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企業分析 | コナミホールディングス

本日は、「ウイニングイレブン」や「遊戯王」で有名なKONAMI(コナミ)を分析していきたいと思います。

企業概要

設立:1973年
所在地:東京都中央区銀座
資本金:473億円
連結子会社数:22社
連結従業員数:10454名

<事業内容>
・デジタルエンターテイメント事業
・アミューズメント事業
・ゲーミング&システミ事業
・スポーツ事業

東証一部上場

4P分析

今回はデジタルエンタエンタテイメント事業を取り上げていきます。

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Product(プロダクト:製品)
創業当初のアーケードゲーム(業務用ゲーム機)の製造販売から始まり、1980年代には家庭用ゲームの制作を開始。最近はスマートフォンやタブレットの普及に伴い、モバイル端末に向けて、モバイルゲームの制作・配信もおこなっています。

サッカーゲームの「ウイニングイレブン」、野球ゲームの「パワプロ」、カードゲームの「遊戯王」は有名コンテンツですね。
また、米国やアジアなどを中心に盛り上がりを見せている「eスポーツ」分野において、KONAMIは2001年から「ウイニングイレブン」シリーズ、2003年から『遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』の世界選手権を、2016年から「実況パワフルプロ野球」シリーズの日本選手権を開催しています。

ちなみに、「遊戯王デュエルモンスターズ」シリーズのカードの種類は10,000種を超えているとのことです。(参考程度にポケモンは1000匹弱とのこと)すごい。

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Price(プライス:価格)
家庭用ゲームは3000円~7000円。
モバイルゲームは無料でプレイできるものもあり、課金プレイも可能。
カードゲームは1パック300円 といったところでしょうか。

Place(プレイス:流通)
最近ではアマゾンなどのネットショップで購入している方が多いのではないでしょうか。モバイルゲームは各ストア内でダウンロードする形になります。

Promotion(プロモーション:販売促進)
eスポーツは米国やアジアなどを中心に盛り上がりを見せており、大きなビジネスになっています。KONAMIは、2018年に一般社団法人日本野球機構(NPB)と共同で「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018」、2019年に公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と共同で「eJリーグ ウイニングイレブン 2019シーズン」を開催しています。
また、最新の演出・配信設備を完備した次世代のホール「esports 銀座 studio」を開設し、eスポーツに関する人材を育成するスクールや、eスポーツに関連する商品を販売するショップなども計画しているとのことです。

デジタルエンタテイメント事業

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PEST分析

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Politics/Political(政治面)
働き方改革によって余暇時間が増えることが今後予測されます。
大和証券の調査では、労働時間が1%削減されると、大半の余暇時間は 増加すると算出しています。働き方改革で今後労働時間が短縮されていくと、その時間を「ゲーム」に費やす人もますます増えていくのではないでしょうか。

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(大和総研調査季報)

盛り上がりを見せる「eスポーツ」においては、景品表示法下での大会における高額賞金提供に関する課題が上がっています。
「課金額がユーザーの強さに影響しない無料タイトル」については、賞金制大会を開催し賞金を提供することについて、景品表示法上の金額の上限規制を受けないことが確認されていましたが、それ以外の「パッケージソフトが有料で販売されているタイトル」については、景品表示法上の規制を受け、大会賞金の最高額が10万円に限られるのではないかとの懸念が指摘されています。
景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを規制するものなので、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限しています。

※詳しくは以下をご確認ください
eスポーツに関する法的課題への取組み状況のご報告

Economy/Economical(経済面)
世界ゲームコンテンツ市場は、家庭用パッケージ市場が1兆円、デジタル配信市場12兆円で合計13兆円に上ります。国内ゲーム市場も年々拡大しており、その中でも約7割がゲームアプリが占め、1兆1600億円。家庭用ゲーム機市場は減少傾向にあります。スマートフォンの普及に伴い、ハードの購入ではなくスマホやPCでできるソフトの方が盛り上がってきています。

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(ファミ通ゲーム白書2019)

世界のe-Sports市場は2018年の市場規模は約934億円と推定され、2020年には3300億円になると見込まれています。(リアルスポーツの市場規模として近いのはゴルフとのこと)

