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なぜ「ホロライブはあったけぇ」のか?

 ホロライブ所属のVTuberさんの配信や切り抜き動画を見ていてよく聞くのが「ホロライブはあったけぇ」「ホロメンは優しい」旨の発言です。
 先日の大空スバルの配信「スバルの小屋(ゲスト:戌神ころね)」においても下記のようなやり取りがありました。

(23:28~ あたり)
ころね ホロライブに入って、怖かったんよすごい。
スバル あ、そうなの?
ころね (むかし)女だらけの職場で、ちょっとやっぱりいじめられてたから…
二人 (笑)
スバル 重いよ!(笑) まーでもね女の子集まるとね、いろいろ起きがちではあるからね。
ころね なんかね~あの~、ね、そういうこともあったから…。いやまぁ女だらけやなここ(ホロライブ)もと思ってたんだけど、みんな優しくて。だから怖かったの。「えっこれウラある!?」
スバル 確かに。
ころね 「こんなに優しいの?」みたいな。
スバル ホロライブって…
ころね 優しいんだよね~。
スバル なんかね~。これ、ほんとにウソだって言われるけど、ほんとになんか優しいよね、みんな、そう。
ころね 優しいんだよね。みんな優しいのほんとに。
スバル いや、だから確かにね。ちょっとビビッてたんや?
ころね ビビッてた。

 「ホロライブ(ホロメン)は優しい」発言の際には必ずと言っていいほどセットで「嘘だと思うかもしれないけど」という補足も付いてきますが、女の園がギスギスしていない状態というのはそれだけ超レアであるということの証左なのでしょうか。やはり「女の敵は……」なのか。
 それはともかくとして、「ホロライブ(ホロメン)が優しい」の理由として私には一つ思い当たることがあります。
 今から書くことはかなり性善説に拠っていますが、まぁたまにはそんな原稿があってもいいじゃないですか。
 何故ホロライブ(ホロメン)は優しいのか。
 それは、彼女たちが一度「挫折」を経験しているからです。

 前に私は「敗者復活戦としてのVTuber」という記事を書きました。
 私はそこで初期にVTuberを始めた人たちは「それ以外のオタク界隈で芽が出なかった人たち」なのではないか? という指摘をしました。
 まだ当然VTuberというものが影も形も無い頃、のちにVの「中の人」になる人たちは当初、ニコ生の配信者や「歌ってみた」の歌い手、はたまた声優やアイドルとして人気になることを目指していた筈です。
 しかし、その分野では実力が不足していたのか、もしくは運が足りなかったのか、憧れの存在に手が届かなかった、なれなかった。
 そんな失意のモヤモヤを抱えているところに突如「VTuber」なるものが出現し、「なんだかよく分からないけど面白そう」と思った人だけがこのVTuberという「敗者復活戦」に参戦した、という見立てです。
 「敗者復活戦」の前にはまず「憧れの存在になれなかった」という挫折があった。
 私の経験上「うまくできない・なれない」時期を経た人は優しい人が多いです。そのケースに当てはまるのではないでしょうか。

 そしてこれはホロライブに限らずですが、「声」が魅力的なタレントが多い。
 ホロライブは一度聞いたらなかなか頭から離れないような印象的な声の持ち主のオンパレードです。
 配信業界においては個性的な声は大きなアドバンテージになりますが、そのことが原因でいじめられた過去を持つホロメンも多いようです。
 声の他にも「個性」が際立っていること自体が「出る杭は打たれる」を地で行く形で学校・会社や仲間内のコミュニティから排除される原因となる。現に戌神ころねさんも「スバルの小屋」でかつての職場でいじめられていたことをポロッと告白していました。なんとも悲しい話ですが、今でも各地で同じ事態は起きていることでしょう。
 そのような心の傷を抱えているから、またはそこまではいかなくても際立つ個性ゆえに「排除される」ことの悲しみを知っているからこそ、人の痛みに敏感なのではないでしょうか。
 だから優しいし、「あったけぇ」のです。

 ここまで私はもっともらしいことをつらつらと語ってきましたが、最初の「挫折」の理屈については一つの穴があります。
 初期にVTuberを目指した人たちには上記の「挫折」がありましたが、その「VTuber」の姿を見て憧れてホロライブに入ってきた、最初からホロライブを目指したパターンもあるわけです。そういう場合は「挫折」だけの理由では説明できないことも出てきます。
 ただ、ホロライブに入ってくる新規の後輩たちもおそらく「あったけぇ」人たちです。
 「ホロライブはすでに『あったけぇ』土壌が出来ているので、それに感化されてみんなさらに優しくなる」「ホロライブの採用担当がとにかく優秀で『あったけぇ』人材を見つけるのが得意」「ホロライブの創始者・谷郷元昭(YAGOO)の全身からそういうフェロモンが発散されている」などのひと通りの理屈は一応考えてみましたが、正直どれも苦しまぎれです。
 だから、初期にVTuberを始めた人たちだけではなく、ここ最近の後輩たちも何故「あったけぇ」のか? という理由についてはまた次回までの宿題とさせてください。
 しかしまぁ、この世には「類は友を呼ぶ」ということわざがあります。
 これを転じて「あったけぇ人たちがいる所にはあったけぇ人が集まる」とも言えるのではないでしょうか。
 今回はこれを一旦の仮の結論とさせていただきます。
 それでもゴチャゴチャ言ってくる場合には、私個人としては
「うるせえ! ホロメンはホロメンだからあったけぇんだよ!」でグーパンチ
と物理の力で押し切りたいと思います(ぜんぜん優しくない)。
 ああ、いけません。思わず動揺して荒ぶってしまいました。すぐにでもすさんだ心を落ち着かせなくてはなりません。
 しかし大丈夫です。私は解決手段を知っています。
 そんな時にこそ、ホロメンの「あったけぇ」配信があるのですから。


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