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探究紹介

三年 井上 珠希

 My探究の事例として、私の友人が2020年度に行った探究を紹介します。彼女のプロジェクトは、「集英社へ行こう」というものです。まず、このプロジェクトを起こしたきっかけは、電子漫画の普及により、紙漫画が廃れていることに気づいたそうです。この問題について詳しい話を聞き、紙書籍の普及へとつなげるために、彼女は集英社への訪問をMy探究にしました。彼女は、このMy探究を実現させるために、まずは、企画書を先生へ提出することからはじめました。合計15回も書き直し、再提出を行ったそうです。
 
 企画書が通ってから、集英社の方に直接コンタクトを取り、自分たちでほぼ全てのことを行っていました。しかし、昨年度はコロナウイルスの拡大により、集英社での直接の見学は行えなかったそうです。そのため、集英社の方へ、質問を郵送するという形で実現させました。そして、集英社の方からいただいた意見をスライドにまとめ、学期末の発表会で結果を報告しプロジェクトを完結させました。
 
 彼女たちのふりかえりから、このMy探究を通して伸びたコンピテンシー(資質や能力)は、「個人的実行力」と「課題設定」でした。「個人的実行力」では、自分のやりたいことを先生方に企画・プレゼンし、集英社の方にもコンタクトを取るという、普段では行えない貴重な体験を通して、自ら進んで行う力がついたとのことです。また、「課題設定」では、先生方へ企画書を提出する過程で、何がダメなのか、どこを直したら良いのかを、先生からの指摘をもとに考え、書き直すことで身についた力だということです。そして、このMy探究を通した感想を、彼女に聞いてみると、「楽しいことより辛いことの方が多かったけど、やり終わってみると、とても楽しく感じられました。」と言っていました。やりがいや、達成感を強く感じたようです。
 
 このMy探究を行った私の友人は、漫画が好きなので、漫画に関連したMy探究を行いました。他の友人たちも、様々なMy探究を行い、それぞれが好きなこと、気になること、得意なことを伸ばしていく活動を行なっています。学校の通常の授業では、学校から与えられた課題に望むことが多いので、決められたこと以外をすることは、慣れていなかったけど、My探究は楽しいことだったのではないでしょうか。
 
 私も、個人のMy探究として、昨年は本のPOPづくり、今年は絵を描きました。やはり、普段の授業ではなかなか行うことのできない、主体的な活動や、ゼロから考え自分だけの探究を進めていくことができるという点が、この学習の特長だと思いました。誰かに流されることなく、自分が考えたことを実行できる体験は、学校生活の中ではなかなかできないと思うので、貴重な体験ができたと思います。新しい企画を考えつくり出した経験をこれからも活かし、さらに、この力を伸ばしたいと思いました。

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