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羊肉がブレイク寸前! 高たんぱく低脂質が健康志向層にマッチ。

牛豚鶏に続く“第4の肉”として羊肉ブームがじわじわと進行中。

財務省の貿易統計によると、羊肉の輸入量は2016年から2018年までは3年連続で右肩上がり。羊肉を扱う東京都内の飲食店数も人気が高まり、店舗数もここ2,3年でグッと増えた印象です。ジンギスカンやラムチョップをはじめ、専門店以外でも、中華・台湾料理の店でも羊肉を扱ったメニューがあり、みなさんも羊肉料理を目にする機会が多くなっているのではないでしょうか。


最近の話題では、ファミリーレストランのサイゼリヤが、2018年12月に新メニュー「アロスティチーニ(ラムの串焼き)」を販売開始。これが若者を中心に爆発的な人気となり、2019年1月末には、一時販売休止となったことがニュースになりました。


羊肉ブームの変遷は諸説ありますが、前回のブームとして記憶に新しいのは、狂牛病(BSE)問題で米国産牛肉の輸入が停止された2004~2006年頃のこと。当時は特にジンギスカンが人気となりましたが、BSE騒動が沈静化した頃には、羊肉ブームに便乗して不慣れな店が増えていたためか、羊肉の特有の臭いや硬さなどがマイナスイメージとなり、ブームは下火となっていきました。

それから15年ほどの年月が経った今、加工技術、チルド技術の著しい進歩により、日本でも臭みがなく柔らかい羊肉が入手しやすくなり、羊肉料理のクオリティは上がり、専門店が多く登場しています。

また、健康志向の高まり、筋トレブームなどから、羊肉が豚や牛など他の肉と比べて脂質が少なく、不飽和脂肪酸を豊富む、低カロリー・高たんぱくな肉とという特徴が支持されているのでしょう。

羊肉の特徴と魅力

肉の呼び方の違いは生後年数の違い
生後1年未満の子羊肉が「ラム」、1年以上2年未満が「ホゲット」、2年以上の羊肉が「マトン」と呼ばれます。
ラムは肉質が柔らかくクセも少ないので、羊肉特有のにおいがに気なる人でも食べやすく、羊肉の中でも流通量の多くなっています。
ホゲット、マトンと羊の年齢が上がっていくごとに羊肉特有のクセが強くでます。

健康効果が期待できる栄養が豊富
◎良質なカルチニンは豚肉の5倍。
脂肪を燃焼させる働きがあるビタミン様物質「カルチニン」。肉類全般にカルニチンは多く含まれているのですが、特に羊肉には豊富です。gあたりの含有量でみると、ラム肉なら豚肉の2倍、マトンなら5倍も含まれています。ダイエット効果が期待できる肉としても注目されています。

【100gあたりのカルニチン含有量比較】
・鶏肉       4.55~9.10 mg
・豚肉       35mg
・牛肉(ヒレ肉)  59.8 mg
・ラム/仔羊肉   80mg
・マトン/羊肉    208.9 mg

◎鉄分は牛肉・豚肉の2倍以上。
羊肉は吸収性にすぐれたヘム鉄を豊富に含んでいます。鉄分は貧血予防の効果が良く知られていますが、近年は体力増強の効果も注目されています。

【100gあたりのカルニチン含有量比較 ※もも肉脂身つき】
・ラム肉    2mg
・豚肉     0.7mg
・牛肉     1mg

◎亜鉛が豊富に含まれる
不足すると味覚異常を起こすことでも良く知られている「亜鉛」は、細胞の新陳代謝を高めるために必要なミネラルです。最近は、アミノ酸と共に髪や肌の健康維持に役立つとされていて、美容的な注目度も高まっています。



令和の羊肉ブームの要因は?

羊肉の愛好家団体「羊齧(ひつじかじり)協会」の代表・菊池一弘氏によると、羊肉が近年盛り上がっている要因は大きく2つあるとのこと。
一つは、来日する外国人の増加。羊肉は世界中で、宗教に関わらず食べられます。グローバルな視点で飲食店を経営する人たちがインド料理店やトルコ料理店といった他国料理のお店を出店し、日本人が羊肉に触れる機会が増えたということ。
もう一つは、前回のジンギスカンブームに触れた人たちが戻ってきたこと。今はチルドや冷凍の技術が向上し、輸入品でもおいしさが保たれるため、たまたま飲食店で羊肉料理を食べて「今の羊肉はおいしい」と気付く人たちが増えたこと。

さらに筆者の感覚としても、ここ1年くらいはメディアで羊肉ブームを取り上げるものが急増しているので、流行に敏感な女性たちなどに情報が伝わり、ブームが加速していると感じられます。



「羊齧協会」とは
羊肉好きが集まる非営利団体で、羊肉のおいしさを広めるために普及活動を行う。口コミやSNSで会員数が増え、現在会員数は約1700人。主な活動内容は、月に1~2回される「羊肉を食べる会」、年1回の羊の祭典「羊フェスタ」、ホームページやメディアを通じて羊に関する正しい情報を広めていくこと。



羊肉は日本人にとってまだ日常的とはいえない食材です。飲食店の羊肉料理は質が上がってきているので、ここからより一層の盛り上がりを実現するためには、家庭の食卓への普及もカギとなってきます。
マニアと新しもの好きの方々だけでなく、広く一般の消費者も手軽羊肉を食べられるようなレシピ情報などのプロモーションに可能性がありそうです。


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