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2022年 クリスマスの過ごし方

 ここ数年、クリスマス週間の過ごし方が変わって来ました。高齢の親戚が次々にこの世を去って、クリスマスの挨拶に伺う機会が減ったこと。パンデミックや家族の健康状態の変化。そして家族の海外移住。子供たちがそれぞれ成長したため、激混みのショッピングセンターで玩具を探し、見つからないように当日まで隠しておく必要ももうありません。でも、日本のお正月に匹敵するほど大切なこの時期に、めっきり人と集う機会が減ってしまったのは何よりも大きな変化です。

 子供たちが中学生くらいまでは、親戚他、学校の先生やお世話になった習い事の先生、主治医などのために贈り物を探し、クリスマス(そして日系のファミリーなのでお正月も)の集まりの準備などで日々忙しく過ごしていたのですが。今となってはそれもまるで嘘のよう。びっくりするほど穏やかなクリスマス週間でした。そういえば、ブラジルの学年末はこの時期で、言葉がネックでかなりの頻度で補習授業、追試となった子供たちの進級をハラハラしながら見守るのも風物詩でした。

 このイブの前日に金曜日の朝市に行くと、お店の方との挨拶は

「Feliz Natal e Bom Ano Novo!!(メリークリスマス、そして良い新年を‼︎)」

 でしたが、何となくピンと来ませんでした。家族で集まる予定のないクリスマスのために、大量の食材を買い込む必要はもはやありません。忙しかった時は文句を言っていたのに(そしてその忙しさが過ぎる頃必ず体調を崩して寝込んでいました)、いざそうする必要もなくなると物足りなく感じるなんて。人は無い物ねだりするものですね。

 例年のイブの日は、朝早くから客人を迎え入れる(もしくは訪問先に持ち込む)料理の用意に取り掛かります。まずは焼き時間がかかる七面鳥から。大体3、4時間を見ないといけません。その後はガスオーブンの火を絶やすことなく、大型の魚の丸焼き、フィニッシュの焼き栗へと進みます。家の食卓に料理を並べるのはまだ良いのですが、義母宅や義弟宅にこれらの料理を持ち込んでいた時もあったのですね。。

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 今回は私たち家族4人だけでお祝いするクリスマス。まずは七面鳥をどうするかが話題になりました。昨年は家族がひと足早くカナダに移住した義弟がカナダに様子を見に行っていたので、いつも立ち寄るベーカリーで小さめの出来合いの七面鳥を頼んでみました。でも、注文が殺到して忙しいせいか、七面鳥は火が通り過ぎて肉がパサパサ。手間暇かかっても、小さめの冷凍物を買って、家で焼いた方が良いかなぁと思っていたら。。

 階下に住む友人が訪ねて来て、田舎に帰省するのに冷凍もののとり(七面鳥と鶏の合いの子のchester)をいただいたけれど、フリーザーに入らないからもらって欲しいと。裾分けしてくれました。これは願ったり叶ったり。本当にありがたかったです!

これはチェスターくんの後ろ姿。この時の私は、重大な過ちにまだ気づいていませんでした。

 クリスマスのメニューとしては、その他にお刺身(夫が別の朝市で買ってきた切り身を切ってくれる)、ポテトサラダ、グリーンサラダ、贈り物でいただいたパネトーネのセットの中に入っていたナッツやドライトマト&クラッカー、そしてデザートはもちろんパネトーネ♡で何とか格好がつきそうです。加えて、元気な葉っぱ付きのビーツが手に入ったので、その茎と葉っぱを刻んでオリーブオイルで炒め、醤油と七味唐辛子で味付けをした、箸休めも作ろうと思いました。

こんなに元気なビーツは、いつもいつも手に入る訳ではありません。新鮮な葉っぱの切れ端は、早速カタツムリ2匹にも進呈しました。

 チェスターくんのパッケージを見ると、まずはバターを体に塗りたくり、白ワイン&水それぞれ半カップずつを回しかけ、アルミホイルを被せて2時間焼く。そのあとホイルを外してさらに30分、焼き色を付ける仕上げ焼き。時々汁をかけながら、とありました。大人数用の七面鳥焼きに3、4時間かかっていたことを思えば、随分の時短になります。2時間半で済むのですから。チェスターくんの体重は3.5キロとのことで、我が家にはちょうど良い塩梅。夕方4時からオーブンを温め始めて準備をしました。

