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【メモ】ビジョンやパーパスを文化として浸透させたい企業の実務的課題

ビジョンやミッション、パーパスなどの言葉は定めたものの、なかなか浸透しない、という話をよく聞く。(なにもこれに限らず、会社が決めても社内には定着しないことの方が多いのだが)

話を聞いたり、実際に一緒に仕事しながら見えてきたことは、以下の9項目。

①そもそも社内で知られてすらいないか、その意味や解釈を話し合っておらず、共有されていない/バラバラの理解になっている。

②経営や日常業務において、判断基準に使われていない、意思決定の拠り所になっていない(プロトコル=共通言語になってない)。

③ビジョンやパーパスの実現/体現に向けて、社会に与えていくインパクトや、それを通じて会社が得る社会的認知(ブランド)を定めていない。

④インパクト(アウトカム)やブランドの実現から遡って、短期〜超長期で具体的に何をやっていくのか、定性的なアクションを描き直していない。その議論に全員が参加していない。

⑤そのアクションは、誰にどのような変化・価値を与え、その代わりに対価を得られるか(または、それを阻むリスクをヘッジするか)のロジックがあいまい。事業・収益計画と、ビジョンやパーパスがロジカルにリンクしていない。

⑥さらに、短期的には収益にならずとも、中長期的に収益貢献に繋がる可能性のあるアクションを過小評価し、排除する。中期〜超長期的なリターンを目指して「やり続けること、継続的なアクションプラン」を考えたり、受け継いで行くのがニガテ。

⑦ビジョンやパーパスに沿った人材採用、育成、昇進、報奨制度はもちろん、事業上の実績・評価制度も変えていない。当然、評価・報奨が得られた(ロールモデル)事例がないから、ビジョンやパーパス実現へのインセンティブが働かない。

⑧IR、PR、HR、BRの4Rにおいて、ビジョンやパーパスに沿った説明・プロトコルを用いず、短期的・財務的な説明に終始している。目先の事業規模や収益にフォーカスしたままで、投資家や顧客からの期待を獲得しにくくなっている(それがまた収益上の焦りとなる、負のスパイラル。)

⑨パーパス経営に限らず、経営方針の抜本的見直しに際し、あえて①〜⑧を全社的に議論する期間や、評価・報奨する場を作るなど「ギアチェンジのタイミング」を作ってない。意識の切り替えやコミットメントが生まれず、カルチャー変化が起きない。

あたりが課題っぽいな。そもそも「過去に縛られず、意識と行動を変えて、別人になろうよ」という話なのだから、簡単ではない。

ビジョンやパーパスを経営方針としてだけではなく、"文化"として実装する際の実務的課題と言ったところか。やることは山積みだ。

では。備忘録まで。

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