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テレ東、出禁になってもいい?と言われた日

長澤まさみさんが出てるエルピスのドラマ。企画は上出さんという元テレ東にいた天才ディレクターが企画参加しており、エンディングも上出さんの作成によるものだった。

僕は今年、上出さんがテレ東を出る前に最後の番組になった「空気階段の料理天国」に作家として参加させてもらう。竹村さんという、ググってもらえれば一発で分かるほどの天才作家さんもいて、まあとにかくやばい番組だった。

僕がその上出さんに初めて会った時に言われたのが「僕はね、テレビのテロリストなんですよ」だったこともあり、平和主義な現場でテレビを制作し続けていた僕からすると脳天にハンマーくらったような感触を味わった。

当初、空気階段の料理天国は全く違ったことをしようとしていたが、色々な事情(コロナとか)で、できなくなってしまいあのような形に落ち着いた。ただ上出さんがテレ東を出る前にやろうとしていたことはテロリストそのものだったし、今考えても戦慄を覚える。

そんな上出さんが、会議の時に僕に「この企画をやったら、テレ東を出禁になります。菊池さんはそれでいい?」的なことを言ったので、僕は秒で「あー、はい、いいっすよ」と即答した。上出さんは「返事早いなああ」と笑ってたけど、テレ東にお世話になりまくってる僕の返事の早さに自分自身も笑った。

テレ東出禁になった放送作家っていうキャッチでこれからの作家人生を歩んでいくのは、それはそれでブランディングとしては面白いなあと瞬時に思ったからそのように返答した。

その場にいた全員が「まあいいかあ」的な雰囲気になったのは今考えても笑えるのだけど、それぐらいに一つの番組に命を賭けられるスタッフがまだテレビにいるという事実はみんなに知って欲しいなと思った。

この世には色んな業界に反逆者がいて、その反逆者が業界に革新を起こしていく。まさしく上出さんはそういう人だった。それで今テレビはまた反逆者が増えつつあるので破壊的な番組が増えてきたように思う。その起点はテレ東だと思うし、この反逆者が多くなればなるほどテレビはまた盛り返すと信じている。

僕もテレビや動画の反逆者にならないといけないし、出禁になるぐらいの覚悟で全然違うエンタメを作らないとなって考える。創造と破壊は表裏一体なのだ。



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