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2021年に「AIと機械学習の給料が下降した」

IEEE Spectrumに「AIと機械学習の給料が下降した」という記事があった。2020年まではAI、自然言語処理、機械学習関連の給料は上昇していたのが、2021年に大幅に下がっている。

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画像はIEEE Spectrumから引用

「コロナのせいでしょ」と言いたいところだが、そうではないのだ。2021年のアメリカの平均給料は7%上昇しているからだ。

記事によると、AI関連の技術者の裾野が広がってきて人材確保が以前より容易になったのが理由らしい。新しい技術が出始めた頃は給料は高く、そこへ飛び込んでくる人流が増えてやがて需要と供給のバランスが取れて給料も下降する。よくある話だが、本当にそれだけなのだろうか、ちょっと疑問だ。

同記事によるとデータベース管理者、データアナリスト、Web Developer、UX/UIデザイナー、サポートエンジニアなどの給料は上昇している。これらの職種はインターネットが普及してからずっとあるが、まだ需要が上回っているということだろう。つまり、たくさんのビジネスに必要とされているのだ。それに対してAIや自然言語処理は実際のビジネスでどれだけ活用されているのだろうか。将来性があるものの、まだまだ未開拓な分野なので活用例が少ないのが現状だろう。

もちろん、GoogleやFacebookはAIを多用している。しかし、ウェッブ技術が一般のビジネスで使われるのに比べて機械学習はそれほど普及はしていない印象を受ける。AIに夢を見て参画した多くのエンジニアは「人工知能」を宣伝文句で歌うだけの現場に失望したケースもたくさんあると思われる。まだ、時期尚早なのか。それとも今から始めないと置いてけぼりにされるのか。迷う人も多いだろう。

やがてAIがより一般化しサービスとしてAPIを使うだけの立場になる人が大多数になると予想はできる。優秀な研究者はより専門化して実験をするだろうし、エンジニアは環境づくりやデプロイ・運用側に回ることになるだろう。そうすると、AIエンジニアと言ってもやっていることは他のエンジニアとあまり変化がない。なら、これまで通りのプログラミング力だけあれば十分ではないか?

もっと言うと、プログラミングでさえ、やがてはほとんど自動化される可能性もあるわけで、エンジニアとして生き残るのも大変だ。だったら、中途半端にAIエンジニアであり続けようとするのは懸命な選択なのだろうか。

結局、根っから好きな人だけが気にもせずに一生懸命勉強して生き残る気がする。テクノロジーは常に進化するのだから、どんどん新しいことに波乗りしていけば良いではないか。もちろん、簡単ではないし、だからこそ優秀な人材は重宝される。要するにプロとしてやっていく覚悟があるかどうかだ。

機械学習を正しく理解し適用する人材は必要であり続けるし、そういった経験や知識を伝え教育できる人材はとても重要だ。シンギュラリティが来ない限り人間がプログラミングしなくてはならないことは無くならないだろう。プログラミング言語がより高度になり、自動化が進めば、取り扱う問題がより複雑になるだけの事だ。初期のインターネットと現在を比べるとそれがよくわかる。初期の頃は、ショッピングなんて出来なかったし、電話線を使ったダイアルアップで接続してメールを送れれば大万歳の世界だったのだのだから。あの頃から進化していない自分だったら、それこそ恐ろしい。やはり、学び続けることが大切だ。

いずれにせよ、僕にとってAIもプログラミングも趣味なので、学びをやめることはない。


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