たっこちゃん、齢ほぼ80歳 #45 2年半ぶりの美容室
母(たっこちゃん)のことを書いています。
数日前のこと。たっこちゃんはコロナ禍以降初めて美容室に行った。実に2年半ぶりのことだ。
なぜこんなにも美容室に行かなかったか。
1.服用しているリウマチの薬は免疫を下げるから感染にはかなり気を付けている。リスクは避けたい。
「ボサボサ頭でも死にはしない」
2.そもそも馴染みの美容室がなく美容室を探しているところだった。地元の美容室は若者向けばかりで行きづらい。
3.最初の人工関節置換術後まだ杖を使っていたときのこと、予約時に杖を使っていると言ったら断られ、やや美容室への不信感がある。
4.その間伸びた髪は私が切っていた。コロナ禍で老人会の集まりや友人との外出が減ったこと、外出時は帽子を被っていることもあり、ザンバラ頭でもまぁいいかで2年半も経ってしまった。
今回美容室に行くことを提案したのは私。
感染も落ち着いているし、今週末には老人会の総会が開催される。総会では久しぶりに大勢が集まる。
このときはみんながお洒落して来ると聞いている。写真もたくさん撮るだろう。私がカットしたザンバラ頭はあんまりだ。たっこちゃんも綺麗にしていかなくちゃって思ったのだ。
ホットペッパービューティーで地元にある高齢者でもよさげな、オーナーが50代と思われるスタッフ2名の小さな美容室を見つけた。
大きな店だとカウンセリング、シャンプー、座席へと移動が多くなる。足が悪いたっこちゃんはそれが苦痛。
「ここ予約しようかと思うねんけど」
ってサイトを見せたら
「そこ、行ったことあるん?」
「高いやん」
「誰か行ったん?」
「ちょっと考えるわ」
煮えきらないので中ば強引に予約を入れた。
そして迎えた予約当日。
その朝はえらい早起きで、明らかにご機嫌だった。弾んだ気持ちがにじみ出ている。
「まだ早いって」と言うのも聞かず、「行ってくるわ」とえらい早くに出ていった。
2時間半後、ふんわりパーマで可愛くなったたっこちゃん。担当してくれたオーナーさんとの会話も楽しかったようで、こんなんであんなんでと美容室のこと、オーナーとの話を教えてくれる。饒舌だ。
「やっぱり3ヶ月に1回は行くようにするわ」
ザンバラ頭が綺麗になっただけじゃなく、気持ちも明るくなっている。
美容室って魔法の館だ。