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人口1200人の村に世界から1200人を集めた世界大会は素晴らしいものだった。



RHC(ラグビーヘリテージカップ)って?

先日、フランスのポンルヴォアという小さな村で行われた、
「Rugby Heritage Cup 2023」(以下RHC)
1200人の小さな村に集まったのは、世界20カ国、500人の選手たち。

その大会に日本チーム「JAPAN SEVENS RUGBY ACADEMY」に
サポートスタッフとして帯同しました。

日本ラグビー協会のHP「大会レポート」を毎日担当しましたので、
毎日の様子はぜひこちらをご覧ください!

1週間に渡って行われたこの大会への地元ボランティアは700人。
大会は以下の3つの種目で総合優勝を決めます。

①ラグビーセブンス
7人制ラグビーの試合ですが、少し通常のルールと違っていました。
安全性を一番に考慮されているので、同時のダブルタックル禁止、タックルは腰より下というような特別ルールもありました。

ラグビーセブンスはしっかりガチガチで

②ラグビーシェフ
チームでその国の伝統料理を作ります。プロのシェフが盛り付けや味を評価して競い合います。

盛り付けまでしっかりと

③ラグビーショート
ラグビーのコアバリュー「品位、尊重、規律、結束、情熱」のどれかに沿った45秒の動画を構成、撮影から編集まで全て選手たちが力を合わせて作成します。

支給される機材を使って自分たちで撮影

それぞれの順位を全て合わせて、総合優勝が決定するという大会でした。
でも実際には、この3つ以外にも
◼️近隣の有名なお城などの見学
◼️香水作り体験
◼️コーラづくり体験
◼️綱引き対決
◼️YouTube生配信番組
◼️ブレザーを着て昔のフランス紳士になりきり体験
◼️みんなで大会テーマに合わせてダンス
◼️それぞれのチームが用意したダンス発表
◼️パンづくり体験
◼️車いすラグビー体験
◼️会場内のバトミントンなどのアクティビティ
◼️ラグビーゴルフ大会
◼️ピクニックランチ

など、第一回の大会とは思えない、
「これいいんじゃない?」と会議で出た案を全て盛り込んだ内容となってました。

これらを、1週間に渡って次から次へ行っていく。
これがRHCでした。

神ボランティアは「ラグビーを知らない人」たち

開会パレードを盛り上げる学生ボランティア

今回この大会の運営にあたって参加したボランティアの数は700名以上。
(色んな数字聞いたから前後するかも笑)

年齢は高校生からおじいちゃんおばあちゃんまで、幅広。
聞くところによると、ほとんどが
「ラグビーを知らない人たち」だそう。
このみんなは、
「ただこの街に世界から集まってきてくれて嬉しいからお手伝いするわ🎵」
という優しすぎるマインドでボランティアをしてくれていると

各チームの練習グッズも学生さんが管理、受け渡す

だってその内容は、
・各チームの帯同、連絡役
・練習グッズの管理
・毎日のおやつタイムのスナック配達
・食事の配膳、片付け
・アクティビティの誘導
・アクティビティの準備と片付け
・バスの誘導
・会場内をひたすら掃除
・カフェやバーの運営
・セキュリティの門番

会場内のゴミをひたすた拾う神様ボランティア

…書ききれない!黄色やオレンジの服を着たボランティアの方々が
毎日会場内を奔走している。

彼らはいつも、
★忙しそうなのに、目が合うと笑顔で「ボンジュール!」と言ってくれる。
★人がいないアクティビティは自ら入って盛り上げる
★指示を待たずに自分から仕事を探している
★セキュリティなど難しい仕事もしっかりはっきり注意して仕事をする
★小さなことでも丁寧に対応してくれる

(私は一回フランスサポーターの方がとってくれた写真を送ってもらうのに、WhatsAppがうまく機能せず。「サムスンからiPhoneに写真を送る方法」をインフォメーションに聞いた。ここアップルストアちゃうぞ。とも言わずに丁寧に教えてくれた泣)

なんでこんなに心が綺麗なの?!
文句とか言いたくならない?!
話聞こか?!
…と心配になるくらいの神対応。

彼らの温かさに何度も救われました。

ラグビーが上手くても勝てない大会であること

今大会は、ラグビーを軸にした大会ではあるものの、様々な体験を通して他国の選手と交流、また難しい課題に対して自分たちがどのように考え行動し、チームとして戦うかが試される大会でした。

ラグビーが上手でも勝てない。

試合での円陣

チームワーク、忍耐力、判断力、コミュニケーション能力、
総じての人間力があってグランプリとなるものでした。

いかにスポーツが人間形成に大きく影響するかというのを感じました。
参加した中学生にとっては、たった10日間の旅だったのですが、
初日の彼女たちの表情と最終日のそれは全く違うものになっていて。

折り紙をフランスチームに教える様子

「英語を話すのが怖くなくなりました!」
「なんて言ってるかわかってきました!」
「日本でもっと英語を頑張ります!」
「日本って綺麗なんだなと思いました!」
「仲良くなった子にブレスレットもらいました。」
「また来たいです!」
など。

ラグビーの試合に勝つよりも、
タックルが上手くなるよりも、
かけがえのない経験と成長をして帰ってきました。

14歳、15歳でこの経験をしたことが、
将来にどう繋がるんだろうと楽しみです。

ほんの少しの人だけが、アイデアを現実にできる。という言葉

このRHCは今回が第一回目の大会でした。

開催のきっかけは、2019年に一人の男性が思い立って
友人に「こういう大会してみない?」と提案したところから。

そこから、スポンサーを集め、場所、仲間を募ったそう。
世界のチームを呼ぶのに、ほぼワールドラグビーの協力を借りず、
ツテを辿って声をかけ集めたとのことでした。

開会式の中でこんな言葉がありました。
「たくさんの人が良いアイデアを持っています。
その中で少しの人が素晴らしいアイデアを持っていて、
さらにその中のほんの少しの人だけが、
そのアイデアを現実にすることができます。
それがこのRHCなのです。」

みんな朝からノリノリでアクティビティに参加

まさに。
現実味のない人数、場所、内容のこの大会を
諦めるのは簡単だけど、それを現実のものにする。
そこには、運営の方々の想像できないほどの努力と、協力する方々の温かさと。子どのたちへの期待と希望、夢に溢れた空間がありました。

とにかくこの感情を文章に書ききれない自分の語彙力のなさが悔しい…
でも私にとってもこの大会の、それも第一回に参加できたことは
本当に貴重な体験でした。
また、この大会で中学生から学んだことも書きます!

それでは!






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