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【子どもは遊びで成長する 】#10

”子どもと遊ぶ”が仕事の
小児の作業療法士ミキティです。
遊びに隠された7種類の感覚の秘密を
簡単にまとめています。
今回のテーマ:小児訪問リハ①

# 10 小児訪問リハ①

1.小児訪問リハって何?

訪問リハビリステーションの略が「訪問リハ」
利用される方が必要なリハビリに合わせて
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、
言語聴覚士(ST)が自宅に訪問し、
自立した日常生活を目指して支援します。
部門は成人と小児に分かれています。

私はフリーの小児作業療法士として
事業所に所属。
他のセラピストやナースのスタッフと
連携をとりながら
週に数回だけ小児訪問リハ
させて頂いています。

先週は北海道の遅い春の中、
満開の八重桜の下で行いました。

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2.どんなお子さんがいるの?

写真のひまれちゃんは4歳。
11番染色体異常、摂食障害、
精神運動発達遅滞

ママが試行錯誤しながら毎日、
献身な関わりを続け
自分でやっと歩けるようになりました。
食事もマーゲンチューブ
(鼻からチューブを通して栄養を摂取)から
口から少しずつ食べる練習を
ST(言語療法士)さんと
協力しながら取り組んでいます。

その他にも4ヶ月〜小学生まで
先天奇形症候群、脳性麻痺、ウエスト症候群、アテトーゼ型脳性麻痺、ターナー症候群、ゴーハム病+骨溶解、インフルエンザ脳症後遺症、滑脳症、小頭症、孔脳症、コルネリアデランゲ症候群、重症新生児仮死後遺症、発達遅滞、視覚障害、新生児脳梗塞後遺症…
などの難病や重度の障害を持つお子さんを担当しています。

把握反射

3.どんなことをしているの?

1人のお子さんに対しリハを行います。
PT・OT・STと職種が違っても
最終目標はひとつ。
その頂上にたどり着くために各セラピストが
協力し、あらゆる方向からアプローチします。

さらに同じOT(作業療法士)でも
セラピストによって
手法・関わり方は違います。

私は7つの感覚を沢山感じる感覚統合
取り入れています。
そのため、リハは感覚遊びが中心。

そのお子さんに必要な動きや感覚を
 ”ちょっと頑張ればできること”
に挑戦する機会を遊びを通して沢山作ります。

身体的・心理的な問題で遊びが
限局される事が多いので、
新しい遊びを提供し、
「はっ!」「あれっ?」と興味を持ち、
子どもから”手をだす”、”体を動かす”
にフォーカスし、少しずつ少しずつ
体験を積み重ねていきます。

スライム遊び


今回のお外でのリハもその一つ。
子どもは土手を四つ這いで登る遊びで
自宅の床での四つ這いと異なる両手足への
荷重の違いを体で感じます。
景色を見るための首の上げ方も異なります。

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雑草の種類もとんがった葉先が
つんつんすることや
丸みをおびた葉の表面が
ツルツルすることも
指先の触覚じっと感じています

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もちろん青空の下のハンモックで
揺れの前庭感覚の遊びもわすれません(笑)。

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4.まとめ


私が訪問リハで目指すこと。
養育するパパママ、共に過ごす事が多い兄弟も
住み慣れた環境で
一緒に楽しく過ごせる時間を作ること。

イメージはちょっと大げさですが、
『移動式感覚遊びサーカス』

OTの背中やバランスボールに座ったり、
ハンモックを持参してお庭の木に
ぐるっとくくりつけ揺ら揺らしたり、
スライムづくりや、時にはクッキングも…

なぜなら
子どもは遊びで成長する

もしかすると
他の訪問リハとは
ちょっと違うかもしれません…

子どもたちが1人1人違うように
セラピストも”みんな違っていい”
リハの方法もセラピストの一つの個性
と思っています。

さぁ、来週はどんな事しようかな?

みなさんにとって素敵な一週間が
始まりますように…


写真掲載:
ひまれちゃんの保護者の同意を頂いています。
ご協力ありがとうございました。

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おうち時間を工夫で楽しく

作業療法士(OT)は 実は子ども達のサポートも しているリハビリ職。 これらの記事が読んで頂いた方の 子育て・療育のヒントになればと思っています。 子ども達は今この瞬間が 生きてきた人生で一番成長している時。 記事を通してみなさんと 関わる事が出来たら嬉しいです✨