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センス0の人間、デザイナーになる

自己紹介

こんにちは、株式会社RelicでUIデザイナーをしている、きむかなです。ポートフォリオ的な記事はこちら

私が所属する株式会社RelicはDesignship2022にシルバースポンサーとして協賛しています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

イベント自体は終了しましたが、2022年12月3日(土)に開催されるExtra Stageにて弊社執行役員CCO(Chief Creative Officer)の黒木裕貴が17:00〜17:40スタート予定の「社会課題とデザイン」というテーマでセッションに登壇いたします。
私も当日は黒木さんを応援しに、他のメンバーと現地へ行きたいと思っております!

さて、Designshipが「#デザイナーになったわけ」でお題を募集しておりまして、僭越ながら私も記事を書きたいと思います。

君たちはホームページビルダーを覚えているか

中学時代に父親からもらったお下がりのWindows2000搭載デスクトップPCが、すべての元凶はじまりでした。

当時だいたいのWindowsにはホームページビルダーというWebサイト作成ソフトがインストールされており、なんとなく「私もホームページ作りたい〜〜!」という気持ちで無料のサーバーを借り、自分のサイトを作ってみたのが私の原体験です。

そこからHTMLやCSSを覚えれば、もっと好きに装飾したりできることが増えると知り、コーディングの真似事が楽しくなって来ました。無駄にスクロールバーの色を変えたり、レスポンシブデザインのない時代だったので2窓にしてみたり。

よくわからない英語の文字を打ち込んだたら、デザインが変わっているのです。新しいCSSを覚えるたびに、魔法のようでとても感動したことを覚えています。

その時は日記サイトを運営しており、誰が訪問するわけでもなく、ひたすら毎週のジャンプやサンデーの感想を書き連ねていました(ネクラにもほどがある)

高校生になると、オタク活動にも磨きがかかり、バイトをして貯めたお金でWacomのペンダブをゲットします。やはり当時だいたいのペンタブにはPhotoshop ElementsというPhotoshopの廉価版ソフトがついてきました。このおかげで私はホームページを作成する際に必要な素材や写真の加工、Photoshopの機能を覚えました。

現在はElementsもなくなってしまったし、AdobeもCCに移行した関係でこのような機会はなくなってしまったな…と少し残念に思っています。その代わり、学生の方は比較的安くCCが使えるんでしたよね。どっちがいいんでしょうか…。

ちなみに高校生から大学生まで自分で作ったゲームのシナリオや、クリアしたRPGとギャルゲーの感想などを公開していました。
ジメジメしたサイトを運営し、ハンドルネームしか知らない全国のギーグなオタクたちと沼の底で心温まる交流をしていたんですよ。あいつら元気にしてんのかな。

つまり寝食を忘れるほど熱中した趣味が、私にとってWebサイト制作だったのです。

あきらめない気持ちを訓練した新人時代

趣味としてサイト制作をしていたので仕事にするという発想がなく、新卒は金融系の会社に就職します。

結果的に心身とも崩していまい、転職を決意しました。
仕事内容自体は嫌いでなかったし、とても働きやすい環境でしたが、伝統的な日系企業の体質がどうにも合わなかったです…。
あの頃はやさぐれて、毎週のようにサムギョプサル屋でマッコリを浴びるほど飲み、今の体重から12キロくらい太っていました。
まだ20代前半で若かったこともあり、当時の写真を見るとハリと肉の仕上がりがすごいです。

そして「どうせ身体を壊すなら、好きなことして壊したい!」という極端な考えから、Webデザインのスクールに通い制作会社に就職してWebデザイナーとなり、今はUIデザイナーをやっております。

読んでいただければわかると思うのですが、私は「デザインが純粋に好き」という流れでデザイナーになったわけではありません。あくまでもWebサイトを作るのが好きでした。

長くWeb業界のデザインに関わっていくうち、だんだんデザインを理解して好きになった…というのが文脈として正しいです。

自分で言うのも恥ずかしいのですが、私はとても大雑把な性格で、「美は細部に宿る」という感覚を掴むまでとても苦労しました。デザイナーとしての素養があるタイプではありません。
初仕事で制作したバナーを見せた途端、当時の社長から「ガハハ!センス0だな!」と言われた時は本当に落ち込んだものです。
念の為に社長の名誉のため申し上げますと、性格が陽気な山賊なだけで、とても良い人です。ペーペーの私をここまで育ててくれたことを深く感謝しています。

「ビジネスにおけるデザインの役割」に面白みを感じ、制作会社と事業会社を経験したことから発注者と受注者の立場をそれぞれ知り、たくさんの失敗を重ねて「こだわる、あきらめない」という訓練を重ねたことが今の私の財産です。

これからデザイナーになりたいみなさんへ私が言えるのは、「続ける努力・あきらめない気持ち」を大切にして頂きたいことです。
私もきちんとできているか怪しいところですが、牛歩のようなペースで成長を続け、なんとか10年デザイナーと名乗っています。

