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欲張らず、今ある幸福を大切に

 サンパウロではごく普通に植えられているこの植物が、「サンスベリア」であるということをLUNAさんのこの記事で教えていただいた。

 記事によればサンスベリアの開花は滅多に見られないことから、この花を見る機会に恵まれれば幸運が舞い込むとも言われているらしい。そういえば葉っぱこそ見たことはあれど、花が咲く姿を見た記憶はない。4、5日前だったか、心当たりを探すとサンスベリアは難なく見つけることができた。果たして花は。蕾はつけてはいるが、まだ開花までは日があるらしかった。

 その後冬の風邪なのか体調を崩し、散歩どころでは無くなってしまった。重病ではないのだが、胃腸炎の症状があり何かにつけやる気が出ない。知り合いの医師に整腸剤を処方してもらうが、スッキリしないまま週末を迎えた。昨日土曜日も、外出も控えて家でゴロゴロして過ごした。でもあの蕾がどうなったかは、どうしても気になっていた。

 本日日曜日の天気はパッとせず肌寒い。今にも雨が降り出しそうな空が朝から広がっている。体調にも大きな変化はないように感じられた。でも、多少の無理をしてでもサンスベリアの花を見てみたい、というポジティブな気持ちが湧き上がって来たのはここ数日では大きな進歩だった。もはや幸運などどうでもよかった。ただその花を見る、それだけでも価値のあることのように思われた。

 家族はといえば、1. F1をTV観戦する人(夫)、2. 友人と出掛ける人(娘)、3. 昼食の時間まで寝る人(息子)と、私に付き合ってくれそうな者は誰もいなかった。公園の先にある日系のスーパーでちょうど買いたい物もあったし、思い切って一人で出かけてみることにした。歩きだけれど、何かあればいつものベーカリーでひと休みすればいい。念のため折りたたみの傘を持って家を出た。

 一目散にサンスベリアが植わっている場所を目指す。ここ数日肌寒い日が続いたから、開花も遅れているかも。微かな期待から自然と早足になりながら歩いた。果たして花は......。

まだ咲いてないやーん!

 通常サンスベリアの蕾の期間がどれ位なのか分からないが、数日前とさほど変わらない様子の花芽がそこにあった。なんとも拍子抜けしてしまった。花は無事に咲くのだろうか。そもそも日本の夏の時期に花を咲かせるくらいだから、今で本当に良いのか?分からないことだらけのまま、しばらく経過観察をすることになりそうだ。

***


 その他、公園に向かう道中、園内で見かけた植物の様子を少しご紹介しよう。


木に着生してスクスクと育っているサボテン。あまりに馴染んでいて、木との境目が分からないくらい。
相当な高さまで伸びている。
お馴染みの、木に着生した蘭。
風雨に晒され葉っぱはボロボロでも、美しい花を咲かせている姿には心打たれるものがある。
清楚な白いオシロイバナ
集合体が苦手な方はご注意を。検索ではジャボチカバがヒットしたのだが、ちょっと違う気もする。朝市で見かけるその実はもう少し小さめ。
ジャボチカバの熟した実。ちょっとライチのような味わい。
観葉植物でお馴染みのモンステラ。かなりの大木に育っていて、なかなかワイルド。
クリスマスのデコレーションに使われるポインセチアも、地植えにするとこのような木になる。赤い部分は葉っぱ(苞葉と呼ばれる)で、花は中心の黄色い部分。
ネムノキの花。
マメ科の植物だけあって、このような実がなるらしい。インゲンが逆立ちしている。
この花には今まで気づいたことがなかった。掌を広げたほどの大きさの花で、花弁は肉厚。キワタというそう。
どんぐりのような蕾。その大きさは小ぶりの鶏卵ほど。ちょっと異様な光景。
木の幹も個性的。
クリスマスツリーのオーナメントのような花はブラジル原産のショウジョウカ。
一本の木に黄色い花も咲いていた。成長につれ赤い網目が出てくるのだろうか。
やはりブラジル原産のサイハイデイゴ。
サンパウロではツツジの見頃は冬なのか。。
オマケ。本日出会ったピカパウ(キツツキ)さん♀。
アボカドがお好み。

 本日の幸運は何だったのか。多少気になった体調もなんとか保ってくれて、自分の足で歩いて出かけられたこと。今まで知らなかった植物たちや、貴重なピカパウさんに会えたこと。帰り道にいつものベーカリーで、美味しいカフェオレをいただきながらゆっくり出来たこと。家族が今日も一日元気で過ごせたこと。当たり前のようでいて、当たり前ではない幸せ。

 皆様も良い1週間を〜。

Uma excelente semana para todos !!


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