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【ぼっち旅行記】海なし県の離島「沖島」
妻が実家に帰って暇なので、滋賀で一人旅満喫中です。
◇前回の記事はこちら◇
▷長命寺温泉から堀切港へ
長命寺温泉で、寝落ちしかけていた体に喝を入れて再び活動開始。外気温は35℃、サウナ状態の車に乗り込みエアコンの風力をmaxにする。
長命寺町から、沖島行きの船が出る「堀切港」まで10分ほど車を走らす。
沖島は琵琶湖唯一の有人島であり、近江八幡市堀切港の沖合1.5kmの場所に位置する、周囲約6.8km、面積約1.5㎢、人口250人ほどの小さな島である。
炎天下の中、離島を散策するには飲み物の残量が心許ないので、ファミマで「ソルティライチ」の500mlペットボトルを1本買い足す。
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ファミマから車で数十秒の距離に、沖島来島者専用駐車場があり、車を停めてからは、堀切港まで5分ほど歩くことになる。
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▷堀切港から船に乗る
堀切港に着いた。堀切港にも駐車場はあるが、島民や漁業関係者、役場関係者専用であるようだ。
訪問介護のヘルパーさんがちょうど車を停めて船に乗り込む準備をしている最中であった。
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船は「通船」と呼ばれている
乗船待ちをしていたのは、主に島民と思われるおばあさん数名と、観光で来たと思われる老夫婦、訪問介護のヘルパーさん、漁協の職員らしい人、若い釣り客の集団、大声でしゃべっている中国人観光客の一家。
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こじんまりとした待合所には小学校の児童が書いた注意書きやポスターが貼られている。
島唯一の小学校には、10数人の児童が在籍し、近江八幡市内からであれば島外からの通学も受け入れているらしい。
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定刻通りに沖島から通船が到着し、桟橋につけられる。降りる人が優先で、乗る人は全員が桟橋から出るまで待つ必要がある。
島民と思われるお婆さんが大荷物を抱えていたのを見かねてか、観光客の老夫婦が荷物を持ってあげていた。荷物を持つのを変わってあげるべきだっただろうか?
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来島者駐車場を利用した場合は、船の入り口のポストに300円投入する必要がある。
乗船券売り場は待合室には無く、船の中の自動券売機で買う形式であった。片道500円で、往復分を買うこともできた。島民の方は回数券を持っているようであった。
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通船は30人ほども乗れば、すし詰め状態になるほどの大きさである。
観光船ではなく島民生活に必要な交通手段なので当たり前なのであるが、ぼっち観光客はあまり場所を取らないように縮こまって座っていたほうがよいだろう。
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▷沖島に到着
堀切港を出発して、わずか10分ほどで沖島の桟橋に到着した。体格の良い中国人観光客に続いて船を降り、カメラを片手に島の散策を開始する。
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沖島には信号機はおろか車が無い。軽トラくらいあるだろうと思ったが、軽トラすら見かけることがなかった。そもそも車が通るだけの幅がある道がほぼ無い。
他の人のネット記事などを見ていると、小学校のグラウンドに1台軽トラが停まっているようだ。
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車は無いが、一家に一隻くらいはあるだろうか、船が所狭しと港内に係留されている。
▷三輪自転車
島民の方の主な移動手段は「三輪自転車」、街中でたまに見かけることはあっても、三輪自転車だらけの光景はかなり面白い。
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三輪自転車しか無いのかと思いきや、普通のママチャリやキッズサイクルもあった。
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島内に自転車屋らしきものは無い。近江八幡市街の自転車屋は三輪自転車の取り扱いが多いのだろうか?
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三輪自転車をレンタサイクルすることもできるようだ。1500円は少し割高かな?
島内に駐輪されている三輪自転車のほとんどが、サドルに焼き海苔か煎餅か何かの四角い缶が被さっている。サドルの代わりの座面として使っているのかと思いきや、住民はきちんとサドルに跨っている。
どうやら、ただの雨よけらしい。離島独特の文化のようで面白い。
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▷島の南側を散策する
レンタサイクルは借りずに徒歩で散策を続ける。島内は、港を中心に島の南西側に家々が直線状に連なっており、集会所や作業場が集まっている。
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▷沖島郵便局と自動販売機
島内には郵便局もあり、平日はATMも普通に稼働していた。少し安心感がある。郵便局員は島外から出勤しているようで、帰りの船で一緒になった。お仕事お疲れ様です。
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島には自動販売機もあり、値段も離島価格で高いのかと思ったが、500mlペットボトルで160円といたって普通。
島民のみなさんの貴重な飲み物を減らすわけにもいかないので、自販機の利用は控えることにした。
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▷炎天下の島さんぽ
島の南端に沿って散策を続ける。釣り客が多く、ただカメラを持ってふらふら歩いているだけのぼっち旅行者は浮いているのか視線が痛い。
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ちなみに島内には交番はないようだ。事件が起きると近江八幡から警察が船で来るらしいが、こんなのどかな島で事件が起きることはあるのだろうか?
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帰りの船が出発するまで、島に滞在できる時間は約90分。時間をあますことなく散策に使おうと思っていたが、35℃の外気温の中、さきほど温泉で汗を流したはずの体は、すでに汗でびっしょり。
ファミマで買ったソルティライチも飲み干してしまい、あまり歩きすぎると離島のど真ん中で倒れてしまいそうなので、志半ばで散策を中断。
漁協近くの日陰で涼みながら、帰りの船が出るのを待つことにした。
島の東部の小学校の方面や北部まで行きたかった…
▷「猫の島」の猫たち
ネット上では、猫の島として有名であるとの前評判を聞き、島で猫たちに会えるのを楽しみにしていた。しかし、日中暑いからか島内であまり猫の姿を見かけることができなかった。
見かけた猫はビワの木近くの民家の軒先に1匹。
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もっと涼しい時間帯になれば、会えるかなと思い、船の出航間際に漁港周辺の木陰を探すと、計3匹の猫に会うことができた。
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時間帯的に数が少ないものかと思っていたが、帰ってからネットで調べると、2020年あたりから忽然と猫の数が減っているようである。
沖島の猫の減少については、こちらのネットニュースが詳しかった。
どうやら島外の保護団体だかの女性が連れ出していた経緯があるようだ。
島内の猫は、地域猫として餌付けや避妊手術がされているわけではなく、釣り客のおこぼれや昆虫を食べて生きているように見受けられる。
ただ写真を撮りに来ただけの分際で言える立場ではないが、自然の状態で島民と共生していた猫を、可哀そうだからという理由で持ち去るのは、利己的すぎやしないだろうか?
漁業の島としては、猫があまり多くいるのも歓迎されないのかもしれないが、持ち去るのではなくて、猫が島でより豊かに暮らせる良い方法は別になかったのかと少しモヤモヤ。
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今島内にいる猫たちが、今後もたくましく生きていけることを願って。
▷帰路
16時発の通船は、島外へ帰る小学生や漁協の関係者でほぼ満席であった。
3人がけのシートの端になんとか座ることができた。
結果一番最後に乗り込んだ郵便局員さんたちは立って乗ることになってしまっていたが、軽い熱中症気味でフラフラなので席を譲れず申し訳ない…
堀切港に着き、下船。再びサウナ状態の車に乗り込む。
今晩は長浜で一泊予定だが、夕食なしのプラン。
夕飯をどうしようか考えながら、琵琶湖を左手に湖周道路を長浜・米原方面へ向かうのであった。
つづく
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