森山直人 / 『小町風伝』 応援コメント
太田省吾は、曇りの日のほうが物がよく見える、というセザンヌの言葉を好んで引用していた。
それにしても、〈曇り〉を描き出すことは、ダンスや演劇にとって、この上もなく難しい、永遠のテーマのようなものではないだろうか。
「晴れ」や「闇」は、意外と簡単だ。そして、多くの演劇やダンスは「晴れ」か「闇」に還元できてしまう。
〈曇り〉がとてつもなく困難なのは、〈曇り〉が一瞬として同じ表情にとどまることがないからだ。そこでは、さまざまなレベルの明るさと暗さが混在しながら、たえず変化する。
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