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【エッセイ】平和を願う(800)

この醜く穢れ果てた不条理と不合理に満ちあふれた世界。地球と同じくらいの巨大な隕石が衝突するという究極の不条理によりてその不条理と不合理が一瞬に砕け散ればいいのにと常に思っている。

一方で平和を願っている。なぜ軍事拡張競争などをして地球上の生物を何回も滅ぼし去るほどの核兵器が存在するのか疑問だし、そのエネルギー、財を全て平和のために利用すればどれだけの人が救われるのかと夢想する。

先日聴いたラジオ深夜便で歌手で俳優の石橋凌さんが売れるためにラブソングだけやっていればいいと言われて、反戦歌だって人が人を思うという観点で考えれば究極のラブソングですよと言って突っ走ろうとしたと仰っていた。反戦歌はラブソング。とてもすてきな考えではないか。

かの有名なインドの修道女の故マザー・テレサは次のようなことを言ったらしい。

「人は不合理、非論理、利己的です
気にすることなく、人を愛しなさい」

マザー・テレサ

「それでも人を愛しなさい」愛する理由がなくても愛さなければならない。

なぜウンザリするような連中を愛さなければならないのだろう?

よくできる素直な若者、才能のある人間、身内のこども、自分によくしてくれた恩のある人。そんな人を敬い、気にかけ、祝福することは誰でもできるだろう。だからそんな人はあなたが気にかけなくても誰かが進んで愛するからあなたが愛する必要はない。もちろんそういう誠実な人は評価されるべきだ。しかし、理不尽にそういう人たちが冷遇された時代、たとえばナチス政権下のドイツのような異常な状態の時以外は能力の高い人は必ず世に愛されるのだ。

マザー・テレサの先の言葉は主イエスのこの言葉が元だと思われる。

「自分の敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」

マタイの福音書 5:44

2000年経った今もこれを完璧に実践できる人はひとりもいない。しかし、この主の言葉が人類滅亡を阻止していることだけは確かである。

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