的に嫌う。「現実に引き戻される瞬間」と言い換えてもいい。なにかしらの矛盾や違和感の無い、「一切の綻びが無い世界」を作ることに心血を注いでいる。

さて、ではエリアに適した「BGM」があると何が良いのか。どうゲストのパーク体験を引き上げるのか。

それは簡単だ。「我々を世界に誘う」のだ。またである。

簡単に言うと、「映画の世界」に引き込むともいう。いや、「それっぽさ」を演出するというほうがいいかもしれない。

例えばファンタジーランドなどはまさに映画の世界、という感じだろう。あそこはディズニーの名作の世界だから、その映画の曲が聞こえればさらに「それっぽさ」が増す。視覚的にも綻びなくディズニーの世界は存在するものの、そこに聴覚を加えることでさらにゲストを引き込んでいる。

一方、トゥモローランドなどは完全に「イメージ」である。元になった「ディズニー作品」の要素がかなり薄い。ファンタジーランドなどに比べ、「それっぽさ」の「それ」が明確でなく、難しい。

そのためそこでは、未来っぽさ・科学的な何かの最大公約数として、「電子音」をベースとしたBGMが流れている。

また、別の例になるが、メディテレーニアンハーバーやアメリカンウォーターフロントは、ある意味「実在していた」ものがモチーフのエリアである。そのため、前者ではモチーフに即したイタリアの曲、後者ではアメリカらしい曲、例えばS.S.コロンビア号のモチーフとしてタイタニックの曲などが流れている。
実際、イタリアやアメリカの街中ではBGMは聞こえるはずもないが、BGMがあることで、「そこにいる感」が増すことはやはり感じてもらえると思う。

このように、ディズニーリゾートでは多種多様なBGMが場所に応じて千変万化し、知らず知らずのうちに彼らが作る世界へと我々を「引き込んでいる」のだ。

異常なこだわりを見せる音響

だが良く考えてみてほしい。ディズニーランドにも、シーにも、エリアはいくつもある。当然、各エリアで各エリアに合ったBGMを流しているが、エリアには境界がある。しかし、音は空気を媒体とするので、「境界」を作ることができない。パークの地面みたいに色を変えたらOKとはいかない。

であれば、境界近辺では音が混ざるはずだが、混ざっていないらしい。
(伝聞調な時点で、私の中でもBGMがいかに希薄かということがわかる)

ではどうやって音が混ざらないようにしているのだろうか?

答えは、エリア境界には「水」があり、「水音」でかき消しているのだという。

私は思った。「ほんまか?」と。「全部ではないやろ」と。

たしかに、このウエスタンランド-アドベンチャーランド間にはこのような滝がある。しかし、水が無い境界のほうが多いだろう。

実際に見てみよう(公式マップで)

画像1

ランドのマップである。

画像2

こっちはシー。

ランドはまあ、噴水があったりとまあ確かに水はなくはないが、あそこまで明確に「音が出る水」があるのは件のウエスタンランド-アドベンチャーランド間くらいではないか?

シーに至っては常に水があるし、これもまたほとんどは「水音」が出るレベルではない。

なんと破綻してしまった。

ではいったいどういう仕組みなんだろう。

ここからは「予想」でしかないが、おそらくメインは「指向性スピーカー」と「音が減衰する距離を計算した音量」なのではないだろうか?

つまり、「向き」「音量」を計算しているのだ。ある範囲にしか聞こえないようになっている

これなら水が無くても、水があっても、エリア移動に合わせて違和感なくBGMを変更できる。

また、この指向性などの話はエリア間の違和感を消すだけにとどまらないだろう。当然、各エリア内部やアトラクションでも多用されているはずだ。

例えば、ワールドバザールのような、「音が反射しやすい」場所はそれに応じた「計算」に基づいて、緻密な音響が構築されているのではないだろうか?

以下の動画を見てほしい。これは35周年の際に開催されたワールドバザールのプロジェクションマッピングの映像だ。とても楽しそう。じゃなくて。

ワールドバザールという、特有の屋根やその十字形によって、音の反射・増減や指向を考えるのが難しいと思われるこの環境で、映像と狂いなく合わせてショーを行うことがいかに難しいか、もはや想像もつかない。

さらにダメ押ししておこう。ここまでは簡単な推論に過ぎなかったが、ある方のnoteが非常に参考になる。

これをぜひ読んでほしい。読まないと損をする。これを読んだからこの記事を書いているまである。
エレクトリカルパレードがすごいのはLEDの数だけではなかったとよくわかるだけでなく、やはりディズニーの音響スタッフの狂気・技術が伝わるかと思う。専門家がドン引き・感動するのが「ディズニークオリティ」なのだ。

いつも大して気にも留めないBGMだが、その裏には「パーク体験を最大化するためのエンジニアたちの技術がある」ことがわかってもらえただろうか?(ゴーストホスト並感)

たかがBGM、されどBGM

さて、3000時ほどかけて長々と、ディズニーの音響がいかにすごいかを語った。「テーマパーク」的な意味でも、「技術」的な意味でも非常に価値があるのがBGMだ、ということをわかってもらえていたらうれしい。

しかし、ここまでの熱意をかけてなお、それは「所詮BGM」なのだ。

これは決してBGMを馬鹿にしているのではなく、むしろ称賛した上でこう言っている。

というのも、今まで話したように、「BGMはすごい」のだ。とはいえ、それが我々の意識に焼き付くかというと「NO」である人が多いと思う。私もそうだ。アトラクションやショーの視覚的、物理的体験がやはり印象に残ってしまう。

しかし、「印象に残らない」くせに、それは雄弁に「ディズニーを語っている」

私的な体験で申し訳ないのだが、以下のようなBGM動画を聴いたことがある人はいるだろうか。(冒頭で紹介した方のチャンネルだと思う)

私はこういうのを作業用BGMとしてよく使っているのだが、このような動画を聴いていると、別に建物の映像やアトラクションの映像はないのに、「ディズニーにいる感」がする(のは私だけ?)。

そういえば、この「ディズニーにいる感」こそが、「ディズニーがBGMに持たせたい効果」の1つではなかったか。大成功じゃないか。

というわけで、BGMは意識に残らないながらも、無意識化ではどうしたって「ディズニー」を伝えてくる。そういうところから、先ほどはあえて「所詮BGM」と表現した。

最後にあえてもう一度言いたい。

たかがBGM、されどBGM。

まとめ

約4000字ほどでBGMについて素人なりに語ってみた。何が言いたいかというと、「ディズニーのエリアBGM」ってすごくいいよね、ということなのだが、その背景にある「ディズニーの意図」をお話させてもらった。

ちなみに、音楽知識があれば「音響の内容」はもちろん、「そもそもの音楽」についても触れたかったのだが、残念ながら知識が無いので他の方にお任せする。

ではこの辺で。


【余談】
明後日月曜日は忙しそうなので更新できるかわからないけど、なんとか更新していきたいと思います。マジで。

あと、

画像3

夏休み暇すぎてマインクラフトでノーチラス号作り始めました。内装めっちゃ大変。やっぱネモ船長ってすげえや。


以上








あなたのサポートで、私の食生活が大幅に改善されます。具体的には寿司になります。たぶん。あとディズニー旅行費用になると思います。ありがとう。