付け合わせのサツマイモは予め茹でておいて、チェスターくんのホイルを外すタイミングで加えて焼きました。
チェスターくんを焼いている間にビーツ料理を用意します。葉っぱは生でいただくには抵抗がありますが、火を通すと食べやすいです。醤油や七味唐辛子の味付けで白いご飯も進みます。

クリスマスイブの食卓はこんな感じでした。

家族だけで楽しむなら充分です。

 ここで問題が勃発。メインのチェスターくんは通常、胸とお腹側を上にして焼くのですが(切り分け易い)、何と背中側を上にして焼いてしまっていました。。中が空洞になった背中側からナイフを入れるわけにもいかず、仕方なく、写真を撮ってからひっくり返しました。結婚以来30回近く七面鳥を焼いてきましたが(なぜか私の仕事として定着していました)、こんなことは初めてです!私としたことが。でもどちみち切り分けてバラバラにししていただくものですからね。

 カナダに引っ越した義弟が残して行った、チリの赤ワインを開けて家族で乾杯しました。いつもはワインには見向きもしない娘が、甘めの赤ワインを気に入ったようで意外でした。食事の後、お皿洗いをしながらもチビチビと飲んで計3杯!ちっとも酔わないのは父親譲りの体質でしょうか。私はグラス一杯でギブアップ。やはり350ml缶のビールと同じようには行かないようです。ふらふらで真っ赤。鼻が詰まってしまって。家飲みでよかったとつくづく思いました。

昨晩のチリワイン。後方はBauducco(バウドゥッコ)のパネトーネ。お馴染みの黄箱ではなく、ランクが上のいただきものです。

 クリスマス週間はなにかと慌ただしいものですが、当日(イブの夕方から日曜日にかけて)になるとゆったりと静かな時が流れます。今までの喧騒が嘘のように。全ての人々の民族大移動がピタッと終わって、店も閉まってしまいます。日本のクリスマスはイブから始まると言っても良いほどですよね。街も賑やかで。

 クリスマスというともう一つ思い出すのは、「助け合いの精神」です。子供たちが日本語学校に通っていた時は、日系の施設(老人ホームや知的障害のある方々が暮らす施設、孤児院など)でボランティア活動をしていました。

 多額の寄付をする訳ではなく、施設で必要とされるちょっとしたもの(米や豆1キロとか洗濯石鹸、掃除用の洗剤)を生徒それぞれが持ち込みます。事情があり、この時期でもご自宅に帰られない方々の話し相手になったり。一緒に日本の童謡を歌ったり。クリスマスの飾り付けをしたり。ゲームをしたり。お世話をするというわけではないけれど、普段なかなかお会いする機会のない方々と、かけがえのない時を過ごして、色々と話を聞かせてくれたものでした。日本のクリスマスの華やかな印象が、こちらに来て年々「それだけではない」と思うようになってきました。

 日本のクリスマスはもうそろそろ終わりを迎えますね。そして、休む間も無くお正月の準備ですね。カトリックのこの国では公現祭とされる1/6にクリスマス飾りを片付ける習慣がありますので、飾りと共に年越しをします。ですが、note界では日本式に、こちらの25日を過ぎたら又アイコンを元に戻そうと思います。

 今年もお世話になり、ありがとうございました。2023年もどうぞよろしくお願い致します。良いお年をお迎えください。

【今週のおススメミュージック】

 Chris ReaのDriving Home for Christmas 。クリスマス当日を家族と過ごすために車を走らせる。市や州、国境を越えて。大切な人たちとの再会、皆で囲む温かな食卓での会話を思い浮かべながら。
 こんな雪景色を実際に見たのは、日本でスキー場を目指した30年くらい前が最後でしょうか。曲も胸がキュンとして、昨日何度もリピートしました。日本の皆さんにはもう時期外れですが、もしよろしければ。。


年末にちょうど40週連続投稿を果たしたそうです。いつも読みに来てくださってありがとうございます☺︎


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