初午
2X21年、日本に地球外生命体が飛来して久しい。
すらりとした体躯に、狐のように釣りあがった細い両眼。突然やってきた彼らは、高い知能と未知の奇術を有していた。
地域の適度な監視拠点として、彼らは各地の神社をサーバーとして陣取り、そこから雲(クラウド)へ接続している。彼らがこの国を統治して以来、僕たち日本人は下等生物として、馬車馬の如く働かされていた。
ハツウマの日。
僕たちは、儀式の様に神社へ向かい、御神木である杉の枝を手折る。その枝が健在の間、僕らは休むことが出来るのだ。
さあ、願いを込めて、験(しるし)の杉。
初午(はつうま)
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ぐう、25日目にして題材が今までで一番難しかった…。その分、「初午」と「験の杉」については、調べれば調べるほど諸説色々と興味深く、もうちょっと長編にすれば面白そうなテーマであるかも。参考として。
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