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【うつ伏せ・ハイハイが必要なワケ】 #24

”子どもと遊ぶ”が仕事の
小児の作業療法士ミキティです。
遊びに隠された7種類の感覚の秘密を
簡単にまとめています。

赤ちゃんは2ヶ月位から
肘から下の両腕と
自分の握ったままの手で
頭を上げて首を左右に
動かすことが出来るのを
ご存知ですか?

今回のテーマ:うつ伏せ・ハイハイ


1.うつぶせは危険?

乳児突然死症候群(SIDS)は
4,000人に1人の割合で
予兆や既往歴もない乳幼児が死に至る
原因のわからない病気です。
リスク因子として
妊婦および養育者の喫煙、
非母乳保育、うつ伏せ寝
が挙げられています。
窒息とは異なります。

SIDSはうつ伏せ寝でも仰向け寝でも
どちらでも発症しますが、
うつ伏せ寝の方が発生率が高くなっています。

生後2〜6ヶ月に多く
1歳くらいまでは仰向けに寝かせることを
厚生労働省が推奨しています。

これらのことから
うつ伏せを不安に感じる…
と、思いますが、
実はうつ伏せの姿勢はとっても
大切
なんです。

今回は先日の勉強会で
小児科医:家森百合子先生から
お聞きした
「うつ伏せの練習」を
しっかりさせることが重要
であることをお伝えします。

注意‼︎
SIDSを防ぐためにも
必ず保護者・支援者が
そばで行ってください
ね。


2.赤ちゃんをうつ伏せにしたら?

  

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▼赤ちゃんの発達の目安です

1ヶ月:生まれたばかりの赤ちゃんは
   体を支えることが出来ません。
2ヶ月:前腕(肘から前)で体を支えられます。
   この頃から頭を左右に動かし始めます。
3ヶ月:両肘で支えることが出来る様になり
   手首の動きが出る様になります。
   小指からおもちゃを掴みます。
   (ここで把握反射が軽減

赤ちゃんとお兄ちゃん


4ヶ月:片肘支持ができるようになり、
   自分から何かを取りにいく
   リーチ動作がみられるようになります。
5ヶ月:自分の中心線を超えて反対へ
   手を伸ばし重心が片方に移動し
   寝返りが出来る様になります。
6ヶ月:掌で支えることができるようになり、
   把握反射が消失し、親指側からの把握
   が始まります
7ヶ月:ピボット(片方で支えが可能で回転)
8〜9ヶ月:両手両膝4点で体をささえます。
    腹這い、斜め座りもできるようになります。
9〜10ヶ月:四つ這いがスタートし、片手でも
    支える事ができるようになります。
    自分で足を伸ばして座れるようになります。
    ママの膝の上から物に捕まって
    立てるようになります。
10〜11ヶ月:両手足で支える事や
    伝い歩きがはじまり、
    壁などでつかまり立ちが始まります。

たかばい

11〜12ヶ月:高這いがスタートし、
    手放し・移り、伝い歩き(壁)になります。

    ここで大切な事は
    四つ這いや高這いの姿勢で頭、体の重さが
    手首・指先に力が入ってくる

          ↓
    就学児に鉛筆などを持つ事につながる
    ということ


3.手の発達

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先ほどの発達を遂げていくと
生まれたての時にある
把握反射は
使う事によって
統合されていくのが
わかります。

幼稚園や保育園に入ったあたりから
色鉛筆やハサミなど
手で道具を使う事が多くなり、
上手に使えるお子さんと
苦手なお子さんとの差が見られるように
なります。


発達段階を確認すると
「四つ這いや、ずり這いをしないで
すぐにつかまり立ちや歩き始めたんです」
と大体のお母様よりお話しをお聞きします。

手でしっかり体を支える遊びが
いかに手の発達に関係しているかが
よくわかります。

4.どうしたらいいの?


もし、
うちの子、ハイハイあまりしなかったかも…
と気づいたら、今からでも大丈夫。

ぜひ、四つ這い遊びや
手押し車、よじ登る遊びなど、
身近に出来る遊びを
お家でしてみてください。
いろんな工夫で
意外と遊べる事があります。

私もよく、食卓の椅子を並べ、
そこをくぐらせたり、
階段をハイハイで登る遊び、
滑り台を四つ這いで降りる、
公園で芝生の上を四つ這い競争等…
思いつくことをやっています。


ダンボールのお家

5.まとめ


うつ伏せと四つ這いの姿勢。

実はびっくりすることに
手の発達はお口の発達とも
繋がっていることを知りました!

姿勢発達の会の勉強会で
家森クリニックの理事長
家森百合子先生のお話は

子育てママにも
参加してもらいたい内容が
沢山。

姿勢発達の会の事務局からも
「もっと子育てをしている方や
支援している人たちに
知ってもらいたい」とのこと。

少しずつ、
またここで、続きを
お伝えしますね。

子育てが楽しくなりますように…

参考:姿勢発達の会
   WEB講座


赤ちゃん 昼寝 掌


作業療法士(OT)は 実は子ども達のサポートも しているリハビリ職。 これらの記事が読んで頂いた方の 子育て・療育のヒントになればと思っています。 子ども達は今この瞬間が 生きてきた人生で一番成長している時。 記事を通してみなさんと 関わる事が出来たら嬉しいです✨