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レゴ®︎シリアスプレイ®︎で「考える力」を高めるワークを構想する⑤コンセプト組み合わせワーク
ワークの狙い
本ワークは、コンセプト(概念)間の関係を考察する感覚をもってもらうためのワークである。また、その組み合わせの広がりについても感じてもらう(それはいろいろな角度から繰り返し物事を考える重要性にもつながる)ことも狙いである。
具体的なワークの進め方(構想)
4〜5人でグループを組む(ペアワークでもいい)。
※以下、レゴ®︎シリアスプレイ®︎の進め方についての練習は行った上でのものとする。
(1)コンセプト(概念)をひとつ提示し、それに相応しいブロックを1つ選ぶ。
※以下、1つのブロックではなく、2〜3個のブロックの組み合わせでもいいし、作品でもいい。ただし、組み合わせや作品だとそれだけ時間がかかる。
(2)そのブロックを選んだ理由について参加者同士で説明しあう。
※ブロックの形や色を使って説明をする。
※ファシリテーターが説明の仕方の手本を示してもいい。
(3)ひとつめのコンセプト(概念)のブロックは各自の手元に置いておく。
(4)ふたつめのコンセプト(概念)を示し、それに相応しいブロックを1つ選ぶ。
(5)そのブロックを選んだ理由について参加者同士で説明しあう。
(6)ひとつめのコンセプト(概念)とふたつめのコンセプト(概念)との関係を組み合わせや配置によってどう表現するか考えてもらう。
※必ずしも2つをくっつける必要はない。両方ともそれぞれ手に持って空中で関係を表現させるのでもいい。
(7)そのブロックの関係性について参加者相互で説明しあう。
※オプションとして、グループ内で統一見解モデルを作らせる方法がある。どのような意見がもともとあり、どのような理由でグループの意見となったのかについて発表させる。
※ここで終わることもできる。
※この2つのブロックからなる作品はそのままとっておく。
(8)3つ目のコンセプト(概念)を参加者に示し(参加者に任意で決めさせても良い)、そのコンセプトに沿ったブロックを選ばせ、先程の作品にブロックを加えて一つの作品にさせる。
(9)その作品について参加者相互に説明し合う。
※(7)のときと同様にグループ内で統一見解を作らせる方法もあるが、統一見解をつくるときの複雑さがかなり上がるので注意が必要である。
<終了後>
※統一見解や考えたことについて関連する文献を調べさせ、専門家などがどういう説明をしているのか読ませ、自分たちの作ったモデルとの対比を考えさせる方法がある。
※数学・科学領域で使われるコンセプトでもできるが、その場合には関係性の正しさは一つに絞られる(すでに専門家によって解答が確立されている)、人文・哲学・社会学系のコンセプトよりも、より自分たちの考えの検証が重要になる。
組み立てワークで作られる作品や説明の例
ひとつめのコンセプトとして「自由」を提示したとする。
![](https://assets.st-note.com/img/1674027056787-8J7ENOW2MC.jpg?width=1200)
「自由」は行動選択の広さを与えるため薄く広いブロックを選んだ(説明例)。
ふたつめのコンセプトとして「正義」を提示したとする。
![](https://assets.st-note.com/img/1674027168180-EiiPwhBhEM.jpg?width=1200)
「正義」はさまざまな考え方の中から、最も価値の高く筋の通った考え方を示すもので、一本線をイメージしている。(説明)。
次に「正義」と「自由」の関係を表現するように指示する。
![](https://assets.st-note.com/img/1674027580475-krh676NnRD.jpg?width=1200)
「自由」に色々なことから考えていく中で自分の中の「正義」が現れてくる。自分が「自由」でありながら、もしくは自由を守るために「正義」は他者を攻撃する武器でもある。この作品の見方を変えれば、他者からの「正義」は、私たちの「自由」などお構いなしに突き刺さって痛みを与えてくる存在であるという解釈もできる(説明)。
3つめのコンセプトとして「知識」を示し(もしくは参加者が任意でコンセプトを選ばせ)、作品に加えて説明をさせる。
![](https://assets.st-note.com/img/1674027995963-XZdPOlTmJU.jpg?width=1200)
「正義」が「自由」のもとにむやみやたらに振り回され、人を攻撃し、傷つけるのではたまったものではない。そこで黄色透明パーツの「知識」が「正義」が本当に向けられるべき先を照らす灯りとして必要である。「知識」と「正義」がしっかりと一体化することによって、適切に「正義」が示されることになり、それは人々のこころを明るくさせるものなのである(説明)。
以上、参加者によって発想や説明のレベルはずいぶんと異なると思うが、ワークのイメージが伝わってもらえれば幸いである。
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