Society/Social/Cultural(社会/文化/ライフスタイル面)
中国ではゲームのしすぎが日常に支障をきたす「ゲーム障害」の社会問題化されているそうです。ゲーム障害は、ゲームに熱中し、利用時間などを自分でコントロールできなくなり、日常生活に支障が出る病気のことで、WHO(世界保健機関)では2019年5月に国際疾病分類に加えました。

「ゲームはやめましょう」という動きになるとは考えづらいですが、ゲームの性能が上がることによる、ゲームへの没頭はいつか大きな社会課題になるかもしれないですね。

Technology/Technological(技術面)
スマートデバイスの普及に伴って、モバイルゲームが普及しています。スマートフォンゲームもUIUIXのクオリティが上がっており、スマートフォンでも十分に楽しめるコンテンツが増えてきています。
また、ポケモンGOやドラクエウォークなど、AR技術を活用したゲームコンテンツもヒットしており、今後もARやVRなど新しいテクノロジーを活用したゲームコンテンツが盛り上がっていきそうです。

3C分析

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ハード市場では、任天堂が販売するNintendo Switchが348.2万台を販売して年間販売台数のトップとなりました。WiiやSwitchなど任天堂はゲーム市場にイノベーションを起こし続けています。
また、IT企業のMicrosoftやGoogleがクラウドゲーム市場に参入しました。クラウドゲームはコンピュータゲームをストリーミング配信するサービスのことで、Googleが運営するクラウドゲームサービスのStadiaにおいては、2020年内に120本以上のゲーム提供を目指すことを明らかにしています。

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(ファミ通白書2019)

ゲーム業界は、スマホゲームアプリやクラウドのゲームが伸びてきており、ハードからソフトの時代へ突入しています。今後も、国内市場だけではなく、グローバル向けにコンテンツ(ソフト)を展開していく必要があります。またARやVRのハードを活用したコンテンツ展開も視野に入れる必要があり、eスポーツも含め、KONAMIは世界で通用するスポーツゲームとカードゲームの世界展開を進めていくことが今後の重要テーマとなりそうです。

SWOT分析

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強み(Strength)
世界共通のコンテンツである「スポーツ」のゲームがあることはKONAMIの強みと言えるでしょう。eスポーツの盛り上がりを考え、スポーツコンテンツを活かした世界展開をさらに強化していくことに期待です。

弱み(Weakness)
ゲーム業界は、ハードからソフトの時代へ突入していますが、競合と比較するとプラットフォームを持っていないことは弱みと考えることができます。ただこれからハードやプラットフォームを強化していくことは考えづらいので、現状のコンテンツを活かしたファンコミュニティの強化に期待です。

機会(Opportunity)
eスポーツやモバイルゲームを中心とした世界ゲームコンテンツ市場の盛り上がりは絶好の機会となりそうです。また働き方改革による余暇時間の増加やコト消費などのトレンドはゲーム市場の盛り上げを後押しすると考えられます。

脅威(Threat)
MicrosoftやGoogleなどのIT企業のクラウドゲームの参入は脅威と言えそうです。様々なプラットフォーマーと共創していく必要がありそうです。
また、ネットフリックスやアマゾンプライムなど余暇時間を埋めるコンテンツも競合と捉えることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今後のゲーム市場は「グローバル化」が重要なテーマとなりそうです。その中でもスマートフォンアプリやクラウドゲームなどのソフトの提供、コンテンツの提供が重要になってくると考えられます。KONAMIは世界共通の「サッカー」や「野球」のコンテンツをもっており、そのコンテンツを軸に世界展開していくことでしょう。

余談ですが、先日日曜日に公園を散歩していたら、皆さんスマホに夢中。
何をしているか、分かりますでしょうか?

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そうです、ポケモンGOです。

それにしても、ポケモンGOをやりに家族で公園に来たり、
見知らぬ人とポケモンGOの会話をしたり、

「ゲーム」は人生を豊かにしますね!

それではまた。

<参考>
https://img.konami.com/ir/ja/ir-data/statements/2019/ja1031_s4uja5.pdf
https://www.dir.co.jp/report/research/policy-analysis/human-society/20170901_012252.pdf
https://mid-works.com/columns/freelance-career/engineers/1074354
https://www.konami.com/corporate/ja/business/digitalentertainment.html
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/#introduction
https://jesu.or.jp/contents/news/news_0912/







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