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英語漬けの十代の留学生たちが日本語での大人との会話のスキルを身につけていくのはなぜなのか?

長期の留学生たちを見ていると、以前からとても不思議なことがある。

十代の中学高校留学生たちが、13歳や15歳で留学を始めたときには、わたしたち現地でサポートする大人と、日本語でしっかりと会話ができる人はあまり多くない。

こちらが何か質問したときには、「はい」とか「いいえ」とか「大丈夫です」とか、そんな単語だけで返事が返ってくることも多い。あるいはたとえば一度に3つ質問をしたときには、その中の一つだけしか返事が返ってこないこともある。

長期の中学高校留学生たちは、毎日毎日英語漬けの生活だ。ステイ先でも、学校でも、友達とも、すべてのところで、英語で聞いて英語で返事をする、そんな生活がずっと続く。だから、おそらく、日本語での会話を学ぶ機会はほとんどないだろうし、日本語で大人と敬語できちんと話す機会も、多くないだろう。

でもそんな留学生たちが、半年経ち1年経ち2年経ってくると、わたしたち周りでサポートする大人と、しっかりと敬語で話ができるようになってくる。こちらが質問をすれば、きちんと自分の考えを日本語で話してくれるようになるし、いくつか質問をしたときでも、それに一つ一つ丁寧に、しかも的確に答えてくれるようになる。

ほとんど英語で生活をしていて、日本語の力を伸ばす機会がないにもかかわらず、彼ら彼女らはなぜ、日本語での大人との会話を身に付けていくのだろうか?

現地でたくさんの留学生たちをサポートして、いろいろと考えてみたけれど、それは実は、日本語という言葉の問題ではなくて、スキルの問題でもなくて、そして知識の問題でもないように思う。

それはもしかすると、周りの人たちに対する、あるいは社会に対する、それぞれの十代の留学生たちの、かまえ、あるいは態度の問題のように思う。

彼らは、たとえ日本語でのスキルや知識を意図的に増やすことはなくても、留学生活を通して、社会の中で、自分はどのように生きているのか、これからどのように生きていくのか、そのためには周りの人たちとどのように関わっていくのか、そんなことを考えて、その結果、社会に対する、あるいは周りの人たちに対する考え方やかまえや態度が変わって、社会や人や自分など、人生にとって基本的に、そして決定的に必要なことを少しずつ理解して、その結果、日本語でさえ、そのスキルや知識を使えるようになっていくのかもしれない。

まず言葉のスキルや知識があるのではなくて、最初に社会に対するかまえや態度があって、それを留学生活の経験から身につけていく。

英語漬けの十代の留学生達が、日本語という部分でもしっかりと成長していくのをみて、そんなことを考えた。

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