![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31209427/rectangle_large_type_2_2ccde994d922f4cd283a666271ceb1e3.png?width=800)
ぼっちと恋愛
大学生になったら彼女ができる、なんて無垢な期待を持たない高校生はいるだろうか。
ぼっちの私にだって恋愛が全く経験できなかったわけではないのだから、友人の有る無しに関わらず、四年間の大学生活において、恋なるものに遭遇するチャンスは誰しも平等なのかもしれない。
だけど、サークルや合コンなどといったものに縁がないのは当然で、不定期にやってくる出会いに撃沈してを繰り返してしまいがちになるのはぼっちに背負わされた業なのかもしれない。不器用だった恋愛をここでさらけ出し、ぼっちはいかに恋愛をすべきかを考えたい。
入学して一日恋は始まり、入学して一ヶ月恋は終わる
この世で最もちょろい男といえば、男子校出身の男子だろう。
3年間、もしくは6年間、女性というものを知らずに青春を費やしてきたと思えば、大学という砂漠に解き放れた瞬間そこには紛れもない"大人の女性"という蜃気楼を目にする。
大学の入学式にやってきたのは男子校を卒業したばかりの私である。
入学式も終わり、学部ごとのガイダンスを受ける教室に移動する列にはぐれてしまい、地方の広大なキャンパスで迷子になっていた私は途方にくれていた。そんな時に声をかけてくれたのは一つ学年が上の女性だった。
教務課まで案内してあげる、と小雨のぱらつくキャンパスの急斜面を二人で一つの傘をさして上がれば、簡単に恋に落ちてしまう18歳男児。
こんなん好きになるやん。(実際にはただの親切)
そこから何とか連絡先を交換したはいいものの、女性経験がなかった私はnaverまとめで読んだ「早くない!?知り合って一ヶ月で告白!実は心理学的に最も効果的な期間だった!」といった具合の記事を真に受け、入学式に道案内をしてくれた先輩に、あれ以降ろくに遊んだこともない女性に、決死の告白をするもあえなく撃沈した。
逆ナンされてもコミュ力がなければどうにもならない
人の行動をコントロールできたことがあるだろうか?
もう一度、聞こう。人の行動をコントロールできたことがあるだろうか?
大丈夫。怪しいセミナーではございません。
大学3年生に差し掛かったある日のことだった。食券を手に持ち、学食の日替わりメニューの配給を受ける列に並んでいた。ぼっちにとってこういうちょっとした待ち時間とは、LINEの返信をするわけでもなければ(そもそもLINEする友達がいない)、スマホゲームに興じるわけでもなく(そもそも流行を知らない)、ただただ無意味に佇む時間だ。
いつもの如く、何をやるわけでもただぼんやりと前を見つめたいた。
目の前に並んでいる女性が目に入って、それが女子大生特有のなんか小綺麗な服を着こなすスラっとした後姿だったものだったから、"こんな子が振り返ってきて話しかけてきたらなぁ"なんて、童貞臭い妄想でも膨らまして時間を潰していた時のことだった。
「ここの学食いつも混んでますね」
透き通る高音は、妄想ではなく、確かに現実世界で、こちらを振り返る女性の口から響いた。
あ、神様。俺が預金しておいた運というやつ勝手に引き出したんですね。
何を話したのかは覚えていないが、このチャンスを逃すわけにはいけないと必死に会話を繋ぎ、そのまま一緒に食事をする流れになった。
しかし、この時恥ずかしながら3年間の大学生活で初めて女性と一対一での食事。あの時、震える手を必死に動かして食べた冷製パスタの味は思い出せない。
こんな余裕のない男に次のチャンスなんてものが訪れるはずなく、彼女の方から交換しようと乗り出してきたはずの連絡先に後日メッセージを送ったものの、結局一度も会ってくれることなんてなかった。
向こうから話しかけられ、連絡先を聞かれて、こんなイージーな状況でさえ無駄にしてしまう私は、ゴール前でボールを受けたにも関わらず良く分からずフィールド外にクリアしてしまうような奇怪なフォワードのようにも見えたかもしない。
ぼっちが彼女を作るにはどうしたらいいのか
前述のエピソードにもあるように、大学1年生から3年生まで女性との関わり方を覚えないまま時だけが過ぎ、恋人は愚か女性と遊びに行くといったところにまでさえ辿り着けなかった。ぼっちという、極力コミュニケーションを避ける生き方において、恋愛は捨てなければいけないことだろうと割り切ってしまう同志も多かったことだろう。
大学生4年生にしてようやく恋人を作ることができて、私の黒歴史も笑い話に変わった。
ぼっち大学生だって、心の持ちようさえ腐ってしまわなければ普通に恋愛くらいはできるので、以下の二つを意識することが大事だと思う。
1.卑屈になりすぎないこと
ぼっちであるということで過剰に気にしてしまい、人に対して恥ずかしさを覚える人はよくいる。しかし、周りの大学生から見てあなたを"ぼっち"だと認識することはほとんどない。クラス単位で行動してきた小中高と違って、大学は個人単位だ。だから、例えあなたが一人で授業に出席しようが、一人で食堂で飯を食べていようが、傍から見ても何とも思わない。だから、女性と関わらず人と向き合うシーンにおいて、ぼっちだからと劣等感を覚えなくていい。むしろあなたは集団から依存せず、一個人で行動できる素晴らしい度胸がある。だから、ぼっちは卑下される存在だからと勝手に恋愛を諦めないでほしい。一見充実してそうに見えるあの娘も向こうから見たら全く対等なので、心理的に一歩引いてしまってチャンスを無駄にしないで欲しい。
2.背伸びしすぎないこと
恋愛経験が少なさを気にして、ネットとかの変な知識をばかりを身に着けてしまいがちだろう。変に知った風で格好つけないようにすること、例えば滅多に話せない女性と話せて嬉しいのなら、それを正直に表した方がいい。余裕のなさを隠すことよりもそれを笑いにでもして打ち明ける方が、結果リラックスもできるので、他人行儀でない話がしやすくなったりする。
ぼっちにはなることは孤独にはなることではない。
友達はいらないけど、恋人は欲しい!そんなのわがままにも入らないのではないのではと勝手ながら思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?