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隣のおじさんと切実に話したい【デンマーク🇩🇰離陸編】

旅の最中の話より先に、帰国での出来事について書きます。どうしても興奮しているうちに書きたくて。時系列がぐちゃぐちゃですが、一通り書き終わったら整理しますので。読んでいただけると喜びます。
そしてこの記事なぜか長いです。


今私の右隣で寝ているおじさんと話したい。


コペンハーゲンからミュンヘンへの飛行機で、偶然隣になったおじさんと話したい。


髭がステキな4,50代のおじさんである。

今は隣でいびきをかいている、笑顔がチャーミングなおじさんである。

目が合うたびにニコニコしていたら、話しかけてくれたおじさんである。

英語もままならない私に、ユーモアを交えながらゆっくり話してくれたおじさんである。

非常に優しくてファニーな、ベニス(後にベネツィアの別名だと知る)近辺在住のおじさんである。

フライトが怖いと話したら(往路で耳が気圧差によって激痛だったため)、離陸直前に勇気づけてくれたおじさんである。




最初は割と上手く会話できていたのだが。

私が彼の話を理解できないときに、なんとなく笑って誤魔化すようになってから、話が噛み合わなくなってしまった。


気まずくなってワンピースの新刊を開いた私。

気遣って寝たふり(?)をしているおじさん。





寂しい。

やりきれない気持ちで、ネット回線がなくnoteが開けない状況ながら、この駄文をスマホのメモに記している。
(日本語を読める人が周囲にいたら恥ずかしいなと思いながら。)




…英語喋れたらなあ。


痛切に感じる。


今までの人生、英語を習得したいと思ったことはあまりなかった。元々海外志向ではない。


だが、今は喋りたい。


おじさんの優しさを無下にしてしまったこのカンジ。おじさんにとっても楽しいフライトになりそうだったのに、志半ばで終わらせてしまったこのカンジ。


とても寂しい。

おじさんに申し訳なく思う。私が英語できないせいで、変な空気にしてしまって。





いや。


英語喋れる喋れない云々の前に、会話が上手くいかないときに笑って誤魔化す癖が駄目だ。


相手の話を上手く聞き取れないことが人より多く、何回も聞き返すことが常だったが、次第にそれが申し訳なくなってきて、聞き返さずにすぐ誤魔化すようになってしまった。駄目だね。






ここまで書き終えて、今。

ふと隣を見ると、おじさんが真っ暗な窓の外を見つめている。


隣でよくわからない日本人が何か長文を書いているのを見て、どう思っているのだろう。もう気まずくて、なんかちょっと辛くて、隣を見られない。


ハグしてキスして感謝を伝えるぐらいしないと割に合わない気分である。(元々人との交流が少なく、大学で同じ学科の人に挨拶されだけで興奮して友人に話す、やばいタイプの人間)

そこまでしなくても、せめてお礼ぐらいは言いたいのに。



…よし。
ここまでの文章を読み直して書き直したりしたいけれど、気まずいのでこの辺にして、寝たふりをすることにします。

もし、おじさんとの続編があれば、以下まだ続きます。






















…続いた。

本当に終わると思っていた。

さっきの文で記事が終わってもいいなと思っていたのだが。



あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!

ミュンヘン空港に到着し、それとなーくおじさんに会釈をして飛行機を降りた。

私はおじさんとの別れ際に"Have a nice day!"ぐらい言いたかった。だから、空港内を移動中もそれとなーくおじさんを目で追って、行き先が分かれるタイミングを見計らっていた。

完全に、乗り換え ≪ おじさんに挨拶 という脳内であった。だから、乗り換えの搭乗ゲートが表示される画面の前に着いても、ぼんやり眺めるだけで行くべきゲートがなかなか見つからなかった。


そのとき。


そのおじさんが声をかけてくれたのである。
(♪Love so sweet/嵐)


おじさんは一緒に私のゲートを探してくれた。私はHゲート、おじさんはGゲートだと判明。そこからなんとなーく2人で歩きだして、言葉はないが、進む道が分かれるまで一緒に行くカンジになった。

空港内の案内板を確認しながら進む。
他のアルファベットのゲートは別のルートに案内されていくのに、ずっとGとHは同じルートである。



そして、ついに。




ん?ついに?

…じゃなかった。


Gate C-F↖ G,H↑

案内標示より


ゲートはAからHまで7つある。だが、GとHだけ同じルート(空港内ターミナル変更のため、GとHだけバス移動)だった。

なんたる偶然。


もちろん一緒にバスに乗り、満月だねとか、飛行機に乗らずにずっとバス移動なんじゃない?長えよ!とか、少し談笑しながら移動した。

最初の和気あいあいとしたムードを完全に取り戻せた、まではいかないけど、気まずくなく楽しく過ごすことができた。


お互い次のフライトがあるので、のんびりはしていられない。お別れのときはくる。

"Thank you so much! Have a nice day?? night???"

夜の10時だったので、私は 'day' が正解なのか 'night' が正解なのかよくわからないまま両方口に出したが、おじさんは "Perfect!" と褒めてくれた。


ちゃんとお礼を言えた。本当によかった。


ありがとうイタリアのおじさん。まさか乗り換えまで一緒だとは。すごく楽しかったし、乗り換えが恐ろしいほどスムーズにいきました。

いつかイタリア行きたいな。
お元気で。



海外旅行が趣味の人や、コミュニケーション能力が高い人たちは、こんな経験ザラにあるし、きっとこんな長文に書き起こして公開したりしないだろう。

私は嬉しかったのだ。
ここまで読んでくれたあなたみたいな変態に、「普段、人に優しくされてないんだろうな」「かわいそう」「おじさん好きすぎるだろ」「なんかキモい」と思われようとも、書きたかったのだ。

これを書いている今、朝6時になってしまった。時差ボケを克服することなく、無事に昼夜逆転生活が始まってしまったけれど、それでも書きたかったのだ。


海外旅行。
格別行きたい訳ではなかったけれど、すごくいいもんだ。



長い長い駄文、
読んでくださってありがとうございます。

まだまだ話し足りていないので、
よければ、またお付き合いくださいね。

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