カンヌライオンズ2023 速報 - ファーマ、ライオンズヘルス グランプリ for グッド部門
世界最大級のクリエイティブの祭典、カンヌライオンズ2023が開幕しました。
このマガジンではカンヌライオンズの各部門のグランプリ受賞事例について、速報的にまとめていきます。
初日は
・アウトドア
・プリント&パブリッシング
・ラジオ&オーディオ
・ヘルス&ウェルネス
・ファーマ
・ライオンズヘルス グランプリ for グッド
の6部門の受賞事例が発表されました。
この記事では
・ファーマ
・ライオンズヘルス グランプリ for グッド
のグランプリを簡単にまとめます。
Eurofarma
「Scrolling Therapy」
ファーマ部門 グランプリ
Agency:Dentsu Creative
パーキンソン病の代表的な症状に、顔の筋肉がこわばり表情が乏しくなる「Facial Masking(仮面様顔貌)」というものがあり、89%のパーキンソン病患者がこれに苦しんでいる。
この症状は顔のエクササイズを1日45分行うことで改善できるが、3%の患者しかそれを実行できていないという。
ブラジルに本社を置き、22か国で事業を展開する製薬会社のEurofarmaは、このエクササイズを助けるアプリ「Scrolling Therapy」を開発した。
これはFacebookおよびInstagramと連携し、両SNSを閲覧するための操作を顔の表情で行えるようにしたものだ。
・驚いた表情で「スクロールダウン」
・舌を出した苦しそうな表情で「スクロールアップ」
・悲しい顔で「動画の再生」
・笑顔で「いいね」
・しかめっ面で「スワイプ」
という5つのコマンドを使って、SNSの閲覧をエクササイズの時間に変える。
45分間のアクティビティが完了すると、1日の目標が達成される。
Memorial Sloan Kettering Cancer Center
「Working with Cancer」
ライオンズヘルス グランプリ for グッド部門 グランプリ
Agency:La Foundation Publicis / Publicis Conseil / Le Truc / Digitas / Saatchi & Saatchi Health / Publicis Groupe UK
「Working with Cancer」は、世界の企業、医療提供者、非営利団体のリーダーが団結して、癌患者に対して職場で協力的で回復に前向きな文化を作ることを誓約する活動である。
パリに拠点を置き、100か国以上で事業を展開する広告代理店、ピュブリシス・グループのアーサー・サドゥンCEOが、昨年癌と診断されたことをきっかけに、2023年1月に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)でこの活動を立ち上げた。
この活動に参加する企業は、以下の5項目について誓約する。
私たちは、自社の(従業員の癌に関する)方針とプログラムを把握します。
私たちは、従業員に私たちのコミットメントを認識させることを誓います。
私たちは、職場で会話をすることを誓います。
私たちは、進捗状況を確認することを誓います。
私たちは、常に学び、改善しつづけることを誓います。
私たちの50%は一生のうちに癌にかかる。
従業員の50%は自分が癌にかかっていることを雇用主に伝えることを恐れている。
このデータに基づき、このプロジェクトでは、50%の円グラフで顔の半分を覆ったビジュアルや、顔が半分に分割されたビジュアルがアイコンとして用いられている。
現在、600以上の企業がこの誓約を行なっている。
その他の部門
残りの
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・プリント&パブリッシング
・ラジオ&オーディオ
・ヘルス&ウェルネス
のグランプリについてはこちらをご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。 この記事が何かのお役に立てば幸いです。