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神のはからいー母を手放した私ー

こんにちは。橘吉次たちばなきちじです。
金木星が香る季節になりました。

時に「香り」は、過去を鮮やかに想い出すトリガーになります。
去年の苦しみを愛おしい気持ちで思い出せる「今」を、文章に留めておこうと思います。


認知症になった夜叉


去年の今頃、私を苦しめ悩ます最大の問題は母でした。
昭和13年生まれの母は78歳あたりで認知症を発症したのです。

我が橘家はごく一般的なサラリーマン家庭でしたが、
両親の夫婦仲はよろしくありませんでした。
十数年に渡る壮絶なバトルを繰り広げ、究極の家庭内別居と裁判の末、父と母は離婚しました。
父77歳、母71歳の老年離婚でした。
うっひょー、でしょ?

離婚後、藤沢市内の団地で一人暮らしを始めた母でしたが、
父を憎み、父と見合いをさせた祖父を恨み、自分の不幸を嘆き、
自分の自由を束縛した世間や時代や他人を罵り続けていました。

心の暗部をさらけ出した母は、まさに夜叉のごとし。
もともとが美形だったから、その形相は凄まじかった…。

その夜叉が認知症になった

すると、今度は自分を憎むようになった。
大事なことを忘れてしまう自分
帰る道がわからなくなってしまう自分
生きていても何の意味もない自分
「もう死んでしまいたい!殺してちょうだい!」と母は泣きながら暴れた。

外出もせず、誰ともしゃべらず、
一人部屋にこもって自分を責める時間は、母の認知症を進行させました。
どんどん壊れていく母への思慕と同情
愚かな母への怒りと情けなさで、こちらが潰れてしまう…。

デイサービスに通わせ、毎日ヘルパーをつけ、
毎週末往復3時間をかけて藤沢にいって、母の日常を支えました。
救いは姉がいたこと。
お金の管理、行政手続き、介護施設との対応…全部姉がやってくれた。
でも、母の暗部をまともに食らうと私も姉も疲弊する。
終いには姉との関係も険悪になる。
ホントにつらい日々だったよなぁ…。

ケアマネージャーさんは、施設入所をしきりに勧めました。
姉もそれを希望してたのだろう。

首を縦にふらなかったのは、母…ではない。

私だったのです…。


吉次の「罪とけがれ


母が暮らした団地の近くに、小さな神社があります。
小さくて御由緒はわからないが、恐らく古くからある土地神様でしょう。

善行神社

その頃すでに神職を目指していた私は、毎週祈りをささげました。
母の晩年が穏やかで平安であることを、ひたすら願いました。

同時に、
・神に奉仕する私が実母を見放すなど非道なことはしてはならない
・母は私が最後まで面倒を見て幸せにする
・「わが身の不幸は自分で作り出していた」と何としても母に気付かせる

と、すごーく思っていた。

だから、母を施設に入れることは嫌だったんだよね。
母を施設にいれることは、母への葛藤から逃げてしまうこと。
それは私の人生においての責任放棄だとおもっていた。

あの頃は、これが私の罪穢れつみけがれであると気づけなかったんだよねー。

えっ?
罪穢つみけがれって何かって?

罪穢…別名を執着といいます。


はらひの思想ー手放すことー


神道では、罪穢つみけがれを祓うことで清浄な状態を取り戻すという思想があります。
水に流す
手放す
怖ろしいほど古い神代からの思想です。

吉次は神に祓っていただいたのです。
神のはからいで、母への執着を手放すことができました。

母が暮らす団地の近くに認知症専門の施設があります。
「近くだから見学だけしてみよう」という姉の提案で訪れたところ、たまたま空き室がありました。
その部屋を見た時、
「ああ、ここならば良いかもしれない…」と思えたのです。
何故かそう思った

これは神のはからいです。

それからは、まさにトントン拍子で、見学からわずか1週間で母は施設に入所することになったのでした…。


男性職員に頬を染める母


そして、母はどうなったのか?

母は認知症対応のプロに囲まれて、穏やかに幸せに暮らしております。
骨折して車椅子状態になったし、認知症も進行しておりますが、
「毎日楽しい。ご飯も美味しい」と話します。

さすがにプロです。
母がまだ出来ることをすっごく褒めて、笑わせて、自信をつけさせる。
「わあー橘さん!ご飯全部食べてくれたのー。すごーい、ありがとう!」
「橘さんはおムツいらないもんねー。助かっちゃうー」

母は自尊心を取り戻し、
自分は大切にされていると実感し、
人間関係を取り戻した。

母は驚くほど明るくなった

更に、のけぞるほど驚いたことがある。
なんと母は、男性職員を夫だと勘違いをして、
「洋さん(我が父の名前です)お風呂入りますか?」などと、頬を染めながら話すというのだ!

どっひゃ~^^!!


あの夜叉と化した数十年などなかったかのように、幸せだった夫婦生活の時代だけが記憶に残っているのだろう。

人は不思議だ
人ほど神秘的な生物はない…


手放すことは、捨てることではない


もし、母を施設に入れずに吉次が介護していたならば…
仕事と介護で疲れた私は、母を受容することができず、母を責め母を叱っていただろう
そして母への思慕と怒りで引き裂かれ、母を受容できない自分を責めていただろう

母もまた、娘への愛おしさと怒りで引き裂かれ、娘に面倒をかけている自分を憎みつづけただろう

私は、母を手放した
母は認知症のお陰で、父への執着を手放すことができた
そして、母も私も穏やかになることができた
それぞれが、自分の人生を手に入れることができた

手放すことは、捨てることではない
感謝と愛情をもって、そっと水に流す精霊流しのようなもの

手放すことで、収まるところに収まる
これが神のはからいなんだね

小さな神社に鎮まる土地神様の御神徳に
心から感謝もうしあげます

ありがとうございました


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最後までお読みいただきありがとうございました。

では、さようなら


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