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【書評】こんなんいかが?

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忘れた頃になんども読み返す愛すべき紙の束。カバーについた手指の脂、紙の匂いと手触り。それはともに過ごした時間の記憶。本はもはや生きもの。
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2023年8月の記事一覧

異世界に行きつ戻りつして織り上げる。怪談ノンフィクション・ファンタジー。

異世界に行きつ戻りつして織り上げる。怪談ノンフィクション・ファンタジー。

■「もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら」工藤美代子/角川文庫

 工藤美代子さんは、吉田茂、笹川良一、昔のラフカディオ・ハーンなどを独特の視点で取り上げてきたノンフィクション作家。

 この方の書く文章ってほんと、ほれぼれして憧れてしまう。

 ストレートでリズミカル。
 あがいた後をみじんも見せない意気のよさ。
 読者に甘えるかのような行間のない整った調べは、数式のもつ美しさにも通じ

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