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エッセイが書籍化されて、もっともっと良いものを創りたいと思った。

3月5日発売のポプラ文庫『夜更けのおつまみ』に、わたしの書いたエッセイ「葱のにゅうめん」が収録されています。ポプラ社さんとキリンビールさんがコラボしたnote上のコンテストで賞をいただいたことがきっかけです。お世話になったすべてのみなさま、本当にありがとうございました。

ポプラ社一般書通信さんより:【#夜更けのおつまみ】書籍になりました!
キリンビール公式noteさんより:『夜更けのおつまみ』文庫本の発売に寄せて

31名の人気クリエイターのおいしい文章が一挙に読める、とても贅沢なエッセイ集です。ぜひ、ご自身のペースで楽しくつまんでください。

書籍化されるまで・されてから感じたことをつらつらと書いていきます。

たくさんの人とおつまみに出会えた

コンテストの期間中、「#夜更けのおつまみ」タグを検索するたびにお腹がすく現象が起こっていました。一人ひとりの思い出深いおつまみ、愛するおつまみ。各人の人生に思いを馳せながら読むと、じわじわと心が熱を帯びたり、胸が高鳴ったりしました。

キリンビール賞を受賞したマリナ油森さん、ポプラ社賞を受賞した小中ぽこ(ぽこねん)さんとキリンビール&コストコのパスタで楽しく乾杯する機会がありました。「夜更けのおつまみ」コンテストだからこそ実現した会だと思います。

発売前日〜当日にかけて各種SNSで告知したところ、想像以上の反響がありました。TwitterやLINEなどであたたかいメッセージをいただくとともに、「予約したよ!」「買ったよ!」と写真を撮って伝えてくださる方もたくさんいらして、本当にうれしかったです。ありがとうございます。久しぶりにプライベートのSNSを更新したら、高校時代の担任の先生からもコメントがきました。

「夜更けのおつまみ」をきっかけに、たくさんの人と交流したり、おいしい食べ物に出会えたり。こんなに楽しいことは、そうそうありません。

文章を書いていることに自信が持てた

これまで、文章を書いていることをプライベートの知り合いに大々的に報告したことはありませんでした。「作家になりたい」と言って最初の職場を辞めたのに、プロの作家にはなっていない。その現状に引け目があったからです。

けれどそろそろ、気にしなくてもいいんじゃないかな、と思えました。「夜更けのおつまみ」という文庫本に、すばらしい作品群と一緒に収録していただけた。その事実にちゃんと胸を張って、報告しようと思いました。

そして、より多くの人に本を手にとってもらいたい。普段エッセイを読まない人にも本を広めたい。そう思いました。「夜更けのおつまみ」があまりにも魅力的な作品だったからです。文字を追うだけで、食べて呑める。しかも何回も。こんな本、めったにないですよね。

WEBと本に、上下があるとは思いません。わたしは普段、誇りをもってWEBのお仕事をしていますし、noteというプラットフォームを通じて数々の作品に心を揺さぶられるとともに、創作を愛する人々と心を通わせてきたことを幸せに思っています。過去にいただいた賞も、その一つひとつが糧となっています。

それでもやっぱり、手触りのある紙の本に収録されるのは特別でした。noteを利用していない人やインターネットを使えないわたしの母など、より多くの人の手元に作品が届く。指先でページをめくり、文字を追ってもらえる。そんな心踊る体験とともに、わたしは文章を書いているんだよ、とだれにでも堂々と言えるきっかけを与えていただけたことに深く感謝しています。

プロの世界を覗けた

書籍化にあたっては、ポプラ社さんに訪問して書籍に収録される原稿の案をいただいたり、今後の流れについてお話を伺ったりしました。書籍がどんなふうにできていくのか、その世界を覗けたことはとても貴重な経験になりました。

実は、編集者の方や校閲担当の方からいくつか修正の提案を受け、note上の原文とは変わっているところがあります。

まず大きなちがいは、改行が減っていること。WEB上では意識的に数行単位で改行していましたが、そのままだと書籍のなかでは浮いてしまうので減らしています。

内容も少しだけ変わっています。文脈がわかりにくい部分をおぎなうために一文追加したり、表現を変えたりしています。その他、使用する漢字や表記など、細かい変更もいくつかあります。

文章のプロの方に校正・推敲いただく機会はめったにないので非常に新鮮でしたし、勉強になりました。もしご興味があれば、note上の原文と書籍上の文章を読み比べてみてください。

これからの原動力になった

受賞・書籍化は、ずっしりと心にのこる、うれしい事件でした。でも、わたしの日常は変わらず続いていきます。突然、今よりも良い文章が書けるようになるわけではありません。これを機に作家デビューしてガラッと生活が変わるなんてことはありません。創り続けるしかありません。

「夜更けのおつまみ」には、人気クリエイターの方々のおいしい文章がずらりと並びます。同じ本に収録していただけたことによってますます、「この面々に近づきたい」「もっともっと良いものを創りたい」という気持ちが強くなりました。

今回の受賞・書籍化をひとつのエネルギーとして、見たもの、聴いたもの、触れたもの、人との会話、あらゆるものを掬い上げながら、おいしいお菓子とおつまみをつまみながら、これからも自分自身のことばで言葉を綴り、愛する人々や世界を丁寧に描いていきたいです。


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