シェア
ばきお
2020年4月15日 14:08
「ブラームスはお好き?」誰かがそう問いかけた。頭の中でこだまする。分厚い雲が流す生暑い風がシャツと汗になった肌とを密着させる。腕の中で眠る我が子はこれから自分に襲いかかる運命に知る由もなく寝息を立てている。人権大国日本が聞いて呆れるね。互いに孤児院で生まれ育ち、煩雑な手続きを何百と乗り越えて医療系の教育機関にたどり着いた。莫大な奨学金を得るために血を吐きながら努力し、今度は返済するために命を