【小児リハのワンダーランド@近所の公園】 #22
”子どもと遊ぶ”が仕事の
小児の作業療法士ミキティです。
遊びに隠された7種類の感覚の秘密を
簡単にまとめています。
今回のテーマは
小児訪問リハ『公園遊び』
訪問リハだから出来る
醍醐味かな、と思っています。
慣れ親しんだこの場所は
それぞれの子供の発達に
合わせて、色々な意味で
最高のパフォーマンスを引き出します。
今回のテーマ:小児訪問リハ③
1.どんなお子さんと外遊びしたの?
今回のお友達はイチロくん。
元気一杯の幼稚園の年中さん。
イチロくんは「アテトーゼ型脳性麻痺」。
手足に麻痺があります。
でもその手足の麻痺もその時の気持ちに
よって随分変化があります。
ただのエクササイズだと、足首がなかなか
一定以上曲がりません。
でも、双子のお兄ちゃんと一緒に遊ぶ時は、
「まって、まって〜っ!」と
足首を曲げて地面を蹴り出すことも。
なるほど〜、楽しいことを提供すると
手も脚も自分から動かしてくれる。
じゃあ、どうしたら喜んでくれるかな??
と毎回考えてリハを行っています。
2.どんな事に注意してリハしてるの?
来年、目の手術を控えているイチロくん。
知り合いの井川先生(まなび舎 Brain & Vision 代表)を
ご紹介し、「目の使い方チェック」を受けてもらいました。
イチロくんの見え方や体の状態を情報共有しています。
ここで得た情報を元に、
目の動きにも関わる原始反射の統合も
リハに組み込み遊びとして展開しています。
必ず行う”ハイハイ競争”は
掌で自分の体重を支える力(固有感覚)を
感じて脳に信号を送るだけではなく、
両脚も交互に前へ動かすことで
骨盤の回旋を促し、
歩行するための基礎を作ります。
毎回行っているので、
随分とハイハイの移動も早くなりました。
大地をギュッと握り込む掌の触覚からも
沢山の情報を吸収しています。
3.実際にどんな事して遊んだの?
◉青空の下でBBAのエクササイズ
◉四つ這い競争
◉高い滑り台の階段登り
◉ゆらゆらハンモック
◉砂遊び
◉シーソー
◉絵本読み聞かせ
毎回時間が足りません…笑
最近はリハ前にママと打ち合わせ。
”今日もすぐに外に出かけよう!”と 笑
ママとの連携プレーで
イチロくんやお兄ちゃんも
テンションMAXで公園へいく事が
出来ています。
そう、そして公園へ着いたら、
ゴロンと寝転がって足裏からタッチケア。
『きもちいーねー』と何度も伝えてくれる。
「あったかい」「ふわふわしている」
「ちょっとまぶしいね」などなど、
表現は色々あるけど、
イチロくんから自然に出た言葉は
全部ひっくるめて
本当に”気持ちいい”んだろうなって
感じます。
4.砂遊びに夢中なワケ
イチロくんは砂遊びが大好き。
これは作業療法的には
◉掌から感じる感覚
(粒の大きさ、温度、重さ、質…etc)
◉サラサラの状態から水を入れた時の感触の変化
◉両手を使って形を作る時に必要な力加減
◉道具を使う時の巧緻性動作
などなど、沢山の発達のエッセンスが
入っていて私もお勧めの遊びです。
でも、さらにもっと
素晴らしい効果があることを
ボーネルンドさんが記事でまとめて
載せていたのでこちらをどうぞ。
5.まとめ
毎月テーマを決めて行う、訪問リハ。
公園遊びは5月限定でしたが、
子ども達の熱いリクエストで
雨以外、毎回公園遊びへ。
今は公園で感覚遊びを通して
しっかり発達の基礎を作る。
必要な発達課題も遊びを通して
提供し続けると、信頼関係も強くなり、
取り組みも行いやすくなります。
お陰で最近は『みきてぃ』と
呼んでくれることも… 笑
「公園遊び」
気合いをいれて、
ずっと張り付いて一緒に遊ばなくても、
時々、木陰で『みてるよ〜!』
と、ママが一休みしながら
遊ぶのを見守ってるのも
アリだと思います。
8月、夏休みの公園遊び。
ぜひ、お水と帽子を持って
行ってみてはいかがでしょうか?
作業療法士(OT)は 実は子ども達のサポートも しているリハビリ職。 これらの記事が読んで頂いた方の 子育て・療育のヒントになればと思っています。 子ども達は今この瞬間が 生きてきた人生で一番成長している時。 記事を通してみなさんと 関わる事が出来たら嬉しいです✨