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Chat GPTは世界を飲み込むのか

Chat GPTをまだ使ったことがない方はいるかもしれないけれど、その名前はもう誰でも知っているだろう。

Chat GPTに限らず生成AIでネット検索をすることに慣れると、従来のグーグル検索がどうも使いにくく感じるのが不思議だ。あれほどまずは「ググれ」と言われていたのに、あれほど「ググっ」て重宝していたのに、グーグル検索はすでに一時代前のツールになりつつある。

時代はググるからチャットジピるになっているのだ。

こちらが質問した答えを、文章で語り返してくれるのも今までと大きく違う。博学の人に質問をして教えてもらっているような感覚だ。

でも考えてみると、生成AIが返してくる検索の答えは、全てネットにある情報を元にしている。

今は想像もできないくらいのビッグデータがネットの中にあるのは間違いないし、それはどんどん増えているけれど、それが世界の全てかといえば、全くそうではないだろうし、今後ネットの情報が世界をすべて包み込んでしまうのかといえば、そんなこともないだろう。

もちろん、グーグルもアップルもマイクロソフトもメタもアマゾンも、世界中のありとあらゆる情報をネットの中に取り込もうとしているし、それは加速していくのは間違いない。新しい製品やサービスはとても便利だけれど、それを通じて私達の生活の情報の多くがどんどんネットに吸収されていく。

でもだからこそ、これからは、ネットには絶対に入らないであろう情報、そこには取り込まれないであろう出来事が、とても重要になってくるし、私達はそこを大切にする必要があると思うのだ。

たとえば、今この瞬間の自分の気持ちや、眼の前の自然や、人と人との関係や、ふと感じる春の風や、祈りや希望や愛情などだ。

そんなもの、とっくにネットに入っているよとおっしゃる方もいるかもしれない。近い将来こんなものさえも、ネットで検索できるようになるかもしれない。

でも、これだけは絶対にネットの中には取り込まれないというものもあるはずだ。Chat GPTに聞いても、「わかりません」と言われることも、最後になにかが残るはずだ。

日々とても便利な時代になっていくけれど、Chat GPTに世界のすべてを明け渡さないようにすることも、これだけはリアルな自分たちだけの世界に残しておくことを持つことも、とても大切なのではないかと思う。

そして、私達は何を生成IAに明け渡して、何を手元に残すのか。そんなことも、そろそろ考える時が来ているのかもしれない。


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