人間性への不信

人間がさまざまな属性の複合体であることは承知しているな。世代とか、職業とか、趣味とかの。

日々を過ごしていると、我々はどうにもその属性ばかりに目が行ってしまうらしいが、それも仕方のないこと。だって、我々は属性で分けられているから。

若者は若者のいる場所、学校に行くし、大人は大人のいる場所、職場に行くし、趣味となれば同好の士と集まる。同じ属性同士でつるむシステムが、内にも外にもある。

だが、そんな属性に関係しない、強いて言えば人間という属性だけに依拠する性質…………人間性に注目してはどうだろうか。
どんなに自分とは違う人でも、人というだけで自分となにかを共有していると思えば、安心できないだろうか。

人間性が求められる場面は非常に少ない。他者との関係、社会での役割に依拠しない属性が出現するように求められるときは、生命の危機に晒されたときのみだろう。

だから我々はいつも属性ばかりを見てしまう。
生まれつき、そう教育されている。

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