「新卒は会社を3年辞めてはいけない」みたいな通説がありますよね。私はこの考え方には異議を唱えますが、ある意味で正しいと思っています。

つまり「会社(または環境)が合わない場合は転職をしてもいいけど、その仕事が好きだと思うなら同じ仕事を3年続けてみてほしい」ということです。

3年もやってみれば、いろいろなことがわかります。なにより「これからキャリアやスキルを積んでいくのに足りないこと」がどんどん出てきます。

足りないことを見つけ続け、客観的に捉えて勉強し研鑽を積めます。そうして5年、10年と続けていくうちに、結局は足りないことだらけ…というのもわかります。

技術職についてまわるこの努力を厭わない人は、絶対に良いデザイナーになると思います。

デザイナーに向いている人は、センスよりも何よりも「新しい知識を取り入れることを続けられる人」と「どんな時もあきらめない人」です。

もちろんセンスも大事だ

そうです。センスも大事です。まかりなりにも、ビジュアルを作るお仕事なので。センスってなんかこう、才能だと思います?
もちろん生まれつきの才能がある方もいるでしょう。しかし天才じゃない人間だって、センスは磨かれると思うのです。

みなさんはアン・ハサウェイとメリル・ストリープが主演した『プラダを着た悪魔』という映画をご存知でしょうか。NY版VOGUEのレジェンド的編集長アナ・ウィンターの元で働いていたローレン・ワイズバーガーによる同名小説を原作にした、面白くてモチベーションの上がる映画です。

アン・ハサウェイが演じるアンディはまったくファッションに興味がなく、何ならファッション業界を面倒に思っていた女性でしたが、とある挫折をきっかけにプロ意識を持ち始めた途端、メリル・ストリープ演じる鬼編集長ミランダの無茶振りにも粘り強く応えて信頼を勝ち取って行くわけです。

あなたの言いたいことはわかっています。フィクションと現実は違いますよね。まあ、違います。だいたいこの映画って、まったくリアリティはないし。

でもいいじゃないですか。映画にリアリティがなかったとしても、ひとつのケースとして考えましょう。センスは人が元から持っている才能じゃなくて、努力で得ることができる。
アンディはファッションに興味と関心を持って勉強をした結果、どんどん洗練されていきました。持ち前の勤勉さが役に立ったわけです。

なのでちょっと挫けそうになった時は『プラダを着た悪魔』を見ましょう!!努力は報われる!!!
落ち込んだ時こそ、ハッピーな映画を見よう。
アン・ハサウェイ主演のお仕事映画だと、ロバート・デ・ニーロのイケオジぶりが炸裂している『マイ・インターン』もおすすめです。

おすすめの勉強方法は何なのよ?

「暑苦しく言うけどさ、どう勉強したりセンスを磨けばいいんだ」という声が聞こえて来ました。
結論から言うとウルトラCの方法はありませんし、ドラえもんの暗記パンみたいなものもないし、睡眠学習で身につくこともないです。
「デザインやビジネスの本を読んで、日々気になるWebデザインやUIデザインを見て、気になったらググって調べる」を続けるに尽きます。
そして実際に手を動かし、トライ・アンド・エラーを繰り返すことです。

学校に通ってもいいんですけど、今は動画学習で質の良いコンテンツもたくさんあります。大事なのは続けることなので、無理をしないでやるのが大切です。

当たり前のことしか言えなくてすみません。でも当たり前をずっと続けることがいちばんのウルトラCです。

たとえば私が続けていることに、1日10分だけWebのまとめサイトを見るという習慣があります。
それを一ヶ月続けたら、だいたい300分=5時間分のまとめサイトを閲覧したことになります。1年間続けてみてください、60時間です。
60時間もWebのまとめサイトを見たら、流行っているデザインやアニメーション、Webフォントの種類、ジャンルによる傾向などなど…あらゆることがわかります。

またWebデザイナーから出発したので、紙系のデザインが苦手でした。なのであらゆるフリーペーパーや映画や舞台のチラシを片っ端からもらって、今でもずっとコレクションして眺めています。

高いデザインの参考書を買わなくても紙系のデザインは勉強できる、というのは元同僚のグラフィックが得意なデザイナーから教わりました(投資が必要だと思ったらちゃんと書籍を購入していますし、なんとRelicには書籍購入制度があります!)
けして得意とは言えませんが、引き出しがあることで苦手意識はありません。

このような積み重ねがいかに大切か、少しでも伝わったら幸いです。

突然の宣伝タイム

Relicは、一緒にはたらく仲間を積極採用しています🎉

そんなセンス0から出発した私が頑張ってUIデザイナーをしているRelicでは、現在デザイナーを募集しています。
前述の通り、書籍購入制度や勉強会の開催も充実しており、学ぶ人をサポートする体制があります。

まずはカジュアル面談から、ざっくばらんにお話をしませんか?
Relicはいろいろな経歴を持つ多彩なデザイナーが所属しています。どうぞお気軽に!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
スキをしてくださった方には私のどうでもいい情報をお知らせします。

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