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敗者復活戦としてのVTuber

 なかなか刺激的なタイトルになってしまいましたが、私はVTuber(バーチャルYouTuber)好きです。
 仕事から帰宅したらすぐにゴソゴソとスマホを取り出してYouTubeを立ち上げ、フォローしているVTuberさんが生配信をやっていたらそこにすぐに駆け付け、やっていなかった場合は推しのVTuberのアーカイブ動画を垂れ流しながら家事をやります(余談ですが、その推しのVTuberのメンバーシップに加入して2年半が経過しました)。
 今もお気に入りのVTuberの「歌ってみた」を垂れ流しながらこれを書いています。
 なのでVTuberのアンチではないのですが、かつては・・・・「敗者復活戦」の要素もあったのでないかとも思うのです、特に初期は。
 今から書くことは推測盛り盛り、そして私の妄想も入ってしまいますがご勘弁を。
 私の推測では、初期にVTuberを始めた人たちは「それ以外のオタク界隈で芽が出なかった人たち」ではないかと睨んでいます。
 ニコ生の配信だったり、「歌ってみた」だったり、はたまた声優やアイドルを目指していたり。なんせ「VTuber」が影も形もない当時なので仕方がないですが、オタク界隈で活躍したいとなったらそのあたりで有名になることを最初は目指していた筈です。
 しかし、その分野では実力が不足していたのか、はたまた運が足りなかったのか、憧れの存在に手が届かなかった、なれなかった。
 そこへ登場してきたのは「VTuber」という新しい文化。
 なんだかよく分からないけど面白そうだから乗ってみよう、ということでVTuberの中身であるソウルたちが集結し、敗者復活戦が始まったのです。
 しかし、敗者復活戦というのは昔から熱いものです。
 M-1グランプリでいうと、2007年にはサンドウィッチマン、2015年にはトレンディエンジェルが敗者復活から勝ち上がり、勢いそのままに優勝しました。
 アイドルの分野で言えばモーニング娘。も外せません。元々はテレビ東京『ASAYAN』のオーディション企画で落選したメンバーを集めてできたグループであり、これも一種の敗者復活と言えるでしょう。その後の「ハロー!プロジェクト」の礎となり、多数のアイドルグループが所属する巨大プロジェクトへと成長して華々しい活躍をしているのは皆さんご存知のとおり。
 そう、敗者復活戦は頂点まで勝ち上がった時に相当の「勝ち」をもたらすのです。
 VTuberの一大勢力・ホロライブは初期にオーディションが存在せず、口利きがあれば簡単に所属できるくらいにはガバガバだったという話もあります。それが今やオーディションの倍率が1200~1500倍であると囁かれるほどの巨大なグループに成長しました。
 最初は海のものとも山のものともつかなかったVTuber。それが初期メンバーの頑張りによって新しいエンターテインメントの分野となり、現在どんどんファンを増やしています。
 そうなってくると最初から「VTuberを目指す」人口が増える形となり、VTuberから敗者復活戦の要素は薄れてきたように思います。そこが、私が最初に「敗者」と言い出した時にもたらす違和感につながるのではないでしょうか。
 今や「大手の事務所」所属のVTuberはかつての彼ら・彼女たちが憧れた存在に迫る勢いの「憧れの存在」になりました。
 そして仮にですよ? 憧れのVTuberになれなかったとしても、また何らかの「敗者復活戦」がどこかから降ったり湧いたりしてくるかもしれない、そう考えてみるのも一興なのではないでしょうか。
 こんなことを書いていたら推しのVTuberの生配信が始まってしまいました。それでは。

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