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「上品」は作れるか?

上品な人に憧れる。
品があって、気高く、他の人とは何かが違う。そんな人たち。あぁ、あの違いはどこから出てくるのだろうか。今日は私の過去の、とある経験から出た結論をシェアしたい。レッツ上品。なろう上品。


上品はどうやって作るか?たとえば

・美しい言葉遣い
・正しい姿勢
・他者への思いやり
・さりげない気遣い


こういうことではない。当たり前の心構えだ。
もっと具体的なことをシェアしたい。


では、上品はどうやって作るか?
結論は、




「ゆっくり動く」




…。
これだ。これ以上でもこれ以下でもない。
上品な人は、なんかゆっくりなのだ。
それを体感したエピソードがある。

今から6年ほど前、札幌市内のある企業の社長との商談機会があった。上場企業である。一代で巨大な会社を作った社長だ。あまりに有名な人だったから、当時20代の私は内心ビビっていた。「うわー、大物だ。〇〇社長が今、目の前にいる。何を話せばいいのやら。参っちゃうなぁ」と狼狽えていた。

この社長と会って話している間、
あるシーンで驚くことがあった。



コーヒーを飲む時だ。

席についてしばらくすると、女性がコーヒーを運んできてくれた。コーヒーが乗ったお皿の上にはガムシロップが置いてある。

皆さんは商談の席でコーヒーが運ばれてきた時どうするだろうか?

・ガムシロップは入れるだろうか?
・スプーンでかき混ぜるだろうか?

ガムシロップを入れない人もいるだろうし、逆にシロップを入れて、かき混ぜる人もいるだろう。

その社長はどうしたか?

まず、ガムシロップを入れたのである。

「あ、入れるんだ」と思った。
そう思いながら会話した。

そしてスプーンでゆっくり混ぜ始めた。
一回転、二回転、三回転…四回転…

「ずいぶん混ぜるなぁ、まだ混ぜるんだ」
と思った。
そう思いながら会話した。

その所作を見ていて、上品だなぁと思った。一連の所作が極めてゆっくりだったから。余裕を感じさせる。会話もゆったりしている。

なんだろうあの感じ。多分、もしも札幌上空に隕石が降ってきても、同じペースでコーヒーを混ぜ続けるんじゃないか?と思わせる何かがある。

話しながら当時の私は「なるほど、ゆっくり動くと余裕を感じるし、上品に見えるんだな」そして「この社長はおそらく意識してやっている。意識してゆっくり動いているに違いない。よし」
真似しようと思った。

だからそれ以降、ゆっくり動く、ゆっくり話す、焦りそうな時もあえてゆっくり動く。絶対に焦らない。ゆっくりするようにした。20代のころだ。電話をかける時も、ゆっくり話す。書類を取り出す時もゆっくり取り出す。

そうすると今、仕事をしていてお客さんからなんと言われるか?

「〇〇さんは、上品な人ですね」

こう言われるのだ。
自尊心が保たれる。あー上品だと思われたいんだなぁ、卑しいなぁ、とも思う。本当は上品でもなんでもない。

ゆっくりだ。ゆっくりが上品を作る。
とにかくゆっくり話して、ゆっくり動こう。
そうすれば上品は作れる。

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