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「運転者」喜多川 泰 〝運を転じさせたい人にオススメの本“〈特に営業職の人!〉

 こんにちは、エエメエです(^^)/

 異国に住む親友が最近おススメしてくれた
作家、喜多川 泰さん。

 さっそく本屋さんに行き、直感で「運転手」
という本を選びました。

 この物語かなり面白いです!
どのくらいかと言うと、夢中で半日足らずで読み
切るくらい。w

 人生を好転させたい全ての人、特に営業の人に
読むことをオススメしたい。

 まずタクシーの中での意味深なプロローグがあ
り、本編に入ると一転、完全歩合制の生命保険の
営業職に転職した、しがない中年男性のシビアな
状況がリアルにサクサクと描写されていきます。
 
 50代女、人間観察が趣味の読者(私)としては、
「あ~このタイプは上手くいかないよね~」
っていう感じですぐに物語に惹きこまれました。w
 
 案の定、彼が過去に取り付けた二十件の保険契
約が一気に解約され、会社も辞めざるを得ないくら
いの危機に陥り、その焦りからやることなすこと裏
目裏目に。


◎大まかなあらすじ

 大量の契約解除がされた日、不登校になっている
娘の中学の担任から学校に呼び出されていたため、
出先からタクシーで向かおうとする。

 その時タクシーが現れ、なぜか修一(主人公)の
ことを何でも知っている運転手と出会う。
 その運転手は修一の“運が転ずる場所に連れて行っ
てあげます”と、不思議なことを言ってくる。
 
 最初のうちは不信感から乱暴な言葉で接していた
彼だったが、その運転手が連れて行ってくれる場所
場所で起こる出来事から大いに学ばされていく。
 気がつくと、その運転者のことを信じている自分
がいて、徐々に人生の本質に近づいていくと共に、
本当に運が好転していく。

◎人生が上手くいく秘訣とは...


 主人公修一は転職を何度も繰り返していて、前職
は中古販売会社の営業で現在は保険会社の営業、と
いう設定。

 こう言っては失礼だけど「いそう~!」っていう
人。
 いや、私自身も今までの人生を振り返ると人のこ
とを指差している場合ではないし、妻と娘を養って
いるんだからちゃんとした人なんだけど(汗)

・・・でも何が言いたいかというと、物語の中で
の彼は「今時間がないんだ」が口癖で、
「なんで俺ばっかりこんな目に合うんだ」が思い
癖の、いつも不機嫌な人なのです。
 そして仕事も家庭も、いつもイマイチ上手くい
かない。

  “運を転ずる場所に連れて行ってくれる運転手”
は彼に、人生が上手くいくたった一つの秘訣を繰
り返し伝えてくれます。

そのたった一つの秘訣とは...、
 “上機嫌でいること”。 

「...運が劇的に変わる時、そんな場、というのが人生にはあるんですよ。それを捕まえられるアンテナが全ての人にあると思ってください。
そのアンテナの感度は、上機嫌のときに最大になるんです。逆に機嫌が悪いとアンテナは働かない。最大の運気がやってきているのに、機嫌が悪いだけでアンテナがまったく働かないから、すべての運が逃げていっちゃうんです。昨日のあなたみたいに 」

喜多川 泰 著「運転者」より

◎運は貯めて使えるポイント制

 更に運転手は、運はいい悪いではなく、貯め
て使うもの、
だと修一に教える。

 運を貯める方法としては、
①いつも上機嫌でいること
誰かの幸せのために自分の時間を使うこと

②は、自分の時間を使ったお返しとしてもら
ったものの差が、貯められる運になる。

 例えば、休日に友人の引っ越しを手伝い、
友人がお礼として鰻をご馳走してくれた場合、

・引っ越しの手伝い ー 鰻 = まぁまぁ妥当
なので、貯められる運はほぼゼロ。

・引っ越し手伝い ー 20万円の謝礼=もらい過ぎ
なので、貯められる運はマイナス。

・引っ越しの手伝い ー お礼なし = ボランティア
なので、運が貯まる!

という計算。

そこで修一は反論する。

「いや、そんなことはない。...こき使われたまま、いいことなんて一つもないまま人生を終える。そんな人生だってたくさんあるじゃないか。それでもお前の言うことを信じろって言うのか?」 

「運転者」より

運転手は苦笑いしながら答えます。

「そういう人達も、ほとんどが<上機嫌>でさえいればそれまで貯めた運を一気に使うチャンスがあったはずなんです。...」

「運転者」より

◎運は使わずにとっておくこともできる。大切な人のために...

 “運を転ずる場所に連れて行ってくれる運転手”
を修一の元へ遣わせたのは一体誰なのか?

 修一には先の大戦でサイパン島で戦死した祖
父がいた。
 26歳だった祖父は、過酷な戦地で亡くなる間
際、大好物だった“生まれ故郷の蕎麦”を思い浮か
べていた。
 戦友が「お前も最後にその蕎麦を食べたかった
だろうな」と言うと、
「俺には生まれたばかりの息子がいる。あいつが
食べてくれるからいいんだ。あいつに蕎麦を食わ
せるために俺は明日死んでいくのさ。」と言って
笑い、次の日彼の地で見事に役目を果たして逝っ
た。

そうです。
“運を転ずる場所に連れて行ってくれる運転手”の
出現は、祖父から父、父から修一へと受け継がれ
“運”そのものだったのです。

◎この本を読みながら思い出したエピソード 


 最後に、私はこの本を読んでいるあいだ、
一人の営業の男性の顔を思い浮かべていました。

 それは昨年のお話。
 私達夫婦は空き家になっていた夫の実家に引っ
越す準備をしていました。
 築30年の家は何か所か不具合があり内装リフォ
ーム
を考えていました。跡を継がせる子供もい
ないので、なるべく最低限で済ませようと話し
合っていました。
 特にコネもないので、2か所のリフォーム会社
に飛び込みで見積もりをお願いし、まずは家を
見に来てもらうことになりました。

 一つ目の会社は約束した時間に40分以上遅れ
てきました。前の仕事が長引いたと。
遅れるという連絡は約束の時間を10分ほど過ぎた
後でした。
 やって来たのは会社の代表兼職人さんのよう
な男性と、そこと契約している大手企業の社員。
 時間を守れない致命的な問題を別にしても、
直感的な印象もあまり良くなかったです。

 二つ目の会社は約束の時間の5分ほど前に来
てくれました。現れたのは細見で物腰の柔らか
い30代初めくらいの営業の男性と彼と同世代
の大工の棟梁さん。
 営業の方はこちらの質問や不安な点などにも
丁寧に答えて下さり、話が弾み外壁の塗装、屋
根の漆喰の傷み
にも及びました。
 マスク越しの笑顔には安心感を覚え、彼が帰
る頃には私の中ではここにお願いしたいなと思っ
ていました。w

 連続した2日間で2社に見積もりをお願いし、
どちらも2週間ほどかかると言われました。
 一つ目の会社は2週間経ってもなんの連絡も
なく、3週目が過ぎた頃にこちらから電話をかけ
てお断りしました。

 二つ目の会社からは外壁の正確な見積もりを
出したいのでと連絡があり、すぐに約束をして外
装業者さんを連れてきてくれました。
 その結果、ベランダの床に水が入り込んでぶ
よぶよになっていることも見つけてくれて、そ
こも合わせて見積もりを出してくれることにな
りました。
 そしてちょうど2週間後に全ての見積もりを
持ってきてくれました。

 結局一社からしか見積もりを取っていないの
で、それが安いのか高いのかも分からずじまい
でしたが(爆)、地元では信頼性の高い企業が
母体ということもあり別の会社に見積もりを依
頼することもなくお願いすることに決めました。

 そうです。元々は内装リフォームだけのつも
りが、外壁塗装、屋根の漆喰修理、ベランダの
床の張替えもすることになったのです。
 当初予定していた予算も大幅に越えましたが、
私達夫婦は家が綺麗になることへの期待の方が
膨らみワクワクする日々を過ごすことになりま
した。(勿論現在上機嫌で住んでいます。)

 癒し笑顔の営業の方は、その後工事に入って
からもいつも丁寧かつ頼もしく、最後まで気
持ち良くお任せすることができました。
また機会があればお願いしたいと思います。

 私よりもずっと年の若い人なのに、
「この安定感はなんなんだろう?」
「育ちの良さかな?」って、
羨望の気持ちを抱いた瞬間があったことを思い
出しました。
 私も独身時代は営業でしたから、素晴らしい
営業の人を見ると嬉しい気持ちと同時にライバ
ル心も出てくるんです。w

あ、で、長々と何が言いたかったかと言うと、
運を生かすにはいつも上機嫌でいること、
運はポイント制なので自分が貯めた分もあるし、
自分が生まれる前から貯められていた分もある
っていうのが、まさにそうだな~って思ったと
いうお話でした(^^)

 喜多川 泰さんの「運転者」
情景がありありと浮かぶ文章力の中に織り込ま
れている普遍的な成功哲学、物語の面白さ、伏線
回収、読後感の良さ等々、心からお勧めします!(^^)!

最後までお読み頂きありがとうございました♡

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