見出し画像

「編集」とは何か?-学者/編集者/作家 3視点での考察-

こんにちは。Kid.iAです。

ふと気がつけば、今年も残りわずかとなりました。

同時に、前回投稿から半年も過ぎていたことに気づきました。

書きたいことはボンヤリと頭に浮かんではいたものの、ある程度のカタチまでまとめるのに大分時間がかかりました。

その間、書籍を読んでインスピレーションを受けたり、知人から貴重な意見を頂いたり、その分野の専門家の方にインタビューを行ったりしながら、少しずつではありますが思考を進めていきました。

毎回情報を軸に問いを立て、考えたことを書いている本note「Toi Box」ですが、今回から【計4回】に分けて「編集」というものをテーマに書いていきたいと思います。

序章となる今回は以下のような構成です。

1. 「編集」をテーマにした背景

noteのプロフィール欄にも書いていることなのですが、私自身「見習い情報建築家」と自称した上で、将来一人前の「理解のデザイナー」になりたいと日々妄想しています。

そうした中で、情報建築家が生む価値の一つにある「理解を促したり、複雑なものを明快にしたりすること」って、どこか「編集」という言葉のイメージに似ているなと常々感じていました。

それゆえ「編集」という言葉に強く興味・関心を持つようになり、言葉そのものの意味を調べたり、「編集」を生業としている方々、例えば編集者という職業やその役割についても調べたりしていました。

「情報」というものを扱う上で「編集」というものはどこか切っても切れない関係にある、ずっと以前からそんな風に感じていたため、いつかは自分のnoteで取り扱いたいと考えていたテーマだったのです。

2. 「編集」という言葉の意味

編集という言葉の意味をネットで調べてみると以下のように書かれています。

【 編集 
諸種の材料を集め、取捨選択、構成、配置、関連づけ、調整などの作業を行い、一定の方針に従ってまとめあげること。

これだけでもなんとなくではありますが理解できる内容です。私も含めて、皆が持つ「編集」という言葉の世間一般的なイメージと言えそうです。

一方で、やはり辞書に書かれているような意味・内容だけでは、「編集」という言葉が持つ奥深さ、魅力、価値みたいなものを理解できないのではと思いました。

そして、もっと多面的に、かつ自らも楽しみながら「編集」というものを理解するためにはどうすればいいのかを考えた結果、辿り着いたのが実際に「編集」することを通して世の中で活躍している人(かつ私が心から尊敬する人)の活動や言動などから学ぶことでした。

3. 三つの視点で「編集」をみる

そこで、「編集」を深く理解していく上で私なりに考えた「切り口」が以下の3つです。

1. 「学者」の視点
2. 「編集者」の視点
3. 「作家/クリエイター」の視点

次回の投稿以降「編集・三部作シリーズ」として一つひとつにフォーカスして書いていく予定ですが、今回の投稿ではそれぞれ「誰の」視点を参考にしていくのかを少し説明できたらと思います。

まず、一つ目が「編集」というものを学問として捉え研究する「学者」という視点です。

画像1

この視点において私がフォーカスした人物は、ご自身が「生涯一編集者」をモットーとする編集者でありながら、学問としての「編集工学」を提唱しそれを学ぶ学校も立ち上げ、また業界を問わず各種プロデュース等で幅広く活躍をされている松岡正剛氏です。

リチャード・ソウル・ワ―マンの名著「Information Anxiety(邦題:情報選択の時代)」を読んだ際、訳者をされていたのが松岡さんだったこともあり存在を知るようになったのですが、改めて松岡さんの著書も読んでみると「編集」に対するその考え方に個人的に共感する点がいくつもありました。

第一弾(次回投稿)では、そうした松岡さんの視点を軸に、ラグビー界のレジェンド平尾誠二氏との共著を通したやり取りや、私Kid.iA独自にスポーツ、幼児教育などの要素も絡ませつつ、「編集」をより深堀していきたいと思います。

そして二つ目が、「編集」というものを職として持ち、書籍・雑誌・漫画などの内容を企画、アウトプットしていく「編集者」という視点です。

画像2

この視点において私がフォーカスした人物は二人います。

一人目があの「ジブリ」のプロデューサーでありながら、40年にわたり日本におけるアニメーション情報媒体として価値を提供し続けている古参アニメ雑誌「アニメージュ」の編集長も務められた鈴木敏夫氏です。

そして二人目が、漫画家・鳥山明氏と共に「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」を世に生み出し、日本一の漫画週刊誌の黄金期を支えた「週刊少年ジャンプ」の編集長を務められた鳥嶋和彦氏です。

第二弾では、この偉大な編集者二人がそれぞれ過去にメディアで語ったインタビュー記事(*対談ではない)などを参考に、彼ら二人に見える共通点をまとめたりしながら、編集者の視点で「編集」を更に深堀していきたいと思います。

最後三つ目が、編集者と共に協力しながら、コンテンツそのものを生み出す立場となる「作家/クリエイター」という視点です。

画像3

この視点において私がフォーカスした人物は、(私の過去noteを読んだことがある方ならわかるかもしれませんが)個人的に大ファンの絵本作家である五味太郎氏です。

理由としては、二つ目の視点である「編集者」を思い浮かべたと同時に、出版という共同作業の中で「編集(者)」を逆の立場から見ることができる「作家/クリエイター」側の考えを理解していくことで、より「編集」というものも理解できるのではないかという考えに至ったことが挙げられます。

これまでの著作はゆうに400冊超え。絵本の代表作には「きんぎょがにげた」や「みんなうんち」などが挙げられ、絵本以外にもエッセイや服飾デザインやプロダクトデザイン等さまざまな分野で活躍する、まさに名実ともに超一流の作家/クリエイターです。

そんな五味さんから見た「理想の編集者像」とはどのようなものなのか、こちらも著作やメディアにおけるインタビュー記事を参考に、作る側と編集する側との仕事における境界線みたいなものにも考えを巡らせつつ、「編集」を更に深堀していきたいと思います。

まとめ

テーマである「編集」というものを、異なる3つの視点(フィルター)で深堀、理解をしていこうというここまでの話を一枚のスライドにまとめると以下のようになります。

画像4

今回、3部作シリーズを始める前の序章として今後の見通しを書きましたが、本日時点でまだ完全にまとめきれておりません・・・汗。

編集」というテーマに興味・関心をお持ちいただけた方がいらっしゃれば嬉しいですし、仮に自分の文章を読んで楽しんで頂ける方が一人だけでもいらっしゃるのであれば、その方のためにがんばってまとめきりたいなと思っています。

もし記事に少しでも共感頂けたなら「スキ」や「フォロー」をしていただけると嬉しいです!

今後の創作の活力になります。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

(追記)以下、シリーズ全編をまとめています。

#編集
#デザイン
#情報
#情報建築家
#ビジネス
#松岡正剛
#鈴木敏夫
#鳥嶋和彦
#五味太郎


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?