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躁鬱出戻り日記。おしゃれ子供部屋おばさんになりたい

実家に出戻ってきて早や3ヶ月。
暮らすのには困らない程度には片付いたけど、広い部屋から狭い部屋への引っ越し、プラス実家に残してきた物たちとのメディアミックスが未だにままならない。
普通にライフステージを上がると部屋は広くなっていく筈なんだよなあ……。

そんな塩辛い気持ちを少しでも薄めるために、せめて「子供部屋おばさん」から「おしゃれ子供部屋おばさん」にグレードアップしようと片付け本を読み漁るのにハマっています。『凪のお暇』7巻の模様替えの足掻きを彷彿とさせる……。「結局実家は実家」に辿り着きそう、という考えは今は置いておこう。

とりあえずあまり選別せずに、いわゆる「持たない暮らし」「人生を変える収納術!」「北欧インテリアで叶う私のハッピーライフ」みたいな本をたらふく図書館で借りまくる日々。

でも結局これ読んでも絶対片付かないよ! ってわかっていても真っ先に読み始めちゃうのはこういう本。
辛酸なめ子の『片付けられない女は卒業します』(2007、メディアファクトリー)。

THE・片付けられない女である著者がマンション購入を機に海外インテリアに目覚めおしゃれ部屋生活を手に入れるまでの奮闘記。

地震が起きても崩れないほどに重く積み重なった3本の雑誌の柱にメアリー、ニック、ブライアンと名前を付けて愛でて(逃避とも言う)いたけど、その後結局倒壊して頭部を攻撃される侘しさとか、

マンション購入してから堰を切ったように数十万する海外製の家具を買い漁る病的なところとか、(本に出てくるだけでも棚をいくつ買ったんだこの人……)

南千住とか錦糸町とか亀有とか南船橋とか、出てくる地名がことごとくおしゃれ度が低く、元東東京&千葉県民としては親近感を覚えざるを得ないとことか、

とにかく愛おしい。自虐たっぷりなのに皮肉ではない軽快な文章も読みやすいし笑える。

よくある片付け本の「あなたの片付けられないタイプはどれ?」的な診断だと、私は「うつ病や発達障害、その他精神障害等によるもの。専門家にまずは相談してみて」に当てはまってしまう。
発達障害などで片付けられない症状はまた全然別の話になってしまうので、それはそれでまた違う本を読まなきゃいけない。

結局一般の片付けノウハウ本やおしゃれ職業の人のおしゃれライフスタイル紹介本などでは、私のようなパターンは「見捨てられている」のである。

あくまで健康で体力と正常な判断力があり、まともに働けているか専業主婦ができている人達のための本、と突きつけられる。
読んでいて最もだなあ、勉強になるなあ、とは思うけどどこかしゃらくさいのだ。
ということが今回の読み漁りでよくわかって良かった。
でも書かれていることを実践するかはともかく「理想の暮らし」のヴィジュアルイメージをインプットするためには定期的にこういうの読み続けた方が良いかも。

そんなひねくれた見方の奴が片付け本なんか読んだって何も吸収できないよ、と思ってる矢先での辛酸なめ子さんの本。
彼女の文章は優しい。同じ目線で話しかけてくれているよう。そしてちょっと狂っている。
飲み屋で話しているとしたら、他はみんな「教えてあげましょう」「すごいでしょ、真似したいでしょ」という話ばっかりしてる中で「生きてるとこういうこともあるよね」と訥々と話してる人がいる、っていう感じ。
しかも良く耳をすませて聞いていると、たまにとんでもないこと話し始めるので聞き入ってしまう魅力がある。

友達になりたい、と思える本。

案外私みたいなのにはこういう本の方がやる気が出て良いかもしれない。

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