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smashing! オレとあんたとほんろうと

大学付属動物病院獣医師・設楽泰司。週一で佐久間イヌネコ病院に出向している理学療法士・伊達雅宗は彼の先輩で恋人。伊達は佐久間の病院の経理担当である税理士・雲母春己とも恋人同士だ。


体が鈍ったな、そう感じたら家の中のなにかしらで鍛えている。平屋の鴨居で懸垂、畑で姿勢低くしての作業。ペントハウスでは屋上で腕立て、ちょっとしたダッシュも出来たりする。伊達さんが夜もあれでしょ夜も、とか(おっさんぽく)笑ってるけど、よく伊達さんの足腰立たなくしてるから、夜の方も確かにあれですね御意。

以前はジョギングしてたけど、今は家に居ながらして何とかしたくなった。一人じゃない時は尚更、あの二人と過ごしたいと思うから。逆に一人の時だったら走りに行くかといえばそうでもない。なんていうか、即座に行動したい。臨機応変に動きたい。そうなると家の中にいるのが一番いい。

元々食ってもそんなに身にならない、ていうか痩せることの方が多いから、伊達さんが渋い顔する前になんとか体重を戻すのが大変だ。あの人数百グラムで気づくから面倒、あそんなことないですいつもありがとう。雲母さんの体重変化にも目敏い伊達さんは、すごく不思議なことに体重の変化が全然ない。オレが気づかないだけなのか。

平屋の縁側で軽く腹筋しながら考えを巡らせてたら、知らない間に後に伊達さんが座ってた。気配。ちょっとびっくりして腹筋攣るとこだった。お疲れさまあ、手に持ってた何かをオレの目の前に差し出してくる。あいい匂いチーズのハットグじゃないですか。秒で認識して即喰らう。ほんとワンちゃんみたいだねえ、こんな時の伊達さんはほんと、幸せ中の幸せフェイスでもってオレに笑いかける。

ワンちゃんみたい、そう言いながら扱いはワンちゃんじゃなくてちゃんと成人男子、彼ピ仕様なので安心する。ワンちゃんプレイ好きだったらオレもそれなりの対処をしないと。伊達さんにそう言ったら、それはお前だよう、意味深なセリフとともにニヤリと笑いながらハットグに齧り付く。チーズほっぺたについちゃってて格好良さ半減だけど。

なんですかそれもっと詳しく、詰め寄り始めたオレの脚の間にある伊達さんの膝がこう、いい感じに刺激してくれて、オレのオノレは縁側で主張を始める勢い。なんでもかんでもそっちに結びつける、いや、結びつけようとしてるオレの意図を全部分かった上で、こうして伊達さんに上手いこと翻弄されてくんだな。

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