シェア
kikimaruru
2021年8月28日 22:47
階段をかけ上がった元太は、自分の部屋のドアをバーンと力まかせに閉めた。天井を見あげた口はへの字にまがり、にぎりこぶしがプルプルふるえている。 ドアの外から、少しイラついたママの声が聞こえた。「だってしかたないじゃない。もも熱があるんだから」「わかってるよ」 妹のももが風邪をひいた。そんなときに遊園地に行けないことくらい、元太だってわかっている。 だけど元太は、遊園地でやっているヒーロー