デフレなのは「未来から資源を奪っているから」という話。
長らく続くデフレの原因が、環境問題や非持続的な経済活動にある、という考え方は、一理あるように僕には聞こえた。
要約すると、今は、未来から資源を先獲りして、常にモノの供給過剰状態を作り出している。だからデフレのまま。
反対にインフレは、モノがない・買えない状態が起きること。だから、資源が逼迫するか規制されるにつれ、社会はインフレに振れていくだろう(しかも急速に)という指摘。
ウッドショックや飼肥料の高騰なんて序章に過ぎなくて、これからもたびたび起きることだ。
特定の資源に国際的な規制がかかるとか、未来収奪先進国(つまり安価な資源国)の中国等が輸出制限するとか、紛争が起きて流通や生産が滞るとか、そうした時に日本はすぐインフレになるだろう…という話。
未来からの資源収奪はダメ、絶対!と、いきなり既存の食料、資材、エネルギーの生産方法に対して規制をかけたり、強い輸入制限などを進めてしまうと、それよりも早いスピードで「お金をいくら払っても、食べ物や必需物資が買えない」世界が来る。
未来収奪による長いデフレからも脱却したいが、資源の有限性に起因する急激なインフレもまた避けたいのではないか?その両立のためには、「できる限り手の届く範囲で、未来から資源収奪することなく、必要な資材を生産・再生産する技術革新」が、目指すべきコンセプトになる。
石油/石炭/金属/鉱石だけでなく、土(表土)も水も木も、実は希少資源だ。比較的大型の動植物に依存するのも、エネルギー効率ではしんどい。
太陽光、宇宙線、窒素、海水、風や重力の活用か、人間が使うより増えるペースが早い生物の活用しかない(再生可能または再生産可能、はこの意味)。そんな技術や事業がまだまだ足りないから、インキュベーションしなきゃいけないのだ。
こうやって考えると、自然科学リテラシーや、具体的な技術革新なき「環境や社会のサステナビリティ」の議論とかあり得ないし、ほとんどがニセモノなんだよな…、と思う瞬間なのだ